白き卵
なにやら託された様です。
召喚魔法陣の召喚の光が収まりかけた時に私の目の前に一瞬現れたのは白く光り輝く竜か龍の様な光の影だった。
その竜の光の影が透き通る様な紅い目でこちらをチラと観た様な気がしたけど、次の瞬間には光の影が消え、後には卵といってもどう観ても鳥系ではない、丸い球の様な白い卵が残されていた。卵だってのは先生方の鑑定によって判明したので間違い様がない。種類的には“毛玉竜”だか何だかの卵らしいんだけど、そんなんもいるんだ。
なんか成体はモフモフしたドラゴンで手乗りサイズの小型の者から大型の者までと千差万別で形態も蛇の様な者から普通のドラゴンタイプみたいのもいるらしい。最終的にはフ○ミーみたいのになるのかな?
うーん、蛇系と“契約”しようかと思ってたんだけど、ドラゴンも爬虫類の端くれみたいなモンだろうし、手間が省けた・・・のかな?そっちは余裕が出来たら呼び出せる様にすればいいか。
てか、召喚魔法介して託卵するドラゴンだなんて私初めて観たよ。東洋龍でなら前世知識で似た奴知らない訳では無いんだけね。確か大陸の東の端のダンジョンに住んでたんだとか。
それにしても子ども形態ですらないってこの後どうすりゃいいのよ。戦闘でしか経験値積めない仕組みなのならランクアップまで戦闘中も抱えてろとでもいうんでしょうか。
硬そうだからそうそう割れたりはしないんだろうけれども“無限箱”とか孵卵器なんて便利そうなモノは持ってないし、ましてやドラゴンの育て方なんてもの知らないし。
孵ったら孵ったで何を餌にあげればいいんだろう。ランクアップで育成期間は短縮出来るとはいえ、中身が伴うのかなー。不安要素しかない気もするんですがそれは。
先生方もあの“影”は観えてたみたいで召喚魔法介しとは云え竜が他種族に託卵するだなんて信頼されてる証拠だろうから、悪竜にもなりはしない。って妙なお墨付きを貰っちゃったけど不安は拭えない。
ひょっとしなくても私、実験台扱いか何かですかソレ!?何れにせよ野生には今は帰せない。
卵が孵ってからでないと本来の生息域の特定難しいんだよね。“召喚玉”の逆追跡というか召喚元に送り返すのは今からじゃ不可能だし。いづれ親が成長を観に来るのかな。変な方向に育ってお仕置きに子ども竜毎ブレスで焼かれたり尻尾で叩かれたりとか無い様にしないと。
その後も学生達に召喚玉による召喚は続き、全員に行き渡った所で代わりに各々練習用ゴーレムを帰還させて契約を解除する。
練習用ゴーレム達に喜怒哀楽の表情は無いんだろうけど、その帰還魔法陣に消えていく後姿に何処と無く哀愁や安心感やらが滲み出ていたりしていたのを感じるのは気のせいだろうか。
今後は自分でゴーレムを製作したりゴーレム職人達の作品を買ったりしてカスタマイズしていく事になる。自分専用のゴーレム倉庫を造るか、職人の所の倉庫に預ける事になるのかはまた別の話だけど。
さて、一応卒業試験も終わったし、後は卒業式だけだね。卒業式が終わったら各々やる事は異なるんだけども私は“ギルド”へ正式登録をしないとね。あの受付のお姉さんにも久々に会える。
というか私自身のクラスチェンジも“ギルド”登録と同時進行なの!?なんか嫌な悪寒がするんですが・・・
白蛇さんでも召喚しようかと思ったのですがいきなしぶっ飛んで白竜?さんに。卵なのは実力不足だからでは無い・・・筈。




