外伝04 ~正月~
明けましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いします!
「あ、勇人」
今日は元旦、新年の始まりだ。
「玲奈、おはよう」
「うん、おはよー。
それと、明けましておめでとうございます。
今年もよろしくね」
玲奈は笑顔でそう言ってくる。
いつものことだが玲奈の方が起きるの早かった。
今日くらいは早く起きたかったのだが、やっぱり無理だった。
「ああ、明けましておめでとう。こちらこそよろしく」
俺は、あくびをしながら言った。
「もう。まだ眠いみたいだね」
玲奈は、しょうがないなーという顔で、まだ時間があるから身支度してきた方がいいと促してくれた。
「ありがと」
この後俺たちは、二人揃って初日の出を見た。
初日の出を見終わると、玲奈は前日までにに用意してあったおせち料理とお雑煮を出してくれた。
おせち料理とは、正月の間料理をしなくてもすむように日持ちのするものが多いらしい。
また、縁担ぎ(えんかつぎ)の意味もあり、縁起のいいものとされている。そんなことをどこかで聞いた気がする。
「「いただきます」」
二人揃ったところで、朝食を食べ始める。
おせちは俺も作ったのだが、なかなかうまくいかず玲奈に教えてもらいながら作っていた。
正直玲奈だけの方が早かったかもしれない、と考えてしまうが玲奈いわく
『二人で作った方が楽しいし、早いとか遅いとかよりも気分的なものの方が大きいんじゃないかな?
それに、二人の方が私は嬉しいな』
ということらしい。
入れ替わった頃はよく一緒に料理などをしていたのだが、最近は二人でやることが少なくなってしまっていた。
「あ、この田作りおいしい!」
田作りは一応俺が作ったものの一つだ。
まあ、玲奈に教えてもらいながらだが・・・
「玲奈の教え方がうまかったんだろ」
「勇人が上手なんだよ~」
「そうか?玲奈と比べるとまだまだだろ」
「私だって始めから上手なわけないよ」
そうは言うが、玲奈は母さんから教えてもらっていたときからかなりうまいものを作ってくれていた。
そんな他愛のない話をしながら、俺たちは朝食を終えた。
「なあ、今思ったんだけどさ、新年になると何でも"初"ってつけるやついるよな」
「そうだね~」
どうでもいい話をしているが、今は初詣に行く途中である。
俺たちは親が帰ってきているわけでもないため、二人っきりで神社へと向かっている。
「今日も寒いね~」
「寒いな~」
「「・・・」」
二人っきりだからなのか、はたまた気温が低いせいか、話が長く続くことがあまりない。
何か話題はないかと考えていると
「お~、新年早々暑いね~」
こんな馬鹿なことをいうのは同級生の安藤 雄二くらいだろう。
いつもの休日なら、メイクをして性別が中と同じになるようにするのだが、今日の場合は元旦ということもありメイクをしていなかった。
「よう、雄二」
そのことを失念していた俺は、ついいつもの言い方が出てしまった。
「玲奈ちゃん、おはよう。ついでに勇人もな。・・ん?」
(勇人!今日はメイクしてないよ!!)
(やべ!忘れてた!すまん玲奈、何とかしてくれ!!)
「俺はついでかよ。
玲奈のことが気になってるみたいだが、何か違和感でもあったか雄二」
「おはよう、安藤君。
あと、あけましておめでとう。今年もよろしくね?」
「こちらこそ、あけましておめでとうございます(あれ?気のせいだったか?)」
「無駄に礼儀正しくなったな。まあ、雄二あけおめ」
「こら勇人、ちゃんといいなさい」
「はいはい、あけましておめでとうございますー」
「いやはや、おしどり夫婦は今年もやっぱり健在ってところか?」
危なかった。何とかごまかせたようで安心した。
その後俺たちは、雄二と一緒に初詣に行き、さまざまな小学校や中学校のころの同級生に会った。
~その日の夜~
「今年もいい年になるといいな」
「そうだね」
「お休み、玲奈」
「おやすみなさい、勇人」
そう言って俺たちは、それぞれ自分の部屋に行き寝たのだった。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございましたm(__)m
改めまして、新年明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
明日も投稿するので、よろしければそちらも見てください。
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それではまた次回~