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Ver1.01

やっとゲーム?

 ちょっとした浮遊感に目を開けると目の前にちょっと太めの中年の男がマヌケ面であらぬ方向を見つめ佇んでいた。

 

 説明会でのゲーム講習で最初の素体が用意されてるって言ってたが・・・これは・・・


 直立不動でこちらを正面に立つ姿はピッチリとしたインナーを纏い年はオレとさほど変わらずか、身長も成人男性の平均身長ぐらい・・・目測170チョイ高めか?

 日本人体型のマンマの胴長短足でアンコ型、年齢と共に突き出てきた腹の肉に哀愁が漂うが・・・その下に隠された筋肉の付き方が普通のスポーツをする者と鍛え方が違うと予測できる。

 タドン型で鈍足に思えるが足の脹脛ふくらはぎすねの部分の肉の盛り上がりだけでもその足が凶器になりえる鍛え方で高い瞬発力を秘めていると伺える。

 拳のタコや指の節の太さも侮れない。

 何よりも今は心ここにあらずな観で呆けて見えるが、一見人好きのする気のいいおっさんなところが、まさにカモフラージュになって内面の危険性を隠している。

 まあ着る服と、垂れ目がちなどこか愛嬌のあるユルイ目元を隠し髪形もオールバックあたりにキメレバ骨太な骨格でどっかのマフィアかヤクザの幹部に見えなくも無い感じにイメージは変わ・・・・・




・・・オレのマンマの姿かい!!




 自分を客観的に自分を評論してチョット・・・マジにヘコンダ・・・。

 うん、よく見ればイイ男じゃないか足の長さも言うほど短くない~はずだ!

 腹の肉も最後に習い事を止めて3年程か~何も考えず昔のまんまの量を食ってたからな~・・・本気でダイエットをカンガエヨ・・・。



 ええい、ここで落ち込んでどうする!



 とりあえずこれを弄ってキャラクターメイキングする訳だ。

 自分の周を空中に静止したアイコンが幾つかあり簡単な単語で『終了』とか『アクセサリ』とか書いてあり意識をそれに向けると簡単な説明が出る仕様らしい。

 そして目の前のはどういった技術かは解らんが少し違和感を感じるが自分を鏡に映したようなキャラ。 基本の自分のフレームみたいなモンでOK?

 恐らくは事前にやった身体測定や体力測定の時のモーションキャプチャーとかの映像から作られたんだろう。

 講習ではこれに肉付けや切り取って理想のキャラを作るって言ってたな。

 ためしに変えたい場所を考えるとそこがアップになり思った通りに形を変えていく・・・何気に楽しい。

 とりあえずイケメンモデル体型になっちまった自分だったモノをリセット・・・ノリにノッちまうとツッコミがないと際限がなくなるのは関西人の悪い癖やね?


 間、美形キャラをやるには最近この歳になると何か気恥ずかしいので却下!

それに予想はしてたオヤクソクで性別変えたりとか、大きく体型や顔等の造型を変えると人によっては酔ったり違和感が付きまとうそうなので・・・ここは忠告に従って顔は変えずに行こう・・・体型は・・・・・・・少しスリムにして足はちょっと比率を変えるぐらいいいよな?いいよねえ?!


 冗談は自分のアイデンティティーの為さておいて・・・。


 頭髪は今のとこ白髪もまったく無い黒一色だが~アクセントも兼ねて所々に白いのを混ぜて・・・むうあまり上手くいかんな・・・いいや、全部白髪でいっちゃおう。

 髪型は・・・せっかくだしあまり現実でできない、けどなんとなく憧れる長髪で~無造作に組み紐で纏める・・・イワユル、サムライポニーできました。


 顔はそのまま・・・いや、丁度年齢変化ってアイコンがあるみたいだし白髪にしたんだ、老けさせよう。


 その前にこのまま年齢逆行させたらどうなるんだろ?

