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Ver2.12

遅くなりましたが連続投稿最後です

11/5誤字、スキルのおかしいLV数値を訂正しました

 噴水に入ると目の前にこの世界の転移MAP(地図)が現れる。


 MAPと言っても全てできてないらしく、この地域周辺から王都周辺に限られるが・・・


 とりあえずゴブリンの集落を探す・・・地図で確認するに、街の南門から東にいき森に入って、奥にある丸い印がそれらしい。


 その先すぐ険しい山脈で進めないようになっている。


 蛇神の骸って仰々しい名前が書いてある。


 東門から出て真っ直ぐ行けば湖・・・あそこって確か巨大な何かいたな。


 ・・・十中八九ボスだろうが


 まあ、それは後回しで点滅してる印に触れると、腕に以前現れて消えたタトゥーが出てきて選択肢が現れる。


 と、言ってもガ族の集落のみしか選べないが・・・タッチと。


 『インスタンスフィールド×16に移動します』


 システムのセリフが聞こえる。


 今まで応答待ちにしてたが、特に問題ないので自動で許可を出すようにした。


 程なくして視界が変わり、のどかな藁葺き小屋の並ぶ集落についた。


 森を切り開いた小さな村落といったところか・・・


「・・・洞窟の中でひしめき合って暮らしてるイメージだったが・・・これだと人と変わらんじゃないか?」


 後ろを見ると噴水に似た白い柱があり、これがここの転移装置のようだ。


 気になるといえば、まばらながら建造中の家に混じって、まるで打ち壊された家も見受けられる。


 周りを見渡していると褐色の肌の、小さな女の子らしき人物が目に入る。


 ゴブリン特有の大きな目・・・なのだが、ギラツイタ殺意を表わしたような真っ赤ではなく澄んだ緋色の穏やかな表情。


 毛髪が無いはずがちゃんとしたロングの髪をネイティブアメリカンの一部族のように編んでいる。


 服装は・・・呉服と言うか、荒い繊維で編んだ着物っぽい物を着ている。


 顔立ちは獣人のほど顎が出ていない。


 人と獣人の中間で産毛が顔を覆っている。


 彫りは少ないからか幼く感じるが尖った耳等はゴブリンの耳の形を残していた。


 オレが見ていると気付いたようで、怯えた目で逃げるように去っていく。


 多少傷つく行動だ・・・


 さて、どうしようと考えてると・・・


 囲まれた・・・今は森の中に潜んでいるが・・・6人・・・いや前方から一人7人だな。


 匂いから森はゴブリン6気配の絶ち方からそれなりか・・・だが・・・


 『タンタン・・・タン』つま先で2回一拍置いて1回地面を叩く。


 『散!』


 合図を出した後、前方から来た人物の匂いが知ったものだと気付く。


 ガグか・・・速いな、アレから結構修練したようだ。


「師匠、久しぶりだ!」


 目の前に現れた少年は・・・ガグであって以前のガグではなかった。


「お前は・・・ガグか?」


 驚くオレに照れくさそうに笑う青年は、身長こそ150くらいと低いが褐色の肌に産毛があるのは男も変わらないようだ。


 前のゴブリン特有のでっぷりした腹は引っ込み、広い袖から見える腕は引き締まって尚且つ秘めた力を伺える。


 足はだぶついた脚絆のような服で分かりにくいが、絞った足首の辺りを見るに引き締まってるのだろう。


 先ほどこちらに来たときの走力が、その身体能力を物語っていた。


 何にしてもこの大きい瞳のカワイイ系の少年がガグなのだろう。


「それより師匠、よくきたガ族の集落へ」


「ああ、招待にあずかりまかり越した・・・おまえもかわ・・・ったな~色々・・・」


「詳しい話は我が家で話す・・・ん・・・先触れの者を出した・・・が見なかったか?」


 ガグが眉を潜めて周りを見渡す。


「あ~・・・スマン、先に謝っておく、隠れて忍び寄ってきたから念のため・・・」


「ガグ様~!」


 ガグの後ろに忍び装束のような集団が6人巫女狼達に捕らえられていた。


「捉えるよう指示した・・・本当にスマン」


 あっけに取られたガグは笑い出す。


「は~はっはっは・・・うむ流石、師匠の配下の者。 部族の強者をこうも手玉に取る感服した!」


