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07

遅れてしまい申し訳ございません。

「で、月曜日から私はどんなことをすればいいわけ?」


 と、委員長が聞いてきた。だが正直なところ、俺達は何も考えていないのだった。


(玲奈どうする?)


(私に振らないでよ!)


(頼みに来たのはこっちなんだから、なにかないとまずいだろ!)



「二人とも、そろそろ答えを聞いてもいいかしら?」



ビクッ!!


 俺達は委員長の声に怒りが篭っていることに気づき、少し怖くなっていた。


 ギギッというような、錆び付いた機会の音が聞こえて来るような動きで二人は、委員長の方を見た。


「で、答えは出たの?」


「い、いや、その何と言うか」


「え、えーと」


「ぷっ!いいかげんはっきりしなさいよ」


 そういうと、委員長は笑った。


 さっきまでの怒りは嘘だったようで、俺は、少し゛ビビって損した゛なんて考えていた。


「じゃあ、ばれそうになったときのフォローってことで」


「かなり大雑把ね」


「すまん」


 俺は、とっさに必要になりそうなことをいった。


 委員長の言うとおりかなり大雑把ではあるが、とっさに考えたことだったため、仕方ない。



「じゃあ勇人君、私のことは歩美ちゃんって呼びなさい」



「は?」


「え?」


「何びっくりしているの?玲奈はいつもそう呼んでたじゃない。

 それなのに、急に委員長なんて呼んだらけんかでもしてるのかと思われて、近づけなくなるでしょ?」


「確かにそれもそうか。こういうのは慣れておかないといけないよな」


「でしょ?話し方も学校では気をつけてね?」



「それはだめ!」



「「!!」」


 玲奈がいきなり大声でそういった。


「玲奈なにがだめなんだ?」


 俺には玲奈が否定した意味がわからなかったため、聞いたのだが


「歩美ちゃんを名前で呼ぶのはだめ!」


「何でだよ」


「だって・・・」


 そういうと、玲奈は黙ってしまった。


「やっぱり玲奈も・・・」


と、委員長がぽつりと言ったが、この後はよく聞こえなかった。


「だめって、周りのやつから不自然に思われたら意味ないだろ」


「・・・」


「なあ玲奈、せめて理由だけでも話してくれよ」


「・・・」


 何を言っても、玲奈は黙ったままだった。


「玲奈」


 そういいながら、玲奈の顔を覗き込むと、ふいっとそっぽを向かれてしまった。


「なあ玲奈」


「・・じゃあ、・・・・なら・い」


「?なんて言ったんだ?」


「学校だけならいい」


「なんで学校だけなんだよ」


「それは・・・」


 玲奈はまた黙ってしまった。


「はぁ、もう学校だけでいいわ。

 その代わり絶対に間違えないことね」


 委員長が突然そう言った。


「委員長はなぜって聞かないのかよ」


「ええ、理由くらいわかるわ。簡単だもの」


「じゃあ、教えてくれ」


「だめ」


 一言で返された。


「俺だけのけものみたいじゃんか」


「そうみたいね。

 まあ、普通の人なら、少し考えればわかると思うけど。

 それと、勇人君はちょっと席をはずしてもらえるかしら?」


 委員長はそう言うと、俺を部屋から追い出した。


「なんだよ。理由くらい教えてくれたっていいじゃんか」


「そう怒ってはだめよ~」


と、店のほうからおばさんに言われた。


 どうやら聞こえていたようだ。


「手伝いでもしてるか・・・」


 そう考えた俺は、店のほうへと向かった。



------玲奈side------


「玲奈ちゃん」


「歩美ちゃん・・・」


「何でだめって言ったのか大体予想はつくけど、今の状況くらいは考えたほうがいいんじゃない?」


「だって・・・」


「そもそも、ちゃん付けなんだからいいじゃない。

 玲奈ちゃんは玲奈って普通に呼び捨てでしょ?」


「でも・・・」


「何よ。私からしたら、玲奈ちゃんのほうがうらやましいわよ」


「意味が違うもん」


「私にもそれくらいの役得があったっていいじゃない」


「それは・・・」


「もういいわ。単刀直入に聞くわよ?」


「・・・なに?」


「玲奈ちゃん勇人君のこと好きなんでしょ?」


「!?」


「その反応はあたりみたいね」


「あぅ・・・」


「双子の姉弟なんでしょ?」


「それが・・・」


「え?まさか違ったりするの?」


 コクリ


「そう・・・」


「高校に入る前に、お父さんたちに私だけは教えられた」


「何よ、どうせ勝ち目なんてないじゃない」


「どうしたの?」


「なんでもないわ。それよりそんな大切なこと隼人君には言わなくていいの?」


「勇人が養子として入ってきたから、ショックを受けるだろうから自分で気づいて聞いてくるまでかくしておけって言われてる」


「そうなのね」


「それと、義理の弟だからってまだあいつも16だから付き合ってもいいがよく考えてから行動しろよとも言われた」


「親、公認だったのね・・・」


「うん」


「まあ、普通に戻ったみたいだし、もう大丈夫よね」


「あ・・・。ほんとだ」



------勇人side------


「勇人君、戻ってきていいわよ」


 委員長に呼ばれたため俺は奥の部屋へ戻った。


「あ、玲奈が復活してる」


 奥の部屋へと入ると、玲奈の様子が元に戻っていた。


「勇人さっきはごめんね?」


「いいけど、理由は教えてくれたり?」


「それは無理」


 即答された。


「まあまあ、さっきの話はもういいじゃない」


「それもそうか」


「で、玲奈についてはさっき話したとおりね」


「うん」


 何を話したのかは知らないが、どうやらもうすでに話しは終わっているようだった。


「それで、二人とも話さないといけないことはしっかり話してね?

