Ver2.07
ガイ達と明日のクエストの段取りをして別れる。
その後買ったスキルをあらかじめ習得し、アイテムボックスを整理する。
まだ使わないが先々役に立つだろうと、とりあえず今回習得したのは
『握力増加』『筋力増加』『敏捷増加』『器用増加』『知覚増加』『知力増加』『精神増加』『制動』『投擲』『ストッピングパワー』『貫通効果アップ』
と、アビリティ増加系が全て1Sだったので買っておいた。
十一に『治療技術』『知覚増加』『知力増加』『精神増加』と魔法各種。
九影に『ステップ』『筋力増加』『敏捷増加』『器用増加』『知覚増加』『知力増加』『制動』『投擲』その他を買ったのだが・・・増加系を憶えさせた後、LVが足らないと出たのでLV上げた後に回すことにする。
そういえば・・・九影はまだ1LVだった・・・
「そのスクロールは九影に渡しておくから、使えるLVになったら順次使ってくれ」
『御意!』
そしてオレは『レンジャー』の職業スキルをポイントを使って取ることにした。
『戦士』と『レンジャー』の職種混合で、弓等の上達効果を上げれる。 似た混合で『盗賊』と『レンジャー』の掛け合せも使える・・・と、ぴこの情報。
『弓』『投擲』も筋力の半分なら効果は重複すると言うのでこれから試すモノにはうってつけだろう。
それとガイにガグからの伝言で、自分の集落に招待したいらしい。 とりあえず行く前にバージョンアップでで少し気になるインスタンスクエストを一つだけ受けることにする。
「・・・で、これが掲示板か・・・」
街の中央、噴水広場の外側に3つほど新しく立てられているようだ。
他にも各要所等に点在するようになっているが、混まない為の措置だろう。 掲示板には4~5人ほどのPCが集まっている。
どこも似たようなもののようで、PTらしき数人がその場から消えたりしている。
出口は共通で噴水の転移の門なのだろう。 帰還したそばから走って掲示板に向かう者が多々いる。
「オレも行ってみるかね」
呟いて掲示板に近づくとシステムメニューが起動した。
内容は
『インスタンスクエスト』『PT案内』『PCクエスト』『アイテム取引』『情報掲示板』
クリックするとそれぞれのメニューの詳しい内容を見られる仕様は最初からあるシステムと変わらない。
『インスタンスクエスト』
個人からPTや集団で行なうクエストがあり。 そのクエストはインスタンスフィールドやダンジョンで行動する。
そのフィールドは受けた者達意外は入れない仕様になっている。
フィールド内は倍速が上がり、現実時間に対して4~8倍まで加速されるが、無理なプレイには強制ログアウトがあるらしい。 その場合のクエスト失敗は保障されませんとしっかり注意書きされている。
クエスト内容は延々と敵を倒すトライアル
一度倒したボスモンスターが倒されなかった場合の未来『もしも』シナリオ
指定ダンジョンの完全攻略等
『PT案内』
所謂パーティ人員募集用掲示板
どのLV帯かとか職業持ちかとか、スキルや魔法の何が使える人だとか細かく指定できる。
ただ、今はLVと職業だけの指定にかたよってるようだ・・・まだ情報が浅いからか・・・
『PCクエスト』
ようはプレイヤーがプレイヤーに頼む依頼
期限つきや無期限があれば常時募集もある。
主に生産職の素材集めが多いが・・・賞金首なんてのもあるな・・・こいつらなにやったんだろ? ・・・MPKによるアイテム盗難・・・そりゃ~恨み買うな・・・って~か人数少ない今やったら、へたしたら実名われるぞ・・・変に拗れなけりゃいいがな。
『アイテム取引』
まあ、そのまんまのアイテムの売買板だな。
何々売るよ、買うよと、オークション形式でそれなりの数のスレッドが立っている。
テイムアイテムが売れ筋か・・・最低1個5Sとかになってるのか・・・あんなにポンポン出るのにこの値段とか・・・ガイ達が遠慮するはずか。
「そういや・・・宝玉は出てねえな? 相場もわからんしオークション板で出しとくか・・・」