 漢らしく武人気質はかわらんらしい・・・少し安心した。




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




 ガグの少し大きめの屋敷と言うか小屋に招かれた。


 床は乾いた土が平らにならされて干草をひき、さらにその上に荒い布を敷物にしている。


 話を聞くに、アレから部族を纏め直す為、長を決めなおす儀式が行なわれたらしい。


 オレからしたら1日しか経ってないがここでは2ヶ月たっている設定らしい。


 プレイヤーだと倍速に制限をかけないと、色々法律や規制が厳しいが、NPC等のAIはシュミレーション速度をいくらでも上げれる訳だ。


 結果三日三晩の兄弟達の勝ち抜き戦で、ガグが優勝。


 晴れて族長になった時それは起こった。


「人の弟子になった我が長になったからか・・・ガ族の呪が一部解けた」


 何でも昔、神々の大きな戦いがあった。


 陣営は光と闇に分かれるってのは良くある話。


 その戦いで光が勝って、闇が破れた。


 その時闇の陣営にいたゴブリンの創造主の神が封印され、その憎しみの呪詛がゴブリンを復讐の道具に作り変えた。


 そのため、元々温厚な妖精種族だったゴブリンが凶暴化して、光に属してる種族を憎むようになった・・・と、迷惑な話だ。


 それで光の神の加護を受けた人間から、加護を受けたことになるガグが長になることで、眷属のガ族の闇の呪縛が弱まった。


 結果先祖がえりして『ヒュームゴブリン』にクラスチェンジした。


「だから知力が上がってオレと普通に会話できるように『共通語』も学んだわけだ・・・学習能力高いなあ・・・」


「古来、我らは短命な為、成長は早いと伝わる」


「そうか・・・それでオレをワザワザ呼んだのは・・・何かあるんじゃないかい?」


 はっと顔を上げるガグ。


 そのまま立ち上がると前にみた五体投地に小屋が揺れる。


「師匠の力を見込んで頼みたいことがある!」


「うん、わかったから・・・それ止めろ?」


 痛々しいんだよな・・・




「つまり・・・もぐもぐ、ごくごく・・・伝説にある白い神とかいうのの試練を受けてほしいと?


「うむ、あむ・・・ん! これもいけるな・・・美味い!」


「酒のつまみになりそうなものを作ってきたからな・・・喜んでくれれば甲斐もあろうさ」


 今はガグと差し向かいで酒を飲んでいる。


 ここの現地料理は、言ってみれば塩を振って焼いただけの肉とか魚とかが出されてはいる。


 中には生のモノもあり・・・うごうごと蠢いてるモノもあったが・・・毒ではないので一通り口にする。


 無論オレの持ってきた土産も並び、ガグが喜んで食っている。


 出されたものは口にするのが礼儀でもある。


 まあ、案外動いてるものも不味くはなかった。


 出張で海外にいった時に、虫系のから揚げとかには慣れたのもある。


 某ダンジョンゲーム等、巨大芋虫の肉が初期の主食なのを考えたらこれも普通なのだろうか?


 率先して食べたくはないがな。


 焼いた物はそれなりに食い、ここの酒に近い醗酵した果実の絞り汁を飲む。


 そんなに飲まない方なのだが、口当たりもジュースに近いので結構飲んでいる。


 『毒耐性』もアルコールにある程度効いてるんだろうか?


 そんな感じで話を聞いていくと、この部族に伝わる伝承・・・というかゴブリンに根付いてる昔話があるらしい。


 白い神様がゴブリンの大きな神様を殺した。


 それから大きな神様の呪いがゴブリンを変えた。


 白い神様大きな神様の中に今もいる。


 まあ、要するに白い神様がいたらガ族に加護を与えてほしいから会いにいってくれ・・・と、いうことなんだが・・・


 ガグの家の開いた木の窓から裏手を見る。


 見事な断崖絶壁が遠く500mほど先に見渡せる。


「あの中腹にある洞穴らしきところに素手で登れと・・・目算・・・2000m以上ないか?」


「うむ、あそこまで自分の力のみで行った勇者のみ、神様は会うという」


「飛んじゃあダメなのかな・・・」『ピコン!』


『『白き神の試練』を受けますか?』


『白き神の試練』

古の白き神の伝承とは!?

