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ケモノライフ!キツネさんは転生者  作者: きつね耳モフモフ
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芽潰し

 魔物側だって簡単に足元は掬われたくないでしょうし

それは“街”が“素材”の仕入れ元の一つの“村”からの緊急連絡によってもたらせられた一つの情報から始まっていた。放置しておけばいつモンスターレイドに発展するかも分からない厄災の“芽”。ガヴリンの巣の発生である。多種多様な種が住まうこの“世界”で魔物の“巣”がある事自体は別に問題ではない。

 今回問題になっていたのはその“距離”だ。楽をしたいと思うのは“人”や“獣人”や“魔物”とて同じ事。住まうのに楽ならば寄り固まるのはある意味必然であろう。だが寄ってくるのが自重しないタイプなら当然の結果として争いとなる。今回“巣”を構えたガヴリンも自重しないタイプだった事が両者にとって不幸の始まりであった。資源の奪い合い。小さな嫌がらせから始まったそれはもはや“村”と“巣”の争いでは済まず近隣にまで飛び火し始めたのである。力ある“魔物”が近くにいればまだなんとかなったであろうそれは燻っている程度ではあったがその“村”が“街”に対して救援を求めるに値する危険な物であった。

 “魔物”側としては力ある者を重視する傾向がある為に芽吹くまでもない存在の活動等気にも留めないであろう。だが一度芽吹いてしまえば例えそれが風前の灯にもならない程度の揺らめきであったとしてもその影響は馬鹿にはならない。

Q:安定を望むのであればどうすれば良いか。A:観て見ぬふりをすれば良い。

 よって早々にその“巣”は魔物側からも放置された。-後はその“巣”の主の実力次第。這い上がれるのならば這い上がってみせろ。ついでに楽しませてくれれば尚良いが期待はしないでおく。-

 どの様な理由であれそんな厄介な“芽”を放置された側としてはたまった物ではない。だが潰してしまっても文句が来ないのであればその手を拱いている必要も無かった。早々に討伐隊を組んで送り込むだけだ。

 要請を受けた“街”としても手加減しなくてすむ相手に遠慮等していられない。緊急“クエスト”を組み手の空いている“旅人”達に伝達していく。幸いにもこの“街”では“お試しの迷宮”の新コース開設目当てに集まって来ていた実力者達も多数おり、またとない活躍の場の発生にその目を輝かせている。

 だが“街”としては“旅人”達だけに美味しい所をかっさわれっぱなしなのは歯がゆい部分もある。“村”に恩を売る機会でもある以上はそれを見逃す手は無い。急遽“街”の戦力も引っ張り出す事にしたのである。

       狐耳の少女に声が掛かったのもある意味当然の結果であった。

 正直な話、彼女の実力はまだ低い方だろう。だがその特異性は“街”側もある程度はすでに把握していた。一言で言えば“選り好みをしない”。家屋の補修等といった力仕事は避ける傾向ではある様だが“女性”である事を考慮すればその評価に傷を付ける物では無かったし、今し方も“街”に来てから何十回目以上かの“お使いクエスト”を嫌な顔せず終えてきたばかりだ。力を追い求める者とも違い“火力”よりも“回復”の呪文書を先に習得してもいる事も声を掛けられた理由の一つ。今回“火力”は“旅人”達や他の“街”の戦力で間に合うだろう。彼女に求められたのは支援の支援。普通なら嫌な顔をして避けられるであろうその依頼を。

        -彼女は少々困った顔をしつつもあっさりと承諾した。-

支援の支援とは一体何やらされるんでしょうかね。

少なくとも無双をやれという事ではない様でなによりですが!?

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