生きるという事
戦闘回です。短めですが。後、試しで魔物の解説も入れてみました。
ミラさんの笑顔を背に3人が往く。山越えの道よりかは安全とは云え道沿いであっても時々普通に“魔物”に遭遇した。“社会見学”の時は団体行動という事で全体の数も多く、さらに護衛もつくしで“魔物”達も碌に寄っては来なかったけど、あの時とは訳が違って“魔物”達も舐めて掛かってなのかわざわざ向こうから寄って来てくれたりするんだよね。“魔物”とはいっても精々“野犬”位だけど。
ただこっちも黙ってやられている訳でも無いんだよね。
マリー「・・・あの。“魔物”があっちに居るみたいよ?」と自慢の“耳”で索敵を。
ミリー「んー。この匂いは"野犬”と角兎だね。」と鼻で相手の種族の簡単な鑑定を。
私が「右に3匹、左に2匹いる。動きからすると右が“野犬”かな?」と≪危険感知≫で数を確定。
マリー「うん。・・・それで合ってるよ。どっち行く?」とマリーが最終的な相手の確認を音から確定するという役割分担で大概向こうがこっちに気付く前に襲っちゃてるから。待ち伏せ喰らうのは精々向こうが風上な時位だけどマリーの耳が向こうの息遣い捉えてる事の方が多い事と私の≪危険感知≫で殆ど無意味。
「・・・んじゃ、一気にやりますかっ!余裕があったら両方とも殲滅でっ。」一気に間合いを詰める。
“犬耳”の渾身の剣での一撃が群れをなぎ払い、“うさ”耳の強烈な蹴りが炸裂し、満身で振りかぶった“擂り粉木”が残ってた“魔物”の脳天に振り下ろされたかと思うと慌てて開けた片方の手に逆手に握られたままの短剣がふら付く相手の喉を掻っ切っていた。「『何故そこで“擂り粉木”が出るの』かなっ!?」あーごめんごめん。鞘の挿す位置間違えてた。本当は剣使う心算だったんだよ。最初から“擂り粉木”で相手をぶっ叩き倒そうなんて思ってないってば。・・・はい。反省してます。
「あーもー。じゃぁ今回は“解体”やるって事で許してあげるから。」
因みに“解体”は“村”にいた時に食事当番とかで交代でやってたから3人とも出来るよ。3人の中じゃミリーが一番上手。次がマリーで私という順序。“犬耳”が“野犬”解体したり“うさ耳”が兎種の血抜きをしたりとかしてるの観てりゃこっちも感覚を慣らさざるを得ないんだよね。
私も同属相手に戦う事も考えないといけないのかな。・・・狐種相手に無双とかはやりたくはないけどね。“人”相手に戦ったりした事も無いからこっちもかなりやりにくいとは思う。知能の高い“人”型の“魔物”相手とかだと余計矛先が鈍ったりしそうだねー。可愛くないのは容赦しないだろうけど。
とりあえずとっとと今回の獲物を“解体”して“素材”化していきましょう。少しでも“解体”のレベルを2人に近づかないとね。
-“魔物”解説-
角兎
:主に平原や草地に住む兎種。大きな一角ではなく小さな2角を有する臆病な兎。主な攻撃は跳躍しての頭突きだが“人”や“獣人”にとってはさほど脅威と言える程ではない。頭突きで驚かせてその間に逃げるのを得意とする。肉質は柔らかく食用に適する。小さい内は角が生えてないので巣穴近くで兎玉となって寄り固まっている事が多いが巣穴に逃げ込まれるとその内部の複雑さも相成りまず捕まる事は無い。飼育する事も可能ではあるが大概不味くなる。
野犬
:主に平原や山地に住む犬種。大きさとしては小型~中型である。1匹ではたまに角兎に返り討ちに合っている位には弱いが群れると脅威となりえる。大体3体位で群れるが多い時は5体以上にもなる事も。中型のものは肉や骨は“素材”として利用可能ではあるが味としては美味とはお世辞にも言えない。
ちなみに両者共“魔物”としては最下位の方に位置し、魔力の塊とも言える“魔石”を普通は保有していない。但し進化した上位種と見られる同属の中には“魔石”を有する者もいる他、極めて稀に“魔石”を有する者もおりそれに率いられた大群が現れる事もあるので留意が必要である。
3人とも獣人だけに戦闘能力は同レベル台の“人”よりも高いと設定した結果、一種のチート状態になってしまいました。情報は大事!って事ですね。




