新たなる道の予感
平穏な日々が続く・・・と思いきや。
道の向こうからえっちらおっちらと山合いの“村”からの“社会見学”の列が来た。納入品を載せた荷車も一緒だね。ミラさんの姿も確認出来たよ。皆を繋ぐ紐を片手に持って真面目くさった顔して子どもらを率いてる。見張り役のヒト達も居るし余り危険は無いと分かってても役目だもんね。お役目邪魔しちゃ悪いし“街”に到着するまではこちらも影ながら見守る事に。目が時々こっち観てたからもろバレしてたとは思うんだけどね。
“街”に入れば後は詰め所まで一直線なので邪魔にならない様に後ろから付いていく。“村”の子らもこっちの顔覚えてたみたいで特に人見知りする事無く寄って来てくれるし、ミラさんも久しぶりにモフりたかったみたいだけど、見張りあるから今回は盛大なハグだけで我慢するーっ!って抱きつかれただけだった。顔は緩みきってたけど。詰め所の方々の目もあるしじゃその程度が限界かw;
「そういえばあなた背が伸びてないわねー?ちゃんとご飯食べてる???」とハグされた後で心配されちゃったよ。むぅ。ちゃんと食べる物は食べてるんだけどなー。多分私が背が伸びにくいだけなんでしょ。歳の割りに幼くみえるだけだって。多分・・・。とはいっても“転生”したからか実際の年齢は私には分からないんだけどなー。“すてーたす”だか観れれば歳位は分かるとは思うんだけどね。まぁ一応ミリーやマリーちゃんと同じ位の歳で合ってる筈。
ただ可能性の一つとして歳を取り難い体質だったりしたら下手すると知り合いから姿を隠すか変化?の術とか変装で歳を誤魔化す方法も考えないとならなくなるだろうと思うとちょっときついね。知り合った皆がどんどん歳喰ってくのに自分だけ歳喰わずに取り残される側になるのかも知れないなんて思うと・・・。まぁ今はまだ可能性の一つだからそんなに気にはしなくていいか。
今回は“ふっとばし基”での事故みたいな事も無く無事にミラさん達は荷車の背に揺られて帰っていった。例の広告の件は特に突っ込まれる事はなかったけど、あれ観たミラさんが私の顔見た後顔を逸らして肩を笑いで小刻みに振るわしてたから多分分かってるんだろうなぁ。おのれ元凶め。今頃どうしてるかな。
翌日からは何時もの様に“クエスト”回し。そろそろ攻撃呪文も欲しい所だけど、何がいいかな?火系がいいか、風系がいいかな?と考えつつ詰め所に行ったら受付のお姉さんが“街”の取り締まり役が呼んでるって教えてくれた。なんだろ?
え。「そろそろ“都会”に行ってみないか?」ってどういう事?お役目御免ですか?「おまえさん“都会”で“学校”に行ってみる気は無いか?」ですって!?・・・あるのか“学校”。でも学費とか試験とかどうすんのよ。“学力”なんてもんありませんよー!?
なにやら新しい舞台が開けそうな気配が。