 ・・・やってみようどうせ時間はあるし。


・・・・・・・・・・・


 「ここの技術力・・・ハンパねえ・・・」


 そう独り言を呟いてしまうほどだった。


 目の前に写真で見たことのある10歳くらいの、自分の子供の頃マンマの顔のキャラがサムライポニー白髪で現れたのだから・・・忍者装束着せたら一昔前に流行った少年忍者だな・・・


 こりゃ~なんか若返りのポーションとかドレイン系の技での弱体化とか後々ありえるかもな・・・。


 遊びは終わり・・・まあこれからもゲームなんだが~


 できたキャラは自分をもっと老けさせた大体~見た目は50歳越えたぐらいの爺さんキャラ・・・オレって歳くうとこうなるんだ・・・とチト感慨に耽る。

 顔の皺が良いように年輪を刻み彫が深く見える顎髭がちょっとしたダンディーなじさまがそこにいた。


 「おお~なんてーか意図しなかったが着物を着たら浪人風老侍、現代風の防弾ジャケットとかなら老兵ってとこか・・・もしくは長年仕える老執事かな? こんなかんじのマスターがいる喫茶店ってのもいいねえ~・・・ダイエットが成功して年金貰うようになったらそれもいいかも?」


何気にキャラより老後の人生設計がきまりそうだ。


 さて、キャラの外見ができたそう考えた瞬間視界の隅にあったアイコンが目の前に自己主張するように点滅しだす。

 『終了』と書いてありキャラメイキングを次の段階に進めるとのこと・・・とりあえず触れてみると、目の前が一瞬ブラックアウトして目の前の自キャラが消えた。


 「あれ、どこいった?」


 変わりに目の前に硬質的な板が現れる。 そこにさっき作ったキャラが映ったが・・・

 「こりゃ~鏡か?」

 どうもオレの動きに合わせて動くところを見るとオレの意識がキャラのアバターを纏ったということだな。


 「違和感がまったく無いな~流石は最新てくのろじーってところか・・・あれ?」


 アバターを着たことで口ができたからか、意識をしてると問題ないが何気に気を緩めると表層意識で考えたことが口から音声で出るみたいだな・・・「気をつけないと色々まずいな・・・」また出たし・・・。


 次はステータスとスキルか~

 並んだステ項目を後にしてプレイするクラスを決めることにする。


 たしか・・・額とコメカミを人差し指でトントンとノック・・・と、思い出した。

長い説明だったがこういうときは通信講座で習った記憶術が役に立つ。


 この『ブレイクワールド』は従来スキル取得制である。

 初期ではキャラの行動で色々なスキルが出現する仕様だったとか?

 しかしそれではその行動ができないプレイヤーは望みのスキルが使えないのでは?という意見の下、『クラス』というスキルができたらしい。


 クラスはキャラの育成方向を決める為の物で、システム的にポイントを割り振って選択するとそのクラス(職業)の取得スキルを最初からセットで数個使えるようになる。 たとえば戦士を選べば武器技能を一個と戦闘で使える防御や回避スキルとか魔術師なら魔法数個とか魔術系統とかが入ったナンカスキルの福袋的なものだ。


 それにともなってクラスをとるステータスの上がり補正がLVアップ毎にかかる様になるとのこと、前衛職はHPと近接戦闘関係等の補正に+が入り魔法や知識関係に-される。 後衛も魔法や遠距離射撃で色々+-されるとか。

 

 また、1キャラはポイントの許す限り複数のクラスを取ったり1クラスのLVを集中して上げる事ができる。

 条件さえ揃えれば魔法を使える戦士や、攻撃も回復も可能な魔法使い等の、ハイブリッドなキャラがプレイ可能・・・ だがこのゲームその条件がネックで・・・ たとえば戦士、武器防具をすべて使える・・・とあるが武器は重さで筋力、扱いやすさで器用のステータスが関連する。 


 そして防具はランクがある。


 基本、うえから金属=A 皮=B 布=Cとランクがあって無論戦士は全防具がつかえるのでAの金属鎧まで使えるのだが、魔術師はCまでしか使えない。・・・と言うのも、魔術師の魔法の制限にCランクより上の装備は呪文詠唱行動の妨げになるとある。

 ぶっちゃけ金属鎧を着て使えないことは無い・・・が妨げの部分が「成功率50%以上の-」でどう生かすというのか?

