Ver2.11
本文訂正
主人公が使えないアイテムを使っていた描写を削除しました
11/5文章の訂正しました
ご指摘ありがとうございました
ギルドルームに入って一瞬驚いた。
その後歓喜した。
自分の想像した自分の家が、実現して目の前にあれば喜ばない者は少ないと思う。
「まずは土産の料理から始めるか・・・の前に倍速はどこまでできるかだな」
寝室に続く魔法陣に乗り「マイルーム」と言うと、陣が光りだし瞬時に転送される。
一瞬の浮遊感はあったが、よく言われる転移酔いのような副作用は無く到着。
奥にキングサイズのアンティーク調のベッドに、部屋の天井部の3つの照明が柔らかな光で照らす室内。
クリーム色の壁紙で、空いた場所に落ち着いた風景画や猫、犬等の癒し系の写真が、間隔をあけて配置される。
広すぎることで殺風景になりがちな部屋の間取りを、雑多にならない間隔で適度に家具を配置で落ち着きやすい空間になっていた。
ここら辺は、AIと言っても女性の意見を聞いたのは、正解だったようだ。
何はともあれ奥にある制御室に転移移動。
転移が終るとソコはさっきに比べると狭い黒い部屋で5m四方しかない。
その目の前にパソコンのような端末が、パソコンラックに納っている。
その前にはイスしかなく殺風景・・・まあ制御室に長居するようなことも無いだろうから手抜きしたんだが。
端末の前に行くとオーナー登録等を行なう。
システムの幾つかの項目を変更することで、思考認証等わざわざここに来なくてもルームの中を遠隔で弄れるようになる。
そして最後に倍速メニューはやはり16倍速までできるとあった。
設定でオレだけの時は16倍速
他のプレイヤーが入った時は自動で8倍速に移動するようにする。
ただしメインルームは、他のプレイヤー入室時にフィールドと同じ4倍速で設定終了。
シゲさんは記録を伸ばすようなことも言ってたから、そろそろ倍速を上げそうなんだが・・・
そこら辺は運営さんの都合と割り切って、早速調理と行きますか。
そしてその後は・・・風呂だ!
とりあえずゴブリンって雑食か肉食か?
良くファンタジー小説では人を襲って食ってたから・・・肉なら間違いは無いか?
真面目な話、人を襲って喰う種と馴れ合うなと言う人は多いと思う。
しかし、それはその種の1面だけ見た場合だと思う。
人を食料とするのは、取れるものがそれしか取れないから・・・報復がくるのを分かってても、それで飢えを凌ぐしか無いからだと思う。
普通のゲーム等のゴブリンは雑魚扱い。
そんな弱く知能も高くない種が生き残る為に狩れる獲物は少ないだろうということ。
その考えで見れば現実の身近な動物、犬猫鳥等ペットでも主人の躯を食むことはある。
ぶっちゃければ、人を襲わず楽に食えるもの調達できれば、人に危害を加えないんじゃ?・・・って楽観だ。
弱いものをいたぶる嗜虐を好む種族となってる場合もあるが、ガグの言動からはそれを伺えない。
交渉の余地はあるだろう。
ま、豪そうに語ってるが、起こるであろう予測や過去の事象に拘りすぎて、視野を狭くすれば無駄な争いをしなきゃならん。
それがオレはメンドクサイだけだ。
逆に仲良くなれるなら味方は多いに越したことはない。
らぶあんどぴーすを謳うつもりは無いが、個人のじゃれ合いの格闘多いに結構後腐れなくやれ。
上に躍らされての、他人の為の戦争なんかクソ食らえってのがオレの考え方・・・ポリシーなんてカッコ良いもんじゃねえのは臨機応変で?
「人間矛盾の生き物さ~今日は右でも明日は左~♪」
等と『歌唱MST』と『声色』を使って、歌いながら気分良く料理を始める。
保存の利くもの・・・ってことで『ナイトバードの肉』で胡椒漬け焼き燻製モドキ『オークキングの肉』で大和煮モドキを作ることにする。
時間があれば燻製とかハムにするのだが・・・
『ナイトバードの肉』粒胡椒まみれにしてホイルで包みオーブンで火力を下げて蒸し焼きにする間隔で放置
大和煮モドキは時間がかかるがそこは16倍速の強みで出汁汁を作った後煮込む・・・ひたすら煮込む。
両方とも焦げ防止にたまに返し、出汁が少なくなれば足して煮しめていく。
煮物は灰汁が出だしたら、こまめに取り山椒やハーブをお好みで臭み取りにブッコム。
細かいレシピ? 美味くできればオールオーケー・・・ オレは今までこんな風に感覚で料理してきたからいまさら変えられん。
便利なことに、嗅覚の強化と『心眼』でこげる寸前とか焼き加減、煮加減が手に取るように分かるのが嬉しい誤算。
『くうう~~~』
自分の歌声に混じる異音に目を向けると、九影達がこちらをモノほしそうに料理を見ている。
「・・・味見するか?」
「はい、是非に!」
煮込まれて味のしみこんだ豚肉を一切れずつ皿で置いていく。
ついでオレも一口味見。
「ほう・・・良い肉だと思ったが、オークキング・・・見た目と違って美味いんだな・・・
煮しめたのに硬くならず、こんなに軟らかく口の中でほぐれるとは・・・」
「おいしゅうございます!」
『ガフガフウマカツカツ・・・』
九影も美味いといい尻尾をあらん限り振っている。
・・・あれ?
