3年生
ダイジェスト的な話ばっかで済みません。
3年目はさらなる実践編に突入。呪文書とか武器防具はその学科に属した者ならば割引が効くので召喚士クラスに所属してる私はそっち系の道具が安く手に入りやすい。
“和風”巫女が使う“カタシロ”な様な物は手に入らないけど、要は使い捨てな紙製の“ゴーレム”の一種なので普通に“ゴーレム”召喚で間に合わせる事が可能と判明したのでそっちを多用する事に。
授業でやったゴーレム召喚は“野犬”の子犬の召喚よりかはある意味楽だった。訓練用に構成されているのでか使ってる材料も少ないし構造もお人形さんのちょっと複雑な程度なのだからか失敗も少ない。
男子はそういう意味ではちょっと苦戦してた。女子程はお人形遊びはしてないからか動きとか球体関節とかの構造把握に手間取ってた感はある。騎士な人形とかはあっても簡易な物しかないのも理由の一つかな。
実物を視る機会は多々あってもそれこそ自分の手で弄り回せる訳でもないしね。建機っぽいのとかは人気あるんだけどなー。自分で動かしたくても動かせないジレンマとか抱えてるヒト結構多そう。
ただヒトによっては自分でゴーレム造ってそれを呼び出す事に活路を見出した方もいるそうで、召喚士の派生系としてゴーレム遣いとかゴーレム職人に就くヒトもあるんだとか。
世の中にはドリル装備なゴーレムとか変形合体するゴーレムとか男の子が好きなモノから女子が好みそうな着せ替えゴーレムとかも居たりするんだろうなぁ。“ガーゴイル”もそういう趣味品の派生だよね多分。
まぁ一般家庭に普及する程安価でないのがある意味救いというかなんというか。卓上タイプの蟲退治用小型ゴーレムが安価で出回ってたら怖いよ。「ほひひひ。」とかそこら辺から聞こえてきそうで。
後、召喚術で忘れてならないのが帰還のさせ方だね。召喚維持してる存在の場合は召喚者の“魔力”が尽きれば勝手に帰って行くんだけど、命の宿ってないゴーレムなんかの場合は呼び出したらそのまんまなので出ずっぱりでは不味い状態なんかの時には帰還させてやらなきゃいけない。召喚中に倒れちゃったら再召喚に時間掛かるから、倒れる前に帰還させる事で復帰が早くなる。
帰還方法は基本的には召喚魔法陣を“逆転”展開してその中に入れてやれば良いとの事。格上相手だったり未熟だったりすると帰還を拒否されたりするのでこれも要訓練。状況によっては相対する者の背後に展開させて、なんとかラッシュ!みたいな方法も出来なくはないみたい。
ただこれをやるには術者に余力があってかつ群れを作るタイプの“魔物”とか集団でボコりに協力してくれるタイプを呼び出さないといけないらしいんだけど、いつかは狐さんラッシュ!とか出来たらいいな。呼び出すのが“狐の嫁入り”じゃ速度は出せないだろうから多分鑑賞用にしかならないだろうけどさ。
赤いトラックなゴーレムさん召喚して跳ね飛ばしアタックとかも出来そうだねー。ただこの場合は跳ね飛ばした相手が他の“世界”に“転生者”として呼ばれそうだからやるんなら良く相手を選んでやらないと。
話はちょっとそれるけど携帯用の魔道具としてマリーちゃんに貰った手鏡を“魔鏡”として使う事にしました。魔力回路とも呼ばれる術式を鏡内部に組み込んで、いざとなったら手鏡を翳してそこから空中に召喚魔法陣を呼び出す事も可能な様に改造して貰いましたですよ。流石に自分じゃ術式組み込んだりは出来ないのでお店に頼んだけどね。ちょっと高かったけど“クエスト”回しでなんとかしのぎました。
この“魔鏡”は代金を奮発しただけあってちょっとした魔術なら撃ち帰すミラーシールドとしても利用可能なんだけど、元が元だから初級の魔術が限界だと思う。それ以上はパリンと割れちゃうんだろうなぁ。
応用方法として“魔鏡”で回復魔法を反射させて味方に撃つなんて事も出来るんだけど、反射された魔法ってレジスト出来ないのね。反射魔法とか“魔鏡”での『デルタアタック』が有効なのはいいけど大概は撃つ方も耐性とか持ってるから注意しないと。うっかり撃ち帰して回復された日には目も当てられない。
そんなこんなで3年目もあっという間に過ぎていく。今年の夏は皆の協力でミラさんを海水浴に呼べたので良しとしますか。ミラさんも海水浴を村の子どもらの恒例行事に組み込めないか思案中なんだとか。
4年はいよいよ校外実習をやるんだとか。今まで校内だけだったけど、ついに実戦やるんだね。
その代わり夏休みが潰れるって聞いたけど一体何やらされるんだろう。不安だ。
次回でようやく学校4年目へ。最後の年に校外で待ち受けるモノは・・・