 結果、布防具の薄壁魔法戦士の出来上がりになる。

 ・・・美味しいとこ取りは難しいということで・・・

 逆にそういった補正が重なり合ったクラスは結構いいパワーアップになるとか言ってたっけ。

 しかし、他の職業とは違った単一スキルの組み合わせで-補正は緩和できるとも言ってたから色々ためしてみるのも面白いかもしれないな。

 ちなみにクラスは初期は選べるものが少ないそうだがステ振りで選べる選択肢が増えるとのこと、隠しやレア職もあるとかどうとか?


 まあ、オレはステを後で振る予定なんで先にクラスを決めるか・・・な・・・・隠しクラスか・・・無職で始めたらどうなるんだろう?


思い立ったら何とやら・・・よしっこのまま無職でやろう!


そう決めたらステータスは・・・見事にゼロが並んでるな・・・「ステータスポイントを振ってください」と?


 コメカミをトントンと・・・思い出した。


 今回のテストは事前に参加者の体力測定等を行ったがそれはキャラにその人の現在の能力(一部)を予め入力するためらしい。

 運営さん曰く「実際キャラがリアルより劣ってるのはやりづらいし楽しくないから」とのこと。


 で『ステータスポイント』略して『STP』とはヒーローポイントと言うか今の身体能力にプラス補整をかけてキャラクターを一種の超人にするステキポイント?である。


 一応ステータスが0でも最悪現在の自分と同等の能力はあり数値化できないモノはある程度ランダムで、適正能力や反応速度とかの類は現在のメイキング後チュートリアルで計測されるはず。

 でもってランダムだが・・・サイコロが二つ、見慣れた正方形の六面体、各面に1~6の数字が振ってあるあれ。

 なんで、こんなとこだけアナログ?

 テーブルトークRPGかよ!?

 まあいい・・・ルール的には二個のダイス(サイコロ)六面体略して2D6を振って『STP』を決めます・・・と、なお振りなおしは何回でもOK。

 特別ルールとして振ったダイス目合計10以上出るとその数字を保留更にもう一度振りその合計値が『STP』になる・・・つまり10以上出し続ければどんどん初期値が増えるわけか~絶対ここで粘る人多いだろうな・・・。

 

 よし、ここはソー○ワールド初プレイでデュラハンを2LVファイターで倒したリアルラックの見せ所(わかる人にはすごいこと?)


 「うりゃ!!」と、気合をこめてサイコロを投げる・・・5と6で11。

「よっしゃ~次!」と転がしたら・・・4と5で9合計20

「むう・・・二回で止まったか・・・まあ振りなおしできる・・・がこれで行くか平均よりは多いし?」

 はやる気持ちもあったればここで次に行く。

 またダイス・・・今度は幸運値・・・ラックかこれもさっきと同じルールでキャラ作成時にしかステ振りできないと? つまり決まったら成長しないってことか?

 また、振りなおしは最初の『STP』から決めなおさないとだめ・・・と?


 「まあ、これも一発で決めるか~・・・・・酷すぎたらSTP振り直そう(振りなおすいいわけである)」


 「うりゃ」・・・10 お? 「てい」・・・12 おお?! 「ほりゃ!」・・・10 「ええ!!?」・・・・・・・。


「幸運値・・・79で止まったな・・・こりゃ~振りなおしは損だろう・・・そういえばこれって%なんだろうか? ・・・・違うにしても高くて悪いことは無いよな・・・なら!」


 STPを幸運にすべて振って99にした。


 「フッ・・・やってしまったネタキャラ・・・まあ好きにやれって言われてるしなるようになるだろう!・・・タブン・・・」


 次に服装は旅人風のくたびれた灰色の上下と・・・あまり派手な爺さんもな~


最後に名前は・・・本名をいじって・・・『政十郎』・・・同じ名前ができない仕様は普通にMMORPGと同じだな・・・と、通るかな~といってもこの名前でかぶった試しは無いけどな! ・・・OK、とおった!


 『プレイを始めますか?』のコメントにイエスと答えるとまた浮遊感と共に景色が変わっていった。


まだまだこれから?

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