オークション販売
販売主 政十郎
Rメインスロットの宝玉【フィル】(メインスロットを一つ増加)
被って使えないので売ります
相場わからないのでオークション希望で
締め切りベータテスト3日め終了1時間前
受け渡しは始まりの街ギルド前
時間応相談
「これでよし・・・っと、いくらになるか楽しみではあるな」
次に・・・
『情報掲示板』
良くある情報交換用のネット掲示板のようなもの。
項目も結構あるが・・・これは公式の『ブレイクワールド』のHP掲示板にも繋がってるようだな。
「ほうほう・・・美女3人PTの情報求む・・・レスがいっぱいあるな・・・嫌な予感をヒシヒシと感じる・・・これは見なかった事にしよう」
スキル関係や仕様変更の情報を流し読み、すぐに終わりそうなインスタンスクエストを受けることにする。
「トライアルクエスト『妖魔強襲!』ね・・・内容は時間内にコボルト、ゴブリン、オーク等の襲撃を撃退しろと・・・これにするか」
システムのウインドウから選択したクエストのアイコンに触れると、『ポーン』と音がして一瞬視界が暗くなる。
すぐに「インスタンスフィールド×16に移動しますよろしいですか?」とお馴染みのセリフに是訂すると景色が変わった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
背後に閉じた街の大門。 その前に荒野が広がり暑い風が吹く。
「良くぞ来た! 我が精鋭達よ!!」
イキナリ目の前の全身鎧の男が両腕に力こぶをつくり、フロント・ダブル・バイセップスのポージングを『ガシャンッ!』とキメ、昔懐かしいアスレチックな番組のセリフを叫んだ。
「なんでボディービルのポージング・・・しかも鎧に隠れて意味が無いような・・・」
呆れて見ていると、更に後ろを向き身体を背の方に反らし、バック・ダブル・バイセップスにポーズを『ガシャガシャ』と変えて説明が続く。
「現在この街はモンスター達の大群に狙われている!」
『ガシャ!』
「それを阻める者は君達しかいない!」
一人なんですが・・・達?
『ガシャシャ!』
「斥候の情報ではここから1kmのあの丘の向こう側まで妖魔の群れが近づきつつあるとのことだ!」
『カシャーン!』
「さあ、精鋭達よ! 己の力を存分に発揮できるポジションにつけ! 先行するものは我に続け!」
そういうと鎧男が腰の剣を抜いて走って・・・歩いて? 『ガッション!ガッション!』と進んでいく・・・おそ!?
何にしてもこの先にモンスターがいるわけか・・・『ファイヤーボールLV6』の札を何枚か作って仕込んでおく。
先に作ったモノの仕込みも終ったころフト前を見ると鎧男が200mほどまで進んでいた・・・
「とりあえず行くか・・・」
影から出てきた九影にまたがる。
「九影は戦闘になったら、弱ってる敵を優先してオレを狙うヤツを攻撃。 十一はエンチャント各種と回復専念。 九影と組んで行動OK?」
『お~け~♪』
『御意!』
返事と共に拍車をかけて駆け出した。
すぐに鎧男を追い越し丘の上に到達する。 ・・・眼下に広がる窪地にはモンスターで溢れ一部地面が見えなくなっていた。
目算約1000体のモンスター。
毛の無い犬顔はコボルトか・・・毛が無いだけで可愛さが不気味さになるのはいいとして・・・前傾姿勢でいかにも素早そうなのが300。
おなじみ緑の表皮、醜悪な面構えの子鬼のゴブリンは400。 内、各々が錆びたり欠けたりしているが武器を持っている厄介なのが200と、無手が200の半々か。
最後に豚顔のオークらしき奴らは全て武装しているが、鎧のような身を守るものはつけてない。 しかし太った体型に、獣特有の厚そうな皮が自然に防具の役目を果たしそうだ。 これが300で1000ってところ。
ただしその群れの真ん中あたりに、各種族1体ずつボスクラスの巨体がいるところを見るとあれが指揮官みたいなものか?
