お試しの迷宮 その①
迷宮利用編です。人為的な訓練施設なので余り派手な戦闘とかは無い予定です。
狐耳の少女は“街”で宿を予約すると、今回の目的地である“お試しの迷宮”にやって来た。“遠征”で来ているので、今回は割引の効かない一般宿にしか泊まれないがそれはそれで構わない。
“お試しの迷宮”には現在3種類のコースがある。“初心者向けコース”、“中級者向けコース”、そして比較的近年に開設したばかりの“上級者向けコース”。それぞれ攻略出来る階層も異なるその“訓練場”は今日も今日とて利用者で盛況だ。
彼女が現在攻略出来るのは“初心者向けコース”のみ。年齢的には全コースが解禁されているが、最低1回はクリアしないと次のコースが回れ無い様に設定されているのでインチキは出来ない。
例え高LVのPTに潜り込んでいたとしても、入り口の結界は阻害魔法だろうが誤魔化せないのでいきなりすっ飛ばして“上級者向けコース”に入る事など不可能だ。
狐耳の少女以外にも“都会”からの遠征組は何組か居たりするので彼女は特に目立つ事も無く、迷宮を目指せている。ちなみに“街”中では事前“召喚”は行っていない。
“召喚”した“魔物”とか出したまま引き連れて入ってこうものなら目立ってしょうがないし、ここは仕舞って置いた方が無難だろう。
ちなみに“魔力カード”の合算はまだ出来ないのでそちらはまだ後回し。“迷宮”の入り口で順番を待ち、監視員達に利用コースを告げると“迷宮”内部へと一人踏み込んで行った。
“初心者向けコース”の場合、迷宮の1階は外のフィールドの再現を行っている。因みに“迷宮”の裏方の補助に回った事はあっても攻略は初めてなので、何処に何があるのかまでは彼女は知らない。
この擬似フィールドでは角兎や“野犬”等が放たれていた。簡単な罠等も設置されており、うっかり彼らを追い掛け回そうとすると足元を掬われたりする。草を結んであるだけの罠や簡易な落とし穴があるだけだが油断は出来ない。
たまに“魔物”側も罠に掛かったりしているが、そこら辺はご愛嬌といった所か。召喚用に狩りまくる事は無理っぽかったので外で契約して来たのは正解だっただろう。
“解体”ポイントでは、擬似フィールドで倒した“魔物”の“解体”の仕方を待機している係員が教えてくれる。血抜きや筋の切り方等の簡単な処理の仕方からだったので、狐耳の少女にとっては楽な方だったが。
採取ポイントも再現されている。“薬草”と“毒草”の見分け方の解説の看板が立っていたりして間違わずにどちらを採取すればいいのか解説していたり、根こそぎ採らない様にする摘み方等を教わったり、所定数の採集を行うと次のポイントへの道を開いてくれたりする。
釣りポイントでは釣りの仕方。簡単な釣竿の作り方から餌の探し方等。川釣りでの狙い方から湖での狙い目まで教えてくれる。釣り針は買うのが薦められたが個人で造り出せなくもないとの事で、余った骨っこでつり針造ってみたりも可能だったりする。
海釣りに関しては初心者にはまだ早いという事でおあづけ。まぁ“迷宮”内で海釣りを再現出来ないという事情もある様ではあるが。一応小さな船の模型と絵で大物を釣り上げる構図のが飾ってあったりしている。
最後の区画は“街”に入る為の入り口付近を模してある。“魔力カード”を見せて入るのも実際のと変わらない。持ってない場合は擬似フィールドで採取した薬草や解体して出来た“素材”を買い取ったりして得たお金を当てる方法等も丁寧に教えてくれていたりする。
この区画は“街”に入らずにこの“迷宮”に来てしまったヒト向けの解説も兼ねているが面倒なヒトはここの説明すら簡単にすっ飛ばして次の階に突入するとかしないとか。
小さな迷宮の入り口を模した次の階への階段を下りれば、いよいよ次の段階の体験が出来るが、狐耳の少女は今日はこれ以上進まず一旦外に出る選択をした。この区画で記録しておけば次はこの区画からの続きが出来るからだ。
街中の描写はふっ飛ばしたが隣接してるって訳でも無いのでこれでいい筈!? 3/23:次回に繋げる調整も兼ねて加筆しました。




