00 ~いつもの日常とプロローグ~
「玲奈!」
ドン!
「あれ?痛くない。 !!大丈夫か!れ・・な・・・?」
---
数日前
俺は、青木 勇人双子の弟で、姉は玲奈。俺らは一卵性の双子らしく、容姿がとてもよくにてるらしい。俺らには見た目がにてるっていう気が全くしないからさっぱり。まあ早くいうと、俺の顔が女子みたいって言われてるってことなんだけども。
両親は今、海外で仕事中。だから家にはいない。俺はこれどうかと思うんだ。だっていくら高校生(今は高校1年生)で、双子の姉弟で、俺が男らしくないとしても、彼女とかほしい年齢で、広くみれば年頃の男女が一つ屋根の下で暮らしてるってことになる。そうじゃなくても親がいないという状況は、玲奈が何かやっても怒る大人がいないってことになる。というか、周りに注意をしてくれる大人がいないってことになる。
まあ、俺らが小学生のときまでは、かなり控えていてくれたみたいだから面と向かって文句を言うなんてことはできるわけないが。
そんなこんなで、今は2人で暮らしてるって訳だ。まあそれは仕方ない!と割り切っている。
学校に行くと、友人から
「お前ってさ、結構シスコンだよな。」
と言われる。
まあ、俺や玲奈に関するそういう話が全くないってのが理由なんだとは思うけど、
「玲奈と俺は全くそういう関係じゃない!」
と何度弁解しても聞いてくれない。とはいえ、俺が彼女を作らない理由が、家事の分担や玲奈が心配だから端から見たらそうとれるものなんだと思う。
---
「勇人〜、朝だよ~。早くしないと学校遅れるよー。」
「おう、今行くー」
いつものように玲奈に起こされて、着替えてから下のリビングへ向かった。
いや、俺もこんなことじゃいけないとは思っていんだけどな、どうしても早起きというものが苦手でこうなってしまっていた。
下に行くと玲奈は、食事の準備をしくれていた。
「ふぁ~、おはよー」
「おはよう、勇人早く顔を洗ってきて。もうすぐでご飯ができるから。」
「はーい」
身支度を終えた俺は、リビングに戻り、玲奈と一緒に朝食をとった。
「さすが玲奈。いつ食べても美味い」
「ふふ、ありがとう勇人」
「こちらこそ、いうも美味い飯をありがとな。でも無理だけはするなよ。少しでも大変だったら言ってくれよ。俺も手伝うから」
「うん、でも大丈夫だよ。私は元々料理が好きだし、何よりも勇人がおいしく食べてくれればそれで満足だから」
「ああ」
あれ?なんか書いてたらのろけ話みたいになってないか?ちなみに、これは両親が仕事で家にいない双子の姉弟の朝食風景です。決して恋人どうしの会話ではありません。(弁解になってるのか?)
朝食を食べ終わった俺たちは、二人で食器を洗い、登校の準備をした。
家を出る時間は7時半なのであと15分ほど時間ができた。その為、玲奈は朝のニュースを見ている。俺はというと、掃除を終わらせてしまおうと張り切っていた。
「勇人ー、大丈夫~?手伝おうかー」
「大丈夫だから、玲奈はテレビ見てていいよー。」
「はーい」
「あ、でも、後で天気予報と予想最高気温教えてくれー」
「わかったー」
そんな会話をしつつ学校に行くまでの時間を過ごしていた。
------登校中------
「そうそう、勇人今日の天気と最高気温なんだけど」
いつものように、二人で歩いて登校していると玲奈が話しかけてきた。どうやら、掃除中に教えてくれと言ったニュースのことらしい。
今は6月で天気も変わりやすいため天気予報などは知っておきたいのである。家事には結構影響がある。なぜそんなことを知っているかって?
そりゃ、小学生のうちに親に叩き込まれたからな。
「どうだった?」
「うん、天気は一日中晴れてるみたいだよ。気温も28度って言ってたし、そんなに大変じゃないと思うよ」
「ありがと。よかったー、体育で外なんだよ。雨だったら無くなるからさ」
俺は、体育の場合、外の方が好きだ。その為、雨は嫌いなのだ。
「確かにそうだったね。でも、私は体育館の方がいいな。日焼けとか気にしなくていいし」
そんなに日焼けをしない体質の俺は気にならないが、玲奈は俺とは違いすぐに焼けてしまうらしい。
登校中でも日焼け止めを塗っているのだ。そんなに敏感にならなくてもいいんじゃないかと思うが、日焼けは痛いし、白い方がいい。
ということらしい。こういうところはやっぱり女の子なんだなと思う。
そんな、他愛もない話をしながら、俺たちは高校へと向かった。
------高校にて------
2時限目の放課
「おい、勇人。今度どっかに遊びにいかねぇか?」
こいつは、小林 佳人。まあ、親友と読んでも差し支えはないと思う。小さいころからの腐れ縁だ。
「最近、玲奈の調子が悪いみたいなんだ。そんな状態の玲奈一人に任せるのは大変だろうから当分はいけない」
そう、佳人に言うと、玲奈が
「勇人、家のことは大丈夫だから遊びに行ってきていいよ」
といってくれたが、家事は結構な力仕事だということ身をもって知っている。
そして、玲奈を一人で家に残したとき何かあったら心配だから絶対にそんなことはしない。たぶんこれからもだろうと思う。
「いや、遊びにはいかない。玲奈が一人の時に何かあったら心配だしな」
「もう、そんなことないから大丈夫って言ってるのに。それに、勇人のためなら大丈夫だよ?」
「それでも俺は心配なんだよ」
そんなやり取りをしていると、佳人が
「勇人、お前本当にシスコンだよな」
「何をいうか、俺はシスコンじゃない。普通の姉と弟だ」
俺はシスコンじゃないただ、姉が心配なだけだ。みたいな?実際心配ではあるけど・・・
昼放課
俺は、いつものように玲奈の作ってくれた弁当を食べていた。美味い
そして、弁当を食べ終えるといつもなら友人との馬鹿話をして盛り上がったりするのだが、今日は違った。
「勇人君、玲奈ちゃん。ちょっと来てくれる?」
俺たちは、委員長こと宮本 歩美に呼ばれ教室の後ろの方へ行った。
「二人とも、今度のお祭りで女装男装コンテストっていうのがあるらしいのよ。
でね、その優勝商品が最近駅前にできておいしいって噂のGREENっていうお店の貸し切り食べ放題券なの」
「おい、それって誰が得す・・「ほんとに!すごいじゃないそれ!!」・・」
どうやら、そのGREENというお店はすごいらしい。
ふと玲奈が甘いものが好きだということを思い出した。やっと委員長の意図ができた。
用は俺たちがそのコンテストに出場すれば優勝出来るだろうということで、その商品をとってこいってことだろう。
そう考えていると、その券についての説明がはじまった。
「この券はね、優勝者を含めて最大で40人がその券の対象になるの。そして、このクラスって担任の先生をいれても32人でしょ。
だから、残りの8人は自由に決めていいからさ、出てくれると嬉しいな~」
おおよそ当たりといってもいいだろうが、俺たちを生け贄にして自分達が好きなものを食べたいということだった。
俺は、女装をしたことがあるし玲奈も髪が短いと男の子に見えなくもない。俺たちが適任なのは分かる。分かるが出たくない。と考えていると委員長と話していた玲奈がこちらに声をかけてきた。
「勇人、出ようよ~。これってさ、二人一組でしか出れないらしいからさ、私たちならちょうどいいと思うんだけど・・・、ダメ?」
「俺は出たくない」
そう答えると、委員長がわざとらしく顎に手を当てながら
「しょうがないかー。私たちは食べたいし、玲奈ちゃんは男装してもいいみたいだけど、女装する人がいないと出れないからなー。
他の男子でも当たってみるかなー。
でもそうなると玲奈ちゃんのとなりに他の男子が立つってことになるような気がするなー。でも、仕方ないかー。勇人君が出ないんじゃそうなっちゃうもんな~」
確かにそうだ。二人一組ということは、隣に立って出る人が必要になる。他の男子が玲奈のとなりに立ってほしくない。
きっと、俺が出なくても玲奈は出るだろう。
だが、俺が出るということは女装をするというわけで、そんなことは俺の男のプライドというものが許さない。
しかし、玲奈のとなりに他の男子が立つのは心配だ。双子の俺から見ても可愛いと思えてしまうくらいは可愛いと思う。
だから、他の男子が別のものを立ててしまい、アレなことになったらと考えると許せない。
「で・・るよ」
「え?なんだって?」
「出てやるよ」
「あれ?さっき断ってたよねー」
「出さしてください」
委員長がニヤリと笑い
「聞こえないな~」
「俺をその祭りに出さしてください!」
「いいよー」
といった。今更ながら、俺は委員長にのせられたのかと気づくが、後の祭りだ。
下校中
俺たちは、家事を分担してやってはいるが結構大変なため、部活には入っていない。だから下校も二人で帰ることが多い。
今日は夕食用お買い出しがあるということで、下校中だが近くのスーパーによってから帰ることになった。
「勇人、今日の夕飯何がいい?」
「俺は何でもいいよ。玲奈が作ってくれる料理はいつも美味しいし」
「もう、何でもいいっていうのが一番大変なんだよ?」
本当に何でもいいのだ。玲奈が作ってくれる料理は何でも美味しく、メニューも豊富で俺は結構好きだ。
「玲奈の料理はどれも美味いから、俺は好きなんだよ」
と、正直に言うと毎回玲奈はこう答える。
「もう、そんなお世辞ばっかり。でも、今回は許す。じゃあ、何にしよっかなー」
このときの玲奈はものすごくにこにこしているのだ。
------
と、まあ、俺の一日はこんな感じだ。変なことに巻き込まれたりしたが、たまたまこんな日だったというだけで、毎日こんなことがあるわけではない。
この後はだいたい予想がつくだろう。夕食を食べて、二人で順番に風呂に入り、家事を終わらせて、テレビを見たりしながらくつろいだ後、歯磨きと宿題や学校の支度をし、自分の部屋で寝る。
こんな生活を送っている俺たちだったがこの時まではあんなことになるとは全く考えていなかったのである。
前作を読んでくれている人は、お久しぶりです。
初めての人は、始めまして。
ご意見やご感想、ポイント評価などをしていただけると、実感が湧き嬉しくなるyoshikeiです。
今回の作品は、なるべくストックを作って更新するようにしているのですが、月一の更新になってしまいますこと平均3,000文字程度となってしまいますことを最初に申し上げておきます。本当にすいません。
もうひとつの作品のほうにつきましては、書け次第更新したいと思います。
未熟者ですが、今後ともよろしくお願いします。
次回の投稿は11月1日です。
10月16日 誤字修正