後ろを見るに鎧男は低速歩行中でまだまだ時間はかかりそう・・・ここまで1.5kmほど離れてる。 逆に丘の下のモンスター達まではここから1kmほど・・・先に仕掛けるか・・・
装備の手足のコンテナとバックパックを出現させる。 見ようによっては転送してるみたいなのがいいな。
各、腕には500本。 バックパックに500本の鉄製棒手裏剣。
足には鉄棒に『ファイヤーボールLV6』を巻きつけたモノが、各20本の40本。 予備の10本は投げる為に、アイテムボックスに取っておく。
スキル構成も射撃メインに変えて・・・
MS 最大ポケット数[9]
UQ『治療の心得LV1』PS
C『投擲LV1』PS
UC『ストッピングパワーLV1』PS
UC『貫通効果アップLV1』PS
UC『連撃LV3』PS
C『投げLV5』PS
C『クリティカル値上昇LV3』PS
C 『リジェレネートLV3』PS
R 『ツインウェポンマスタリーLV3』PS
『ツインアタックLV3』AS 消費AP15
SS 最大ポケット数[9]
UQ『流血の魔爪LV3』SW
UQ『殺戮の魔爪LV3』SW
UC『戦闘歩行LV4』PS
UC『竜の爪LV3』PS
UC『曲刀LV3』PS
UC『カウンターLV3』PS
UC『中級スクロール学LV3』PS
UC『ディレイLV6』AS
『ディレイトLV6』AS 消費MP2~10
C 『AP回復LV3』PS
装備品スキル(装備したものに付属したスキル)
【取得可能スキル】鮮血の代償(上限5LV)
・・・と、こうなった。
まずは・・・
「十一、ためしにエンチャントこいつに全力で付与してくれ」
『キュ! (りょ~かい!)』
示したバックパックと砲塔部が淡い魔法光に包まれ強化される。
情報では、エンチャントで飛び道具だと弓や手にかければ、矢玉や投げナイフにも効果があるようなものがあったが・・・オリジナル武装に『念動』『投擲』にはどうかな? システム設定の登録には武装に設定したが・・・
札を出し、印を組む。 『サイコキネシス』をディレイで作用距離を最大に発動・・・ 最大500cm!? 砲の長さを1mで100cmとして6mの加速砲身になる・・・ここはオレだけだしやってみるか・・・
「十一・・・念の為防御系とアップ系全て全力でかけてくれ・・・お前たちもな」
『キュ!? キュ! (はい・・・!? りょ~かい!)』
オレの指示に従って、『プロテクション』『ブレス』が効果最大と効果時間最大で30分間。 それが3人分それぞれに付与された。
それでも十一のMP残存量が5分の1も減ってないのは、何か複雑な気分?
「サンキュ~・・・お前ら・・・少し離れてろ。 チイとばかり本気で撃ってみる!」
2匹は何か危険なものを感じたのか、無言でオレの後ろに下がり身構える。
『オールセンス』の副視界でバックパックの中の棒手裏剣を『見て』、『念動』で動かす。 セルロイド人形の肩関節部のような、空洞の砲身可動部分を通し砲身内部に浮かす。 更に『念動』で上を向いた砲身を、肩の固定部分まで稼動させる。
装填完了!
ここまでの動作で3秒ほど。 機構無しの完全スキル装備・・・ある意味サイキックウェポン?
『心眼』でも確認したが、光ってるあたり、エンチャントは手裏剣にもしっかりかかってるようだ。
狙いをつけるは一番奥の距離が遠い2km先。 オーク達の一団。
『オールセンス』で強化された視界で、ソノ中心にいるボスらしきモノの足元を狙う。 足元と言ってもまわりはオークで見えない。 撃てば・・・届けば当たる?