蛇神の骸の試練の絶壁を登りきり、神の洞窟を目指せ

攻略条件・・・壁から1m以上離れない

       『飛行』系魔法の禁止




「・・・クエストなんだな・・・受けるよ。


 条件は・・・やっぱり『飛行』系は禁止・・・


 魔法の「フライト」「レビテーション」対策なんだろうな。


 『念動』系も飛ぶことに関しては念のため止めといたほうがいいか?」


「おお! 受けてくれるか・・・感謝する!」


 心底嬉しそうなガグ。


「なあ、ガグよ・・・なんか他にもあるんじゃないか?」


「!?・・・むう」


 急に黙り込んでしまう・・・ウソがつけんやつだな。


「見たところ集落の家が潰されていた・・・それが関係あるか?」


 躊躇するように下に視線を向けた後、意を決したようにオレに向き直ると訥々と話し始めた。


 この森には大まかにガを初め、ギ、グ、ゲ、ゴの五大部族がいる。


 うん、濁音ガ行だな・・・運営手抜いたな・・・


 その中で戦いを重きを置く部族、がガグの治めるガ族。


 しかし幸か不幸か呪いが解けた為、部族の戦力が全体的に落ちた。


 結果的に見れば部族の知力が上がり、精霊と交信できる『精霊捧術』の使い手のシャーマンや、筋力は下がったが元にあった素早さと器用さが軒並み上がったので、ガグや眷族のように忍者のようなものも少しはいる。


