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Ver2.17grm




「何なんだいったい!?」


 そう叫ばずにはいられなかった。


 食事休憩でゆっくりしてログイン。 工房兼店に戻ってくればメールの着信のシステムメッセージがあった。


 今回のアップデートの最大の利点はこのメールとアイテムの送信機能だろう。


 メールに一つのアイテムが有料だが送れるようになったのだ。


「そう思ってた時もありました・・・ってか?」


 メーラーを開けばメールの嵐だった。


 しかもその殆どが政さん・・・ あんた・・・確かに遠慮するなって言ったが、こりゃねえだろうよ~・・・。


 メール一つ1つにアイテムが憑いている・・・誤字ではなくそう思えるほどの量。


 ソノ一つに『鍵』のアイテムがあった。


 どうやら政さんのギルドルームへの、一回使い捨ての招待状みたいなものらしい。


 メールには『中の道具や素材はガルさんの自由に使って良いから、後で感想を聞かせてくれ』とあった。


「まあ、これから政さんの残りの注文を仕上げるだけだったから良いけどよ~・・・


 なんでこんなに設計図が大量に増えてるかね?


 しかも、創作意欲が湧く構造してるし・・・『ミスリル塊』もこんなに大量に!?」


 どっから持ってきた?


 今の装備品の一般的な材料は鉄が最高。


 未だに低LV層は青銅か錆びた鉄とか、レアドロップ品でやっと鋼鉄か銀、もしくは水晶製なのに・・・


 少なくとも鍛冶作成レシピの分岐を見るに、銀の上位・・・3ランクは上の素材。


 特性としては鉄製の武具に比べて約3分の1の重量になる特性と、作ったモノに魔法特性が付与しやすい。


 また、錬金術の生産スキルでエンチャントしやすく、銀系は精霊も忌避しないため属性を付与しやすいとも聞く。


 それに加えて元が魔法金属なので、普通に打っても魔法の武器扱いになるようだ。


 初期では出ないだろうが、一部の魔法しか効かないモンスターにも有効らしい。


 実質他の魔法金属はベータテストで出るかも怪しいが・・・


 多分・・・政さんは軽いから・・・ってだけでこの素材を選んでるんだろうな~・・・ブルジョワめ・・・


「そんでも、その恩恵でこっちも鍛冶職人としてLVを上げれるんだし・・・良しとしよう!」


 そう思わないと、この大量の注文レシピを捌くのに心が折れそうだ・・・ 時間短縮のスキルはあるけどさ・・・


 大体『設計図』描くのも大変だろうに・・・よくもまあ、これだけのアイデアが出るもんだ。


 全ての設計図を流し見ていく。


「見るからに犬系・・・多分九影の鎧兼騎乗用具みたいなモノみたいだが・・・なんでこんなに種類があるんだよ!? 使いまわすのか?」


 『獣用鎧』


 そう言っても差し支えないが・・・何か形が引っかかる。


 造りの武装ジョイント部が、前に作った政さんの防具と規格が同じ寸法なのだ。


 しかも、前に作ったバックパックの改良と思われるモノまである。


「こいつは真面目に本腰いれてやるだけの価値はありそうだな」


 自然職人としての意地に火が着いた感じだ。


 他は政さんの武器の追加注文の設計図。


 それに付属のメール(まあ、メールの方がオマケに見えるからそれで良し!)も読んでいく・・・


「ナニイ!!?」


 それを見てすぐに店を閉め、荷物をまとめてギルドルームを目指して走った。 



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




『現在最高の鍛冶道具を手に入れた。 自分は十全に使えんからガルさんがよけりゃ~使ってみて』

 

 そんな文面のメールに誘われて合鍵もって入ったら・・・


「なんだあ~こりゃ!?」


 ギルドの中にある『ギルドルーム』の入り口から入る。 外の薄暗い古びた木製の間取りから見れば中は別世界だった。


 驚きと呆れが綯い交ぜになった感じ?


 白を基調とした広いゲストルームは、明り取りの天窓から暖かい日差しを浴びて柔らかな雰囲気を出し。


 同じ白でも病院の清潔感みたいな閉鎖的な雰囲気とは違った・・・一種独特な落ち着いた空気を感じる。


 数段の階段で上下に分かれた中央部には囲いがあり。 近づくと魔法陣とともに、どこに通じるか案内の注意書きが道路標示のように現れた。


「こってンな~ホウホウ・・・鍛冶場に書斎・・・ってか大浴場ってなんだよ・・・ あと、南国海水浴場・・・?」


 ここを見たらイロイロツッコミタイところではあるが、あの人と付き合うにある程度諦めた方が良いかもしれないな・・・ 


 自由に使えってあったから、後で見せてもらおう・・・ 今見たら折角上がった熱が冷めそうで怖いわ・・・


 そんな想いを抱きながら鍛冶場の転送魔法陣に乗ると、そこそこ広い部屋に小さな町工場っぽい雰囲気の部屋に出る。


 左右に鍛冶用と細工用の作業台がある部屋に、竃の火が煌々と薄暗い光を放つ・・・良い雰囲気だ。


 だが・・・明らかにファンタジー風の世界観をぶっ壊す機材も見受けられるのは、何も語るまい・・・


「凄い施設ってとこか? 


