護るという事
勘違いしてるのは他にも居る様で・・・?
女の子達の部屋の方で武器がどうのこうのいう話で盛り上がってるらしい。でも武器だけでなく、防御の事も忘れては駄目だよ?防具は良く選ばないと。と心の中で突っ込んでおく。
あの子が防具を装備するとなると、あの子は“魔法”に興味があるみたいだから重装は出来ないだろうな。“魔法”を扱うのに何時も有利な地形や場面にあるとは限らないし、なるべく装備が軽い方が回避もしやすいし。あの子が全身鎧着てよちよち歩くのに向いてないのは容易に想像は出来るけど。・・・ちょっとそのよちよち姿を現実で観て見たい気もする。
そう言えば“防御”の事で嫌な事思い出したんけど、“村”や“街”などの構造物がある所はそれ自体が“盾”であり“鎧”でもあるとも言えるんだけど、その主目的は“時間稼ぎ”なのよね。いかに相手に攻撃時間を多く無駄に使わせる事が出来るかという事によって相手を疲弊させ、尚且つ相手の使う武器自体や食料等いった物も消耗させる事が可能となるから。 “魔法”を使われる事で物理的な防御力は減るだろうけど防御の“魔法”だってある以上は結局は同じ事。余裕が残っている方が、最終的には勝つ。・・・もっと大きな視点から言えば、村や街の一つや二つ位この世から消え去ろうが気にされない事すらあるのも事実。
・・・末端の一つ位無くなっても“本体さえ無事”ならば“盛り返せる”だろうから。
あの子もそういった争いの類いの犠牲者なのかも知れない。最初にあの子がこの“村”に現れた時に着てた物が元は上質の物だったっていう事実から考えれば、それも十二分に“有り得る”事だから。あの子が村に来た時にいい大人達があの子の扱いに困っていた理由の一つもそれ。面倒には巻き込まれたくは無いが簡単に見捨てる訳にも行かないから。・・・私があの子を引きとったのは単なる私の我侭からだけど。
あの子自身は何故自分が迷い子になってるのかすら分からない内に迷い子になった。だからしきりに自分が知らないヒトを見掛けるとその顔を見上げる動作をしたりしていたりする。・・・自分を見知った顔がそこにあるのかと期待してるのよね?だからなのか一通り顔を見上げた後に顔を少し俯かせて肩を下げるその動作はどこか寂しげで余計に声を掛け辛い。“うさ耳”のマリーも大分前からその“癖”に気付いてたみたいだったけど、まだその“意味”には思い至ってはいないみたい。マリーには両親もきちんと居るしね。
だからかな。私には何となく分かる。あの子がこの“村”を出て旅に出る心算なのを。もし本当に唯の迷い子だったのなら既に何らかのアクションがこの“村”にもあった筈。でもそれは今まで無かった。そしてそれは多分これからも・・・無い。ならばこそあの子自らが動くのだ。本当の居場所を探す為に。
だから私はあの子の歩みを止めないよ?護るのと囲むのとでは意味が違うのだから。私にあの子の歩みを邪魔する権利は無い。それがあの子の為であり、強いては私の為でもあるのだから。
「ミラさーん。今日のオヤツ何ー!?」おっと。もうそんな時間なのね。考え事は脇に置いてオヤツの支度しなきゃ。まだまだ食べ盛り育ちざかりのあの子達が部屋から湧き出してくる。
今はまだ。この幸せな時間が少しでも、長く続く事に期待するとしましょう。
ミラさんの勘違いも基本はマリーちゃんと同じでした。次回からはこういう暗い話は少なくなると思います。