 しかし一部の力は上がっても、温厚な種族になった平民層は、他種族や同胞のはずのゴブリンの格好の餌食になりうる。


 そこで昔話とはいえ神の加護を受けに行こうにも、ガグが離れれば統率も執れず防衛手段も無い。


 そこでオレに縋ることになると・・・


「話は分かった・・・が、オレがここを守ってる間に、お前が試練を受けるのもありじゃねえかい?」


 そう言うと静かに首を振る。


「確かに登るだけならば、我もいける思う・・・が、アレをみてくれ」


 窓の外から崖を見ていると、鳥たちが群れているのが見えた。


「鳥か・・・いや、じゃねえな・・・」


 目を凝らすと強化された視界に見えるのは上半身女性、下半身と腕は鳥という幻獣でお馴染みのハーピー。


 『看破』で見てもヤハリ『ハーピー』だった。


 幾つか見ると大きな個体『ハーピーリーダー』なるモノもいる。


「我は剣で遅れをとるつもりは無い・・・しかし崖につかまりながら奴らの相手は無理だ・・・己ができぬことを知るも勇者の条件」


 悔しそうなガグを見てため息を一つ。


「分かったそこら辺の事情も考えて協力してやるさ」


 俺の言葉に目を輝かせるガグ・・・こいつらを街まで連れて行って冒険者に募集かけたら、動物好きとか可愛いもの好きが護衛依頼うけてくれそうだな・・・


「むろん、頼むからにはタダで働かせるつもり無い! おい!」


 ガグが声を上げると数人の者が、大きな籠をもって入ってくる。


「頼みを聞いてくれた礼だ! 受け取れ!」


 目の前の籠の蓋を開けると、色んなアイテムや鉱石らしき石、薬草らしき物等が雑多に入っていた。


「事が成功してからじゃ無くてもいいのかよ?」


「これは頼みを聞いてくれた、師匠の心に対する礼。 もしも帰らなかった時、墓に埋める」


 おおう・・・なんて重い信頼か・・・まあ、やる気は出るがな。


「なら、その好意に答えんとな・・・喜んで頂こう」


 籠に触れアイテムボックスに収納してソートで整理する。


 薬草類、鉱石類は素材


 スクロールも幾つかある・・・これは良いモノだ。


『手加減』『ゴブリン語』


 早速習得・・・しかしここで出るにはタイムリーすぎるスキル・・・何かしらのキーパーソンかも・・・もしもの為、何か手を打っておくか。


 試しに『ゴブリン語』をメインに入れて、ガグと話ながら物色していくと『知識の才能』のおかげかすぐにLV2になった。


 後のアイテムは剣に鎧等の装備品・・・これはエリート系のと変わらず。


 報酬とすれば破格なのだが・・・少し前に荒稼ぎで沢山あるので感動は少ない。


 贅沢な話だ。


「では、挑戦は明日からで、今日はこちらで持て成そう」


 ガグの言葉に首を振る。


「いや、ここなら1日くらいいても問題ないんだが・・・今から行くわ」


「何!? 急いでもらうのはうれしいが・・・酒も入って挑むのは進められん」


 少しほろ酔いでもったいないが・・・懐から『キュアポイズンLV3』を出しボケた頭だと『記憶術』もあてにならないので普通に発動。


 やはり良くあるパターンで酒気も毒として解消された。


「これで酒は抜けた。 美味い馳走ありがとよ・・・じゃあ行って来る」


「うむ・・・ならば無事を祈る・・・途中、日も暮れるだろう。 武運を・・・」


 黙祷の様な礼を受ける。


「今のオレに、御天道おてんとさんもお月さんも変わんねえさ。 ま、ありがとうな」


「我らの流儀では、試練の場には一人で行く。 見送りはできんが無事を祈る」


 ガグの家を出て試練の場に向かう。


『九影、念のため集落に皆で潜んでくれ』


『御意!』


「久しぶり・・・つうか? 『第六感』が嫌な感じをビンビンつたえやがる・・・急ぐか」





~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




 試練の場である蛇神の骸を下から見上げる。


「こっから見る、と所々に休めそうなでっぱりがあるな」


 ロッククライミングは多少は心得があるが、遊戯施設でインストラクターつきぐらいだ。


 あとは『盗賊』の身軽さと『ゴキゴキゴキ・・・』鍛えた指の見せ所・・・ってか。


MSメインスキル 最大ポケット数[10]

UQ『流血の魔爪LV5』SW

UQ『殺戮の魔爪LV5』SW

UQ『治療の心得LV11』PS

UQ『魔弾の射手LV2』PS

R 『ツインウェポンマスタリーLV8』PS

  『ツインアタックLV8』AS 消費AP15

UC『竜の爪LV5』PS

UC『握力増加LV1』PS

UC『制動LV1』PS

C 『筋力増加LV3』PS

C 『ゴブリン語LV2』PS


SSサブスキル 最大ポケット数[10]


UC『2段ジャンプLV3』AS消費AP10

UC『戦闘歩行LV4』PS

C 『体力増加LV4』PS

C 『AP回復LV5』PS

C 『MP回復LV3』PS

C 『毒耐性LV2』PS

C 『騎乗LV3』PS(移動時メイン)

UC『曲刀LV5』PS

UC『ディレイLV8』AS

  『ディレイトLV8』AS 消費MP2~10

UC『中級スクロール学LV9』PS



 念のため『流血の魔爪LV5』『殺戮の魔爪LV5』を展開。


 この前でLV5になって、爪が光ってただけなのが、爪の上に浮遊するように、鏃ぐらいの刃物状の光が浮いている。


 段々オリジナルに近づいてるようだ。


「攻撃だけ考えたら『アームズフォーム』に変えたいんだが・・・誤射や流れ弾で地形変えちゃガグに迷惑だしな・・・


 手裏剣幾つかスーツのポケットに入れとくか」


 では、参る!