装備スキル『鮮血の代償』を使って攻撃力を上げる。
『レンジャー』の『チャージシュート』を発動させる。
『チャージシュート』AS消費AP5
パワーを込め撃ち出す技
仕様した次の射撃系攻撃の威力を上げる。
パワーの溜めあり(時間)1~5秒
最大5秒まで溜めて『オールハードアタック』『指弾』を『念動』で行なう。
『オールハードアタック』AS消費AP15
全ての武器で使用可能の溜め攻撃
攻撃威力増加
クリティカル率上昇
溜め攻撃といいながら攻撃までのモーションが3秒かかるだけ。 一律追加攻撃力はどの武器にも一定のスキルなので重複は可能。 更にこの手の力溜めの攻撃スキルは範囲効果がいくらか付くので念の為ではある。
放たれた手裏剣は『投擲』『投げ』の補正を受け、砲身+『サイコキネシス』の加速力場というか、6mの螺旋加速領域で更に加速。
砲身から出た瞬間
『ドオン!!』と、衝撃波が俺の体を襲う。 その衝撃に少し後ろに飛ばされるも何とかふんばった。 それに追従して遥か前方から『ドオオ~ン!!!』と聞こえた。
少し身体がぶれた・・・が、十一の防御魔法と全身のミスリル装備が効いてたのだろう。
思ったよりHPが少し削れた程度だった・・・しかし数値的に見れば12・・・全力砲撃は防御バフ必須か? それも次の瞬間には『リジェネレーション』で完全回復。
高速の回転運動も加えられた手裏剣は、その形状も相まってライフル弾のように飛んだだろう。
しかし・・・衝撃波出るって・・・音速超えたのかよ・・・
そんな感想も消すような光景・・・
2km先のボスらしき2m超えのオークの巨漢・・・それが後ろに十数m移動している・・・というか転がったみたいで、その跡の巻き込まれたオーク達が、瀕死でよろよろと起き上がってくるさまはゾンビのようだ。 そして怒り狂い起き上がるボス。 その左肩から先がごっそり無かった。
「狙いは外れたが・・・威力は申し分無し! コストは軽微。 1発撃つのに約6秒・・・10秒かからずか・・・MP回復ポーションを使えばほぼ延々と撃てると・・・今度大量に買っておくか」
普通のフィールドでは手加減いるな・・・
とりあえずスキルチェック・・・と、
先程の攻撃でシステムログでは倒した敵はいないみたいだが『盗賊』『レンジャー』『投擲』『ストッピングパワー』『貫通効果アップ』『連撃』『投げ』『クリティカル値上昇』のスキル経験が大幅に上がっていた。
巻き込まれたモノも『連撃』と判断されるんだな・・・
攻撃を受けたためかモンスターの陣営が騒がしくなり、こちらに気付いたのだろう一団が向かってくる。
しかし1・5kmもあるのだ・・・こちらにはまだまだ余裕がある。
「それじゃあ砲撃戦開始といきますか!」
もう、まるで別ゲーと言わんばかりの一方的な猛攻が始まった。
さっきの合成スキルはシステム登録で『レールカノン120%』と命名。 120%はオヤクソクってことで・・・ とにかく撃ちまくる。
1発撃つごとに『鮮血の代償』を使い続けるも、次弾装填時には衝撃波のダメージ共に回復。 その内他のスキル共にLVが上がっていく。
『オールハードアタック』の範囲は約直径2m範囲のようで、狙った箇所は大方2~4体を巻き込んでいる。 20LV前後のモンスターは一撃で終ってるようだ。
10発も撃つ頃にフト考える。
今までは高所から狙ってた為、点での狙いだったが貫通を狙って横から撃てばどうなる?
最初に狙ったボスは狙いは外れたが、軌道修正無しでほぼ一直線に狙って撃ったが当たった。 2kmぐらいでは誤差に差は出ない? いままで撃って慣れてきたのもあるが1km圏内はほぼ狙った付近に着弾している・・・照準器も無く放物線を計算してないにも関わらずだ。
「スキルやアビリティの補正が凄いのか・・・『念動』が思いのほか優秀なのか・・・使えてるから良いがな!」
ならば今度は直線での貫通力をテストするか。
『念動』で浮いて、前方にホバー移動よろしく低空飛行で移動する。
その間も砲撃しようと思ったが、APの消費が3分の1ぐらい減ってるのと、なにより衝撃波でバク転しそうなのでやめておく。 なにか対処方を考えよう。
手からの『投擲』にも使うこともできるだろうが・・・加速距離を縮めないとな・・・砲身がある分、衝撃波が後ろに来るのを軽減してるだろうに、素で食らうと多分吹っ飛ぶな・・・
「しっかし・・・今のLVでここまでの火力を出せるシステムって・・・考えると最終的に何と戦わせるつもりなのか、空恐ろしくもあるな」
冗談めかしているうちに前方100mほどにまで敵が迫っていた。
「よし、ここらで良いか!」
さっきまでの教訓があるので、方膝立ちでできる限り姿勢を低くして構える。
『鮮血の代償LV2』発動!
