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今回は短めです。

「で、今日はどうするの?」


 玲奈がそう言った。


「特に予定はないけど、何かしたいことはある?」


「ないよ。勇人は?」


「特にはないかな」


「でも、やることってすぐにおわちゃうよね」


「そうだな」


「じゃあ、明日一日かけて行きたいところがあるんだけど」


「珍しいね。玲奈が行きたい場所とか言うの」


「そうかな?」


「うん、父さんたちが家にいるときはよく行きたい場所とか言ってたのに、二人だけのときはあまり言わなくなっただろ?」


「そうかもね」


「で、どこ行きたいんだ?」


「ちょっとメイク用品とか必要だと思って、特に限定はしないけど買い物かな」


「メイク?」


「そう、勇人だって休日まで私のふりするのは嫌でしょ?」


「あ、そういうことか」


 玲奈は休日の外出時はメイクをして知り合いにあってもばれないようにしようと考えているらしい。そんなにうまくいくだろうか。


「学校でメイクはできないけど、ほかの場所ならできるしそのほうがいいかなって思ったんだけど」


「ばれないか?」


「そこら辺は大丈夫だと思うよ」


「ならそうするか」



 という話し合いもあって、今はショッピング中だ。あのあとはできるだけ日曜日にやることを減らすために奮闘した。体が入れ替わったためか、少しだけ時間がかかった。


「どうしてこうなった・・・」


 現在俺は玲奈の体で俺の体を持った玲奈と買い物中なのだが、玲奈はいつものようにいいものがないか見ていた。

 想像してみてほしい。男性が女性の使うようなメイク用品を女性のように見ている光景を。その隣でその男性の知り合いと思われる女性が何もせずに立っているという状態を。ほかの人から見たら、どう考えても立場が逆に見えるだろう。実際俺たちも不思議な目で見られている。


「玲奈、これとかどうだ?」


「ああ、うんいいんじゃない?」


「もう少ししっかりした意見がほしいんだが・・・」


 そんなことを言われても困る。なにせこっちは外見が女性だとしても、中身は完全にメイクなどには一切興味のない男だからだ。玲奈は一応俺の口調に合わせているが、それ以外はいつもと同じだった。

 どうせなら、二人とも女性の格好をしてくるべきだったといまさらだが後悔していた。


「ねえ勇人、いいかげん決まらない?」


「?退屈だったか?」


 退屈というよりも、俺がこの変なものを見るような視線に耐えられなくなってきているのだが、そのまま言うわけにもいかない。


「ううん。そういうわけじゃないよ。でも、プレゼントとしてくれるなら一人で選んでサプライズとかしてくれたらうれしかったな~って思ってね」


「だが、こんなところに一人で男がいたら通報されかねないだろ?」


「女装でもしてくればいいんじゃない?」


「いいのか?」


 多分これは、学校のやつに女装癖があると思われてもいいのかということだろう。

 俺はいやだ。だが、平日になれば、俺の体は嫌でも女子の制服を着なければならないのだ。間接的とはいえ、この体でいる限り女子の制服を着ることは避けられない。なら、そうあきらめるしかないだろう。どの道、これまでにも数回やらされたことはあった。仕方ないと割り切ってしまうのが一番だと思う。


「いいんじゃない?服なら貸すよ?」


 この一言で理解したのか


「わかった」


という言葉が返ってきた。


「じゃあ、今日は帰るか?」


「ううん、今日で全部買おうよ。必要なものとかは先に買っておいたほうがいいから」


「そうだな」


 玲奈はそういうと、また選び始めた。


「なあ玲奈、こういうところにいるとよく学校のやつに会うよな。主に女子」


「そ、そうだね」


 やめてくれ!玲奈!そんなフラグ立てたら、実際に起こりそうだからやめてくれ!


----それから数分後----


 あきた・・・

 あのあと、ずっと玲奈の買い物につき合わされていた。


「ねえ、まだ終わらないの?」


「わるい。もう終わる。待たせたな」


 どうやら、やっと終わってくれるようだ。

 すると、そのとき



「あれ?青木姉弟じゃね?やっほー」



後ろからそう聞こえた。

こんにちはyoshikeiです。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

今回の話はいかがだったでしょうか。少しでも笑っていただければ幸いです。

青木姉弟は外にいるときは口調が逆転するという設定なので、読みづらいところもあるかもしれませんが、大目に見てくれるとうれしいです。

最後になりますが、今後ともよろしくお願いいたします。


追記:もうすぐ春休みなので、投稿頻度を上げる予定です。


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