 指を鉤にして岩盤にあてる。


 少しずつ力を入れていく・・・『ズズズ・・・ズガ!』


 鈍い音がして指が岩盤にめり込んだ。


 抜き出した砂埃と岩の欠片にまみれた指を見る。


「ふむ・・・やはり痛みも無いし指にかすり傷一つなしか」


 次に多少勢いをつけて振り下ろす。


『ズギャガガガ!!』


 見事に指の形の抉れた・・・傍目から見たら獣が縄張りにつける爪あとの様だ。


「問題なし! 『鉄の爪』効果と『竜の爪』のアンチマテリアルがしっかり効いてる」


 指を岩盤にめり込ませ身体を引き上げる。


 念のため『鮮血の代償』も発動させる。


 少し岩が軟らかくなった気がする。


 MPが切れたら途中で回復するかと思ったが・・・魔爪のマナドレインとエナジードレインが爪を立てる度効いている・・・


「まさか・・・この山脈の伝承通り、この絶壁自体が封印された神さんだってのか!?」


 こいつで回復しながらは、ある意味罰当たりかもな・・・神さんスマンな・・・あんたの眷属の為だ。


 黙祷・・・じゃ、そういうことで協力よろしく♪


 さくさくと進み出す。


 変換の指輪の効果も使って、AP回復も行なうので『浮身』も使う。


 スピードは殆ど早歩きに近くなる。


 アメリカンヒーローの赤と青の全身タイツみたいな?


 ・・・・・・そういえば・・・オレ、糸も網も使ってましたマル


 自虐ネタは置いといて、危ないことも無く・・・いや、落ちたら危ないが、緊急措置で『二段ジャンプ』で復帰できるし、この身体能力ならやりようで多種多用に回避できる。


 実際100mほど腕だけで登っても疲れない・・・いやはや・・・超人だ!


『ピロン!』


 登りながらスキル確認すると・・・ヤハリそれ系統『登攀』が入っていた・・・が


「図鑑に入ってるのに経験が上がっていってる・・・」


 おそらく『恐怖耐性』に起こったのと同じシステム現象だろう。


 『登攀』が、取得時は経験が入る仕様で、今なお連続してる為上がり続けてるわけだ。


「丁度良いからこのまま放置だな・・・」


 スキルウィンドウを脇によせ登り続ける。


 途中、歌いながら登ってたが、折角なので『ゴブリン語』で歌って登る。


 完全にピクニック気分だ・・・油断はしてない・・・登り出してから『心眼』と『副視界』で目を閉じてるし・・・目に砂が入らないように。


 口はマフラーと頭防具の顔を隠す布で覆ってるから問題なし。


 そんなこんなで、休憩無しでもはや半分も登った頃。


『キュアーイ!!』


 おそらく威嚇の声・・・ハーピー達のテリトリーに入ったようだ。


 『ゴブリン語』もLV3で早々MSTしたので、ソコに『登攀LV6』を加える。


 どうも『登攀』のような継続で経験が上がっていくスキルは上昇が早い。


 どうも経験値クリティカルが出やすいからのようだが・・・数撃ちゃあたるなんだろう。


 そんな事を考えてるうちにハーピー達が集まってきたようだ。


 背中に殺気がビンビンくる。


 『危険感知』の警報が大きくなっていく。


「このまま戦ってもクエスト条件の1m離れそうだしな・・・足場を探すか」


 そうと決まれば更にスピードアップ!


 『重心移動』と『アクロバット』『浮身』のいつもの併用で、バランスをとりながら駆け上る。


 さながら4足歩行の獣のように『登攀』と言うより壁走り・・・最初にここに来たときやったな・・・


 背後からハーピーの襲撃を振り向かずに、見えるかのように真上にジャンプ回避。


 いや、もろに見えてるけど。


 回避の度に加速するように駆け上がり、ようやく足場になりそうな出っ張りを見つけた!


「っしゃ~! 一方的に攻撃してくれたお返しだ・・・覚悟しろよ?」


 『換装』でラウンドシールドを手甲と足甲に4つ装着!


 襲い来るハーピーの爪を受け止める・・・が、そのまま盾を掴んで引かれる。


「こいつ・・・オレを落とそうってか・・・スマンがそれは勘弁・・・っだ!」


 『念動』スイッチを切り替える。


 『ジャキン!』とラウンドシールドの外周にギミックのサメの歯状の刃がつきだした。


 それでも離さない。


 『念動』によって、シールドの刃が動き出す。


「ギャピイ!?」


 次の瞬間には刃が高速回転になりハーピーの指を細切れにする・・・はずなのだが・・・残酷規制で連続ダメージのみで離れていった。


 そういえば『妖魔襲来!』でも死体は灰色になるだけだったか。


 それでも部位破損にはなったようで、片足が変色している。


「イキナリ襲い掛かってくる女には引くんでな・・・」


 ライズが今頃くしゃみをしてるかも?


