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ケモノライフ!キツネさんは転生者  作者: きつね耳モフモフ
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お試しの迷宮 その②

何回も気軽に挑めるってのがいいのか悪いのか。

 今度の階ではまず“迷宮”は全て人工の物という訳でも無いという事で簡単な洞窟行(ケイビング)きの方法も教えていた。

 洞窟にうっかり踏み込んで窒息とか洒落にもならないので松明等による新鮮な空気の有無の確認から煙等による風の動きの視方や紐や綱等による行動範囲の狭め方や帰り道の確認の仕方も教わる事が出来る。

 紐や綱等で行動範囲を狭めるのは時間経過が分かり辛いのと万が一足を滑らせたりして縦穴等に落ちるのを防ぐ為であり、迷子になるのを出来るだけ防ぐ為でもある。

 壁等に色を付けたりして目印を残す方法もあるが“魔物”等に弄られたり消えたりする可能性があるので過信はしない方が良いとの事。

 そういう意味では紐や綱も危ないが何かあれば振動は伝わるので危険度は低くなる方ではあろう。“迷宮”の場合はさらに通路自体が動いたりする仕掛けがある場合があったりするのでなおさら長時間の滞在は危険となる。ひいて見て手ごたえが無い時等は面倒でも後退した方が良い。

 また狭い所につっかえたらいざとなったら着ている物を残したまま脱いで脱出する方法とか武器防具をつっかえ棒代わりにする方法も教えているが武器防具をつっかえ棒にするのは最終手段に近いという事を教える事も忘れてはいない。

 続いてのコーナーは“迷宮”の歩き方の解説を行っている。左手法や右手法といった壁伝いに“迷宮”を抜ける古典的な方法や杖や棒を使っての罠の発見の仕方もそれらの一つ。

 この“初心者コース”では通路には見えない罠は仕掛けられていないので、警告も無しにいきなり底が抜けて次の階にご案内。とか落ちたら問答無用で串刺しになるのとかはない。

 看板と共に底が抜けると落ちる床とか動く壁に挟まれる体験コーナーもあるが、壁のなら誤作動で挟まりきる事が無い様に床にストッパーが組まれていたり、落ちる床の下は少し固めのトゲトゲやフワモコの緩衝材で覆われてたりする安心仕様となっている。

 落ちているのがお財布程度の物でも迂闊に手を出してはいけないとかで、うっかり近づくと輪っかの付いたローブで足を取られて逆さ釣り!!なんて罠があったりする可能性を人形で確認出来たりもする。

 “迷宮”の中に扉の付いている部屋がある場合に関しては扉の開け方も体感出来る様になっていて、勢いよく扉を開けて中に入ってみようとしたら布団とこんにちわしたり、ベンチみたく座れそうになってる所に腰を下ろそうとしたらトリックアートで硬い地面だったりとか初心者でなくてもうっかりしてると嵌りそうな罠だらけ。

 しかも一旦他の階に移動すると罠が移動するので同じ箇所で同じ罠に出会う可能性も低いという非常に凝った造りになっている。

 宝箱の扱いについての解説コーナーでは人家にある様な物は勝手に開けるのは不味いが魔物が落としたり“迷宮”にある物は余り文句が言われる事はないという解説が行われている。

 実力のある“魔物”や復活したりした者の大事な物によってはそれを取り返しに来る事等がある可能性も触れられるが、そういう物で“ギルド”やお店で買い取られたりした物は裏ルートで売られたりするのでなるべく早めに売ってしまうかその場で捨てる事が推薦されている。うっかり装備して呪われてて外せなくなってしまった物に関しては神職にでも頼まないと外せないが。

  また見つけた宝箱の安全な開け方位は知っておいた方が良いしという事で殺傷能力の無い矢が仕掛けられている物を使っての選択実体験も出来る。

 宝箱だらけの部屋で上手く罠で無い宝箱を開けれれば当たりという紙が入ってるだけだが、罠の宝箱を開けたら額に吸盤のついた矢がポヨンと付く。

 重さや大きさでは判別出来ないので結構引っ掛かるヒトも多い。ランダムで箱の位置や内容も変わるので必ずその宝箱がそうとは限らないのもミソの一つだ。

  鍵は付いてたりする物に関しては対応した宝箱用の鍵が売られたりしているのでそれを利用したり魔法で解錠する方法が推薦されていたりする。

 中には武器でこじ開けようとしたり強引にぶっ壊して開けようとする強者もいるようだが、そういう場合は大概中身まで壊れてしまうそうなのでお勧めは出来ないとの事。

 また宝箱の中には魔物が擬態した物や魔物を呼び寄せる宝箱も紹介されているが、流石にこのコースでは

擬態宝箱(ミミック)”の絵での紹介に留まっている。口を開けた宝箱の背後から伸びる“魔物”の影が狐っぽいのがアレだが。

 最後の区画は洞窟や“迷宮”内で留まる場合の安全地帯を模してある。ここでは洞窟では比較的広めの空間が、“迷宮”では完全に安全を確認した部屋での滞在が勧められている。

 “浄化”の魔法があればそれも使う事が薦められているが、最終的には自分やPT仲間の安全だという感覚に頼らざるを得ないので出来るだけ扉の付いていない部屋等で休息する様にするしかない。うっかり扉の付いた部屋で休んでいて閉じ込められたりしたら何時その扉が開くのか分からないからだ。

 階層が進んだ事もあってか最後の区画は回りこむ形でこの階の入り口の横に出てこれる様になっており、階段を上って上の階の記録ポイントで記録する事で“迷宮”の外に出入りする事が出来る。

 この階も前の階同様に一方通行にはなっておらず、各人が満足するまで各体験を選んで学べる様になっている。中には遊び感覚で何回もこの階に挑む者もいる様だが“初心者向けコース”なのでそれはそれでも構わないのであろう。

次の階はいよいよコースの大詰めとなる。1F同様に“魔物”が放たれた“魔物”が居る中での“迷宮”のクリアを目指す事になる。

 かつて“狐耳”の少女が宝箱にふっ飛ばされた階でもあるが、果たしてどういう“魔物”がいるのだろう。

次回はまたしても“幕間”の予定です。とっととクリアしろって?無理です。

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