「九影・・・いま喋らんかったか・・・えらく流暢に」
キョトンとした九影が器用に前足で『ポン』と相槌を打つ。
「先の戦闘で、LVが上がり器用と知力が上がったので、喋れるようになりました」
得意げになんか人間臭い仕草で話す九影・・・なんか鳥獣戯画を連想させる。
「ふむ・・・便利になった・・・と言うことか? 他にできるようになったことは・・・ステータス見たほうが速いか?」
「そうですな」
出来上がった料理を包みアイテムボックスにしまう。
さて、スキル『3分間クッキング』で、まずはレシピができた鶏肉50個を一括調理でMP250消費。
3分の間に片手間みたいだが九影のステータス確認。
九影取得能力
移動方式『4足歩行』『2足歩行』『影化移動』『騎乗可能』
会話方式『念話【政十朗】』『共通語』
特殊感知方式『野生の嗅覚』『野生の聴覚』『夜目』
通常攻撃『噛む』『爪』『体当たり』『影化攻撃』『念動【政十朗】』『装備アイテム』
スキル 『影化』
『影潜伏』
『威嚇』MP 10
『群狼LV5』MP20
『半人化』
『人化』
『憑依』
『ダッシュ【政十朗】』
『ジャンプ【政十朗】』
『アクロバット【政十朗】』
『重心移動【政十朗】』
『浮身【政十朗】』SW
『念動【政十朗】』
『ステップ』
『筋力増加』
『敏捷増加』
『器用増加』
『知覚増加』
『知力増加』
『制動』
『投擲』
『片手武器万能』
『両手武器万能』
「・・・なあ、九影さんや」
「なんでしょうか?」
「人化とはなんぞや?」
「人になります」
すんなりと言い切った。
「これ、このように・・・」
そういうと狼の姿が黒く染まり影になる。
それがムニュムニュと動き、人の形に輪郭を整えると黒色が抜けていく。
次の瞬間には美女が居た。
背が160くらい年のころは20前後か。
目元は野性味を見せるつり気味だが、鼻梁とのバランスが整っている。
黒髪はオレと同じサムライポニーで、よく見たら服装もオレのミスリルスーツを女性用に仕立てた姿。
肌の色は全身黒と違い真っ白だが顔の造形は日系とゲルマン系のハーフっぽい容姿になってる。
「そのカッコ・・・」
「はい、主殿の服と髪型を真似てみました」
誇らしげに言ってくる。
「そうか・・・服は自前って事か?」
「そうなります。 影で色々作れますので。 時間をかければ如何様にも姿も変えれますが?」
「その姿も仮って事?」
「いえ、お気に召しませんか? 人化に伴って自然、造形がこうなったので、これが私の本来の人の姿形と思われます・・・」
少し悲しげな表情になる。
「悪い、そういう意味で言ったんでなく、別嬪さんだったんでモデルが居るのかと思っただけさ」
「そんな・・・からかわないでください・・・」
頬を染め恥らう様子はとても元が狼とは思えん。
『チーン!』
どうやらできたみたいだ・・・
人化した九影がお座り状態で尻尾をパタパタさせ、頭に犬耳ならぬ狼耳をピン
とこちらに向けて催促していた。
その後ろには5匹ならぬ5人になった、九影そっくりの2~3才幼く見える妹狼達が同じように尻尾を振っている。
「十一・・・こいつらに服を作ってやってくれ。 簡単なモンでいいからゆったりしたやつな」
『キュ~キュ!(アイアイサー!)』
飛んで服作成部屋に向かう・・・何気に速くなってるが・・・十一も色々上がってるんだな・・・
『ポン!ポン!ポン!ポン!ポン!ポン!』
何か弾ける音のようなモノが6回聞こえると、それぞれの狼娘達に降っていく。
『できた!』
「速いなオイ!?」
ちょっぱやだった・・・
「とりあえずそれを上からでも着てくれ。 身体の線が出る服は何気に目のやり場に困る」
それを受け取った九影は嬉しそうな笑顔になる。
「喜んで拝領します!」
後ろの娘たちも騒ぎながら着ていく・・・が・・・
「なんで・・・巫女服? それも袴というかなんでミニスカートなのかな!?」
『キュ~キュウ~(ユッタリしてる~ライズのレシピ~)』
「あいつのコスプレデザインか・・・ご丁寧に色違い・・・」
はあ・・・まあいい。
出来上がった鳥の胡椒焼きを出してやる。
次は豚肉っと・・・
MPポーションを飲んで・・・味は・・・不味いが飲めなくはない。
『3分間クッキング』同じく50個一括調理。
出来上がったらまた腹ペコ達に分けてやり風呂に向かう。
「そんじゃ~風呂に行くから、お前らは庭で自由に遊んでな・・・間違ってもその姿で入ってくんなよ?」
『いってらっしゃ~い』
食うのに夢中で念話で返事が返ってきた・・・
ふう・・・良い風呂だった・・・
風呂は命の洗濯というが、VRで楽しめるならこれだけでも流行りそうだ・・・
何せ風呂好きで長時間入っていても湯当たりしない!