『伝説の鍛冶道具』・・・ねえ・・・どうやって手に入れたんだろ・・・」


 どうやら鍛冶スキルは条件を満たしてるようで、道具類の能力を100%使いこなせるようだ。


 腕が足りない場合はそれなりにしか使えないっぽい?


 一通り説明ヘルプで見ていると色んな機能が見受けられた。


 ハンマー打ち等を短縮する等、製作時間を短縮したり。


 何より完成品のランクが上がるのはもちろんスキルに+補正が付いたり、鍛冶関係スキルの上昇率の+補正までありやがる。


 そこら辺にあるハンマーを手にとって見ても軽く、今まで使ってきた愛用の鍛冶用ハンマーも稚拙に見えるくらいに手に馴染む。


 ・・・とりあえずやってみるか。


 まず、ミスリル塊をマテリアル化・・・素材の延棒に作り変える。


 金属素材には幾つかの形状があり、鉱山等、採掘場でとれるのとモンスターからのアイテムドロップやマップ等にポップ(出現)する宝箱から採れる。


 採掘の場合は主に鉱石や塊として採取。


 ドロップはそれにマテリアルも含まれるようになる。


 通常マテリアル状態で鍛冶の材料として使えるようになる。 


 鉱石の場合はマテリアルにするのに数個で一つのマテリアルにするのだが、塊は逆に1個が複数のマテリアルに分割できる。


 まあ、何々塊が出たら当たりってことだな。


やり方には今のところ2つの手段がある。


 一つが鍛冶職のスキル『マテリアル化』


 これは鍛冶スキルのLVと腕で鉱石の使用個数が上下し、マテリアルの質も変わる。


 塊の分割に関してはできる個数が変動だが質は一定・・・どうも塊の状態で質は決まっているらしい。


 もう一つが錬金術師の『抽出』


 鉱石の消費数は一定で決まっていてスキルと腕で質は変わる。


 塊は個数は一定だが各一つ一つが質はバラバラらしい。


 どっちが優れてるかは・・・言っちまえば微妙?


 ようはプレイヤー次第でお好きにどうぞってとこかな。


「なんにしてもやってみるか!」


 自分に気合を入れるために声に出してマテリアル化の作業に入る。


 送られてきた塊十数個とレシピである設計図の束を見て・・・少しうんざりしても仕方ないよな?


 スキル上げには良いけどさ・・・



 作業中・・・・・




「ウソだろ・・・おい・・・」


 目の前にはミスリルのインゴットの山ができていたマル・・・


 はっ・・・現実逃避は止めて改めてみる。


 ミスリル塊からココの施設でマテリアル化を始めると、気持ち良いくらいポンポン削れた。


 前はハンマーを二十回以上振り下ろして1個だった。


 今回は2~3回で1個・・・この差はなんだ!? 設備と道具の差?


 何にしてもやりきれない・・・フツウ塊一つで15前後。


 それが今回は塊一つで20数個・・・ いや、30個近くマテリアルが収穫できて目の前に500以上のミスリルマテリアル。


「質量的におかしいだろ?


 無から有を生み出してるよな?」


 塊一つが大人の頭よりちょい小さめ・・・そこからマンガにあるような金の延棒サイズが30ほどできると考えたら・・・ねえ?


「流石伝説の道具ってか? 持ち主の政さんににて非常識な・・・まあ、ゲームだけどさ・・・」


 スキルLVも今回のマテリアル化で格段に上がって40近くなってる。


 鍛冶スキルの上限って幾つなんだろうか?