 なんにしろ今の内・・・『サンダーウェポンLV6』の札を二枚取り出す。


 印を結び『ディレイ2秒』


 さらに印を結び『ディレイ1秒』


 魔炎で札が燃え尽きる前に、『念動』で鏃つきの糸を両手首から引き出す。


 それと同時に身体の表面を滑らすように、『念動』で足甲のシールドを手甲のシールドに対になるように配置。


 糸に電流のエフェクトが流れると同時、糸に沿って左の対のシールド射出。


 鏃を真ん中にジョイント部分で固定・・・成功!


 右も同じく射出・・・固定・・・成功!


 これで『念動』制御三つから本体と刃の2つずつの計4つ!


「これがオレの今の精一杯・・・受けてみな・・・懐かしの超電磁○ーヨー!!」


 二つ一対の円盤のノコギリが、凶悪な回転でハーピー達に迫る!


 一つを回避したと思えばもう一つが胴を切り裂いていく。


 その光景は一つ一つの刃のダメージは低いモノの、当たれば二枚の刃が逆回転で食い込んでいき、絶命するまで命を削り取るように見える。


 しかも『連撃』効果で一体を倒すまでに追加ダメージはドンドン上がっていく。


 それを倒すまでにもう一つが、次の獲物を捕らえる蛇のように喰らいついていく。


 糸の長さがそのまま範囲100mの長距離武器なのだが、糸は絡まることなく『副視界』でとらえて危なげなく操れている。


 その二つの凶器の連携は、『連撃』の最高値100になっても止まることなく・・・更に鋭利な凶器として触れれば瞬殺の域に達していた。


 最後に残った『ハーピーリーダー』も少し知恵が回るらしく糸に攻撃をしようとしたが・・・


「ザンネン! そこが一番触れちゃ~いけない場所だ!」


 『サンダーウェポン』の効果をモロに受け硬直した獲物に『雷糸』は絡みつき動けなくする。


「やっぱりか・・・」


 ここで『念動』の思い違いがはっきりした。


 『ハーピーリーダー』の重さは見る限り75kg以上はありそうだ。


 しかし『念動』で動かしてるシールドはミスリル製で、二つで4kgも無いが重量のあるモンスターを持ち上げている。


 おそらく『念動』で動かせるモノは75kgまででシールドはクリア。


 ただしその動かしてるものが出せる力やスピードは・・・アビリティや他のスキル依存なのだろう。


 さもなければ『念動』で飛んだ時の速度が全力疾走したときと同じ説明がつかない。


 だから今このハーピーリーダーを持ち上げてる力がオレの筋力やスキル補助なのだろう。


 何はともあれ・・・


「終わりだ・・・」


 絡みつき鎌首をもたげるようにしていた二つの凶器は、獲物の命を削り取って戦闘は終った。


『キュー!(回収完了!)』


 灰色になって落ちていくハーピーから十一がアイテムを回収して戻ってきた・・・取りのがしなし・・・便利なヤツだ。


「さあ、試練再開だ」


「その必要はありませんよ」


 それはオレの後ろの壁から聞こえた。


今回のスキル


R『手加減』SW

どんな攻撃でも必ず相手のHPを10残す手加減攻撃をする。

このスキルで攻撃すると最終ダメージは50%になる。

HP10以下の敵にこのスキルで攻撃してもHPに変化はありません



C『ゴブリン語』PS(最高LV3)

ゴブリンの言葉を話せる

ゴブリン語は会話のみで文字はありません


予告どうりVの技の再現でした

これにて連続投稿終了

遅くなりましたが3話書き切りました

では、今度はまた来週に

追記

応援してくれた方には多大な感謝を

おかげでがんばれました

おだてられて木に登った・・・ともいう?

なにはともあれお休みなさい

誤字修正等はまたあした

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