「『レールカノン120%』!」
更に合成を弄った結果『チャージシュート』『念動』装填を同時開始。 溜め5秒の間に2秒後に『オールハードアタック』開始することで約5秒に一回の砲撃が可能となった。 逆にそれでやると、装填に失敗したら不発になるデメリットもでたわけだが・・・
何にせよ的は前方のゴブリン集団!
確認のためいつもの如くスキルウィンドは展開済み。
『ドオン!!』
空気の壁を破る音と、目の前の群れが吹っ飛ぶのは同時だった。
目まぐるしく視界の端でログが流れキル数を告げていく。 そんな中でスキルの『射撃』系統のスキルが目覚しく上がっていく。 最終的に弾丸・・・あえて手裏剣ではなくそう呼ぶ・・・は前方の丘に当たり爆煙と轟音を響かせていた。
総キル数184
これが1発の砲弾の成果だ。
考えるに『オールハードアタック』の直径2mの範囲攻撃が直進したらこうなるわな
『OK、OK・・・これで遠距離より近距離砲撃が有効と確認・・・と』
流石にインスタンスフィールドのモンスターらしく、AI(人工知能)は低いらしい。 今の攻撃に恐れもなく怯まず押し寄せてくる。
割れた敵陣もすぐに埋まり一番脅威と思われるオレに、ターゲットを絞って突っ込んできている。
それに向かって同じ要領で砲撃をして、『念動』で移動。
移動しているオレに釣られて他の群れもついてくる中、十一と九影には見向きもしない。
『悪いがお前らはドロップしたアイテムを拾っていってくれ』
『りょ~か~い♪』
『御意!』
そういうと、そこかしこで残った灰色になって倒れてるモノからアイテムを抜いて行く2匹。 抜かれたモノから順に影が薄くなり消えていく様は、死神を待ち成仏していくようにも見える。
移動して纏まった敵に向かって砲撃!
これを繰り返すうちにスキルもうなぎ登りに上がる。 それに伴い敵の数が減っていくが、MPも減ってきた。 『変換の指輪』の効果、SWで2秒に一回、HP20代償にAPとMPを5回復も使ってるが流石に追いつかない。
「弾はまだあるがここからは接近戦かな?」
そう呟いていると九影に乗った十一が近づいてきて、アイテム受け渡しされたとシステムログにでた。
「キュッキュウキュ~♪ (ますたーアイテムいっぱいなったから持ってきた♪)」
移動しながらその中身を確認すると、やはりあった大量のMPポーション。 早速身体にぶっ掛けて使用。 ちなみに飲んで使うと、飲みきったところでポーションの効果回復量まで一気に回復する。 身体にかけると10秒間でじょじょに回復するらしい。
今回は飲むなんて隙だらけの行動はできんからかける事にした。 正直・・・味も気になるが、鼻に突く薬っぽい匂いはあまり美味しそうには思えない。
このポーション、テスト1日目では店売りしかなく、敵からドロップしなかったそうだが今回のバージョンアップで敵によっては結構出る仕様になったとの事。
何にせよ、アイテム欄1マスにポーション系は100入る物が、HP、MP、AP回復ポーションが6マス200ずつ入ってる。
「エライ十一、九影よくやった!」
『きゅう~♪(え~へ~へ~♪)』
『お褒めに預かり恐悦至極』
なんか・・・九影が更に仰々しくなった?
『階位が上がり申した上できる芸当も増え申した。 たとえば『群狼』!』
九影が『ウォオ~ン!』と吼えると、その影から普通の大きさの黒い狼が3匹浮き出る様に現れた。
『このように眷属を呼べるようになり申した。 それと主殿より託されたスクロール・・・全て習得いたしましたれば、拾いし獲物の使用宜しいか?』
うわあ・・・時代劇がかってきたな・・・と思いつつアイテム欄を開ける。
確かに沢山あるな・・・レアドロップ・・・よし!
九影にエリートゴブリンの大剣を予備も合わせて2本渡す。
『ありがたく頂戴いたす。 もし宜しければ、我が眷属にも下賜頂けませぬか? 相応の働きをお約束いたしますれば・・・』
眷属の方の3匹のステータスを見ると・・・ミニマム九影ってだけでスキルはボススキルっぽいの以外全て同じ・・・オレが習得させたモノもしっかり受け継いでいた。
それぞれエリートゴブリンの剣、短剣二本とチーフオークの剣をそれぞれ与えると、嬉しそうに咥え
『このご恩に報いましょう!』
『敵の首級をより多く上げて見せましょう!』
『我らが力存分に主様の為に!』
やはり・・・『念話』も使えるんだ・・・って!?