 基本LVは29で止まってヘルプを見ると30以上になるには上位職を取らないと上がらないようだ。


 しかしスキルの上限は引っかからないようだ。


 何よりゲームシステムでは、LV的に格上のモンスターと戦闘すれば経験値が多いだけでなく、その時使ったスキルも上がりやすい仕様。


 それは生産系スキルも同じで、素材ランクが高い場合格上の敵と同じようにスキルが上がりやすくなる。


 実際、政さんから受け取ったミスリルなんて、上位の素材の為スキル経験がドンドン上がる。


 フツウならそんな上位素材を使えば、加工可能なLVをもっていてもギリギリできる程度なら失敗も多い。


 でもそれは自動で『マテリアル化』を行なえば・・・の話。


 ココでプレイヤーに救済措置として完全マニュアルで行なう方法がある。


 様は時間と手間をかけるわけだな。


 自動なら一瞬で一回が終るが失敗したらゴミになる。


 そんなもったいないことはできないと言う、自分の貧乏性でマテリアル化はずっとその方法でやってたら・・・スキルもだけどプレイヤースキルも上がってた。


 この手間をかけるやり方はミニゲームみたいなもので、素材に一定時間的が浮き出るんでそれを的確にハンマーで叩いていく。


 私の場合、感覚的にリズムにノッテ叩けば大概成功する。


 音ゲーは学生の頃から得意だったし、そのころに郵便局のバイトで消印を押すハンマーっぽい判子を使うのに慣れてたのもある。


「変なとこでナニが役に立つかわかんないもんだな~」


 それがこのゲームの鍛冶の基本だから私には合ってたって所か・・・


 前は十一ちゃんが手伝ってくれた時は難易度が下がる・・・というか?


 的はLV差があれば小さく現れる時間も短くなっていくんだけど・・・サポートを受けるとそれが緩和されるようだった。


 十一ちゃんが頭に乗った瞬間、次に出る的の位置が正に音ゲーのように感覚的に分かって的も一回り大きくなった。


 そのおかげで普通でヒット、芯を捉えてど真ん中でクリティカル、ベストの瞬間に叩けばジャスト、二つのベスト同時でダブルと表示される。


 叩いた回数にヒットの割合で製造できたかの判定で、アイテムかゴミになる。


 そこにクリティカルとベストの割合で粗悪、普通、上質の3段階とパーフェクトの極上になる。


 ちなみに前回は全て上質だった。 極上は35LV越えてからできるようになったので・・・今回のこの山は極上と上質だけ。


「叩く回数が減るのも良し悪しかな~リカバリーのチャンスが減るわけだし」


 さて、休憩終り!


 どれから手をつけようか・・・


 でも、設計図を見ていくと思うんだけど、品物・・・アイテムとして部品をオーダーメイドしてるとこがあるんだよな・・・


 朝に引き渡したものはかろうじて、背中に背負うモノとかが分かったんだけど・・・


「明らかにサイズオーバーな、ガントレットっぽい関節部分が繋がったミスリル製の腕だろ?

 これまた朝渡した頭装備に重ね着するオーバーサイズのフルヘルムは、額部分から頭頂部に逆T字で溝があって何かを可動させるみたいだし・・・


 何でドリル単体で数種類!?


 これもドリル・・・に見えるけど根元から4分割してちょっとしたエンブレムっぽいもの(額飾りかな)・・・に可変する。


 あれ?


 この根元のサイズとドリルの根元は同じ規格でヘルムの溝にはまりそう・・・ハマッタ・・・あ、額のとこに開いたエンブレムを固定する取っ掛かりと溝・・・これで一つの防具?


 ワンサイズでかすぎだろ?


 これは、流線型のタワーシールド・・・だけじゃないな・・・


 裏側に別注文のランスが固定できるようになってるし、さらに追加装甲のブレストプレートにも接地可能・・・と?


 あれ?


 ブレスとプレート肩口はスライド式ででかい・・・ラウンドシールドに可変・・・ココは幅広の二本のグラディウスが両端に・・・うわあ・・・気になる!


 片っ端から作る!」


 見てろよ政さん・・・これは私に対する挑戦と見た! ・・・たぶん。


 ちゃっちゃと作ってメールで送り返しちゃる。


 





「お・・・終った・・・」


 武器数種類に明らかに女性用の防具もあった気がするけどとにかく終った。


 考えるのが億劫になるくらい集中したな~・・・とにかく送ろう。


 ポチットな


「しっかし・・・あの設計図を組み合わせるとああなるとはねえ・・・


 政さんのことだから無意味な機能ではないんだろうけど・・・


 従妹の子供の玩具を思い出しちまったな~・・・最近のは合体とか変形とかパズルみたいで難しいんだよな~・・・


 何重合体ナントカオーとか?


 さ~て休憩がてら散策すっか!」


 他の施設も気になるし。


 でも、個人で持つギルドルームにしちゃ・・・豪華すぎやせんかねえ・・・


 この後私は温泉に入りながら、マジでこのギルドに入ることを考えた。


 

鍛冶職人ハカセゲット?

今回は政さん曰く手品のタネ作成でした。

手品というより実用化できるコスプレでしょうか?

年末年始に連続投稿できたらいいな~・・・と思ってましたが親戚廻りで無理でした・・・ごめんなさい


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