 あと、学校での口調は気をつけること。いい?」


「わかった」


「うん!」


「もうこんな時間だし、二人で話しをすることもあるでしょうから、早く家に帰ったほうがいいわ」


「そうするよ。じゃあな委員長」


 こうして俺と玲奈は、帰路に着いたのだった。



------宮本 歩美side------


「はぁ」


 二人が帰った後、私はため息をつきながらおばさんの手伝いをしていた。


「やっぱり、玲奈ちゃんにはかなわないな・・・」


「なに?勇人君のこと?」


「あ、おばさん」


「あなたよりも年上なんだし、結婚もしてるんだから、恋愛経験は豊富だと思うわよ?

 少なくともあなたよりはね」


「ありがと、おばさん。

 でも、これは私のことだし、ほかの人に勝手に話しちゃいけないだろうから大丈夫だよ」


 きっと、おばさんは私を心配してくれたのだろう。そんなにひどい顔をしていただろうか。



「二人が実の姉弟じゃないってこと?」



「知ってたの!?」


 私はおばさんがそのことを知っていることに驚き、思わず大声で叫んでしまった。


「歩美ちゃん落ち着いて、落ち着いて」


 おばさんは私をなだめてくれるが、それよりもなぜ知っているのか聞きたかった。


「あー、あなたには話してなかったかしらね。

 勇人君たちのご両親とは、小さいころから家ぐるみの付き合いだったの」


 さらりと言われ、どうしていいのかわからなくなってしまった。


「それで、勇人君が養子として青木家に入ったってことも聞かされててね。

 今でも、連絡くらいは取り合ってるのよ?」


 そんな、重大なことをなんで言ってくれなかったのかと聞きたいところだったが、普通に考えると当たり前だった。


 私と勇人君たちは幼馴染だった。


 でも、それは家が隣とか、保育園が同じというような理由ではなく、赤ちゃんのころから両親と一緒にあっていたからだった。


 保育園や小学校は一緒だが、それよりも前から知り合いだったのだ。


 話されなくても、普通は気づくはずのものだったということだ。


「よく考えれば、当たり前じゃない・・・」


「さらに落ち込ませちゃったかしらね」


 おばさんが何か言ったようだったが、よくわからなかった。



 勇人君たちが帰ってから時間が過ぎた今でも、まだ私は落ち込んでいた。


「歩美ちゃん」


「はい!」


 突然おばさんに呼ばれ、びっくりしてしまった。


「そんな状態で、仕事をしてもてにつかないでしょうから、もう休んでていいわよ。

 それと、もう泊まっていきなさい。

 連絡入れておくから。

 今のあなたを帰したら、よくないことが起こりそうで怖いもの」


「すいません。ありがとうございます」


 私はおばさんにお礼を言って、いつも泊めてもらうときに使う部屋へ入り、そのまま寝てしまった。

 はじめに、今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

 前回ペースだけは落とさないといっておきながら、落としてしまい申し訳ございませんでした。

 さて、いかがでしたでしょうか。元の長さに戻したのですが、なかなか話が進みませんねwww

 今回は、セリフだけのパートを入れてみました。どうでしたでしょうか。少しでも面白いと感じでいただけたのなら、幸いです。

 さて、今回で明かされた衝撃の事実!実は義理の姉弟だった!ということに関してですが、先に申し上げて起きますと、今まで一度も玲奈は実の姉弟であるとは一言も明言しておりません!まあ、だからなんだって話ですけど・・・。このことについては、勇人は本当に知りません。玲奈が実の姉だと思っています。一応、勇人がこのタイトルを言っているというようなかんじなので、問題ない(はずです・・・)!なぜ、顔が似ているのかというと、勇人は遠い親戚の子です。こんなことをあとがきで書いていいのかって言われそうですけど、大丈夫です。勇人が遠い親戚の子で、両親が引き取った。という設定は、本編には出てきません(たぶん・・・)。なので、早く言うと裏設定です。3親等以内ではないため、結婚も可能です。まあ、そこまで書くかどうかわかりませんが、一応そういうルートも残しておきたいなーと思いつけさせていただきました。


 長くなってしまいましたが、今後ともよろしくお願いします。

 時間さえあれば意見や感想、レビューなどお願いします。小説のアイディアなども大歓迎です!

 それでは、また次回お会いしましょう。

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