維持する者
タイトルがちょっと苦しいかな。
草原を角兎が舞い“野犬”の群れが乱れ走る。時々“狐耳”がそれを追い、時には逆に追いかけ回されていたりしてるこの状況。どう鑑みても明らかに苦戦してるよねー。“街”に来るまで3人で役割を分担していた時に比べて明らかに後手に回らざるを得なったし。
いくら≪危険感知≫や匂いや音で相対する“魔物”の居場所を探せるとは云え一人では出来る事は限られるからねー。情報量が多すぎるのも考えものなのだろう。3つの能力を集約した高性能な量産機が雑魚扱いされる理由が何となく分かった気がするよ。それでも今は剣を片手で振るいもう片方の腕に装着した小型盾で攻撃をかわし苦戦しつつも“野犬”の群れを駆除するしかない。時々“薬草”使って傷も塞ぐのを忘れない。
今日の“クエスト”は“野犬”の間引き。殲滅じゃないのがミソでいくらかは残す。“野犬”が居なくなり過ぎてしまったら今度は角兎が増えすぎちゃって困るんだとか。難しいねー。
詰め所には他にも“村”でやってた様な“クエスト”の依頼書が貼ってあったんだけど今回選んだのはこの依頼だったんだよね。“街”に楽にこれたからという事でちょっと調子に乗ってたのは否めないかな。
因みに魔法の“呪文書”はまだ買ってない。言葉の“呪文書”ですら結構高かったんだから他のだって高いのは容易に想像出来るし、どれ位するのか今度お店に寄ったら聞いてみようっと。
後2グループで今回の“クエスト”は終了。さっき倒したグループの“素材”の回収も終わったし、とっとと残りの分を消化しちゃいましょうかね。
「とりゃーっ!!」ずばっ!「ギャウン!?」「ワンワン!」ごぃん!「コぉーン!!!?」
数十分後。なんとか規定の数の“野犬”を倒して詰め所に戻り受付のお姉さんに“クエスト”の報告をすませる事が出来た時はヘトヘトになってました。“クエスト”受ける前に討伐数誤魔化そうとしても駄目になってるとか説明してくれたけど、ちゃんと規定通りの数倒してきたか分かる様になってるのもある意味凄いよね。何処でカウントしてるんだろ。監視員とかいるのかも知れないね。戦い方とか観られてたんだろうなぁ。醜態晒してたと思うとちょっと恥ずかしい。
間引いた後で手に入れた“素材”はここで買取りしてくれたんだけど、それの状態も“貢献度”に反映されてたりしそうで油断は出来ないね。“失敗”のなんか出したら笑われそうなのでしまって置こう。
帰りがけにふと壁の告知とか観てたら“お試しの迷宮”の「上級者向けコース開設!』とかいう広告が出てたんだけど、煽り文字に『あの“擬態宝箱”がついに実装!何処で出るのかお楽しみ!』って書いてあった件について少々思う所が。つーか・・・それってひょっとして元ネタ私じゃないよね;?イラストの“魔物”の影がなんか“狐”っぽい気がするんですが。むさいおっさんとか宝箱から出てきたら全力で潰したいんだけどそーゆーのはまだまだ先の事になりそう。
さて。広告は観なかった事にして今日は宿にとっとと撤収しましょうかね。・・・明日はどの“クエスト”受けようかな。
意外な所で貢献?してた狐さんでした。「げせぬ・・・。」