咥えたそれぞれの武器を身体の回りに『念動』で浮べ、まるで素振りするように縦横無尽に振り回していた。
『さあ、お前達! 今回は主殿の為の獲物集めだ抜かりなくせよ! 散!』
『『『御意!』』』
そう答えると影に沈み不自然に影だけが高速で3方に散っていった。
まあいい・・・いや、良くは無いが今は敵の殲滅だけを考えよう。 MPも全快したようだし・・・
「じゃあ、さっさと片付けますか! 最初の作戦で行く! 散!」
『は~い♪』
『御意!』
そこからは簡単な単純作業だった。
砲撃でなぎ倒し、大きく円を書く様に移動して、敵が纏まったら砲撃の繰り返し。 それを行なううちに『連撃』と『サイコキネシス』『クリティカル値上昇』『投げ』がMST。 サブスキルからメインに『AP回復』『MP回復』『カウンター』『中級スクロール学』を移し、開いたサブスキルを適当に埋める。
その作業中ボスらしき3体もいつの間にか倒してたようだ・・・
3狼が持ってきたアイテムにそれらしきレア素材とかがあったからそうなのだろう・・・
そんな中、敵の残りが数えるほどになったところで漸く腕装備の出番になった。
構えた両手のコンテナのシャッターを少し開き、近づく敵から左右交互に『念動』&『指弾』を撃ちまくる。 砲撃ほど複雑では無い為、連射が効く分棒手裏剣の消費は激しい。 しかし機関銃を撃つ様に掃射ができるのでこれはこれで使い勝手はいいようだ。
他の離れた敵もペットズ達の餌食になって消えていく・・・狼が増えてる!? LVが上がったから増えた? まあ、増えた二匹にも槍と・・・ミスリル糸を渡してみるか・・・おお・・・しっかり使ってるし。
「何だかんだで足コンテナを使うまでも無かったな・・・」
何より砲撃が反則級だったのが原因か・・・どっかのロボット物ゲームみたいで楽しかったけど。
結局射撃と移動だけで、制限時間を越える事無く全滅させた時『ポーン!』といつもの音が聞こえた。 嫌な予感が・・・
『10分以内クリアとクエスト発生条件達成の為EXクエスト発生 『キングオークを倒せ!』が開始されます』
『ゴゴゴゴゴ・・・』と地響きが起こり目の前10m前方に地割れができる。
その割れた下からゆっくりと王冠を被った巨大なオークが立ち上がる。
「でかいな・・・」
そいつを見上げ・・・まず出た言葉がそれだった・・・
今回のスキル
C『筋力増加LV1』PS
筋力が増加しやすくなる
筋力にLV分の小補正
条件・・・LV20以上 スキルスクロールまたはSP消費で習得
C『敏捷増加LV1』PS
敏捷が増加しやすくなる
敏捷にLV分の小補正
条件・・・LV20以上 スキルスクロールまたはSP消費で習得
C『器用増加LV1』PS
器用が増加しやすくなる
器用にLV分の小補正
条件・・・LV20以上 スキルスクロールまたはSP消費で習得
C『知覚増加LV1』PS
知覚が増加しやすくなる
知覚にLV分の小補正
条件・・・LV20以上 スキルスクロールまたはSP消費で習得
C『知力増加LV1』PS
知力が増加しやすくなる
知力にLV分の小補正
条件・・・LV20以上 スキルスクロールまたはSP消費で習得
C『精神増加LV1』PS
精神が増加しやすくなる
精神にLV分の小補正
条件・・・LV20以上 スキルスクロールまたはSP消費で習得
UC『制動LV1』PS
移動時の反動を制御する
反動の緩和は器用とSLV依存
条件・・・LV20以上 スキルスクロールまたはSP消費で習得
UC『ストッピングパワー』PS
射撃系武器の攻撃で相手がノックバックや硬直しやすくなる
ノックバック確率と距離はSLVに依存
硬直の確率と時間はSLVに依存
条件・・・LV20以上 スキルスクロールまