お試しの迷宮 幕間:宿屋にて
1日で“迷宮”を全部攻略するのは無謀すぎるって事で。
“お試しの迷宮”目当てでこの“街”利用するのは初めてだったので、なんとなく周りが新鮮に見えるね。
こうやって宿屋の窓から見渡してみると“学校”の4年生の顔がちらほら見かけられる。
幼い頃に見掛けた“旅人”さん達の正体観たり!!って奴かな。まぁ普通に“旅人”さんも居たりするから見てて飽きないけど。
それとなく観察してると回復師の生徒達が“クエスト”の対象で無い様な所の浄化なりを積極的にやってたりする。“街”の郊外の方にある下水処理場みたなものの方が人気・・・もとい需要が多いとかで、“街”には補給に来てるヒト達が多いみたいだけどね。
剣士系な生徒とかは“お試しの迷宮”とか近隣の“村”に出張したりで結構出入りが激しい。時々PT組んでたりするからどっかに“巣”未満なとこ見付けたりしてるのかも知れないねぇ。
「んで、あんたはここでノンビリしてていいの?」と部屋を覗きに来た“ウサ耳”な店員さんが私の後ろでベッドメイクをしつつこっちを観て首を傾げてみたりしてる。
「いやぁ、昨日は来てそうそうに“お試しの迷宮”の1階に挑戦してみたんだけどねぇ。意外と疲れちゃったから早めに切り上げちゃったんだよね。今日は2階に潜ってみようかと思ってたトコだよー。」と言いつつ後ろを振り返って店員さんをみる。
部屋の中でベットメイクしてたのはマリーちゃん。この宿予約したのはここん所はこの宿担当だって知ったからでもある。本来ならメイク中は部屋から追い出されてるんだろうけどそこは知り合いのよしみって事で。
マリーちゃんは観られても恥ずかしくない様な地味なメイドさんっぽい服装をしてるけど、結構似合ってるね。食事の担当がミリーじゃないのが残念だったけど、他に回ってるなら文句は言えないなぁ。
「今日の朝食はあたしも手伝ってるからちゃんと食べて行ってね?残したら承知しないから。」とマリーちゃんがメイクの手を休めてビシッと私を指差して決めポーズ。
「うぃ。ちゃんと食べてくよー。」と返事して部屋を出て宿の1Fに降りてすこし遅めに朝食を取る。
朝食はちょと焦げ目の濃いパンと目玉焼きと温かいスープだった。どれがそれなのかはあえて云わないで置こうと思ってたら、「ちなみにパンじゃないわよ?」と通りしななマリーちゃんに突っ込まれた。残念、違ったのかー。正解はなんだったんだろ。
今日は“お試しの迷宮”の前回の記録ポイントから再スタート。入り口は前回と同様なんだけど、入ったらここまで途中のポイントをスルー出来る仕様になってた。入り口の所で転送とか出来ないのかな?と思ったけどここは一方通行では無くて“街”の入り口を模した所から再び擬似フィールドの方に出て体験を繰り返していってもいい仕様だかららしいんだけど、今日はそっちはパスして下の階を目指す事にした。
今度は何を学べるのかな?とワクワクしながら逸る心を抑えつつ、“迷宮”の入り口を模した階段を慎重に下りていく。
流石に階段を滑って落ちるとかいう仕掛けは無かったけど、駆け下りていった挙句に壁に激突とかいう体験はしたくは無かったしね。
かつて“街”ですれ違った人々の中には“学生”さんが混じってたって事で。因みに“学校”としての制服は無かったりします。“遠征”するからですかね。