『潜伏』の効果を多少上げる為に、水を被って匂いを消す方法がここにはある。
しかし湯船に浸かった方が、においも取れるし・・・何より心地よい。
惜しむらくは現実の身体は、逆に汗を掻いてるかもしれんがな。
現状でもリラックスルーム的な物で、倍速効果と併用して短時間での癒しになる・・・
さて・・・
戻ってみると狼娘達が庭でじゃれあっていた・・・狼に戻らんの?
そして・・・オレと同じスーツを下に着てたはずが・・・何故にスパッツみたいに膝上で切れてる?
偶にめくれる袖の下も長袖ではなくなってる・・・
「風呂はどうでした?」
九影がスッと近づいて脇に控え問うてくる。
「ああ、良い湯加減だった・・・時に九影・・・お前もか・・・」
狼娘たちと同様変形巫女装束の下は生足になってた。
「はあ・・・? 服装のことなら十一殿が、ライズ殿に相談したらこの方が主好みだと・・・」
うん・・・ライズはあったら説教だ。
なんでオレの趣味を的確に見抜いたかは置いといて、良い仕事・・・じゃなくけしからん。
「よし・・・九影!」
「はい、主殿」
「とりあえずそのカッコの時はオスワリで待機するのは止めろ・・・」
オレの前に狼娘たちが並ぶ。
無論オスワリではなく、立てひざを立てた良くある忍者モノに良くある待機姿勢である。
「これからお前らに名前をつける。 いつまでも名無しだと困るしな」
皆が思いもよらなかったのか、はしゃぎ始めるが九影の咳払いで静かになる。
統率は十分取れてるな・・・分身みたいなものと言ってたし・・・だから皆女ってのもな~
気を取り直してそれぞれに名を与えていく。
一狩、二奏、三咲、四宝、五澄
とつける。
数字が入ってるのは、狼の時や作戦行動の時に指示を出しやすいから。
九影によると8人まで増えるそうなので後も考えんといかんな・・・
ここで気付いたのが十一も九影も29LVで止まってること。
オレもそこで止まってるが、どうやら30以上に上げる為にクエストを王都で受ける必要があるらしい。
そこについては明日の護衛任務以後の話だな。
幸いスキル自体は上げれるようなので問題は無し。
試しに『初級強化加工』をスキル宝玉を使って上げてみた。
ついでに『中級強化加工』までMSTさせスキルアップ系はすべて消費。
『上級強化加工』まで取っておく。
クエストでドロップした魔法は被るものは無く、すべて習得済み。
大まかな物は札にして携帯済み。
十一、九影も定位置に待機させ、土産も持った・・・
いざ、ガ族の集落へ!
今回のスキル
特種『半人化』SW
魔獣系の特殊スキル
二足歩行が可能となり、武器等のアイテム仕様が可能なほど前足が変化する。
外見はその種族や個体に拠るが、主に獣人に近い姿になる。
一定のLVと知力、器用の条件を上回ることでスキル取得となる。
特種『人化』SW
魔獣系の特殊スキル
人となんら変わらない容姿に変化する。
この状態では本来の獣特有の攻撃手段が使えない状態になる。
本来の攻撃力は減退するがアビリティは変わらない。
人の装備品を全て装備可能になる為、装備内容によっては格段に戦力アップする可能性がある。
一定のLVと知力、器用の条件を上回ることでスキル取得となる。
特種『憑依』PS
霊体系、精霊系、不定形系の特種スキル
対称にとり憑く。
取り憑かれた対象は、精神または体力での抵抗に失敗すると、身体を操られる。
また憑かれてる間は絶えず抵抗判定があり、抵抗成功しても密着した状態で距離を離すことができなくなる。
オークキング戦で狼達が使ったのが『憑依』です。
影のまま体内に入って・・・等はできませんが、自分の影から狼が出てきたら対処しにくいことでしょう。
弱点と言うか欠点は、攻撃時は必ず身体が外に出なければならない。
長モノの武器使いにとっては嫌な相手になるでしょう。
ネタですがホラー系の登場人物がこれの上位スキルを持ってそうです
書きあがりましたので投稿します
オラに書く気を分けて頂きありがとう
今後も感想等募集してます。
次回予告?
ようやく来たゴブリンの集落
そこに待ち受ける意外な?敵!
炸裂する前フリがあった新技の数々!!
古く新しい新フォームの威力とは!?
次回
炸裂! 超電〇ヨーヨー!!
分かる人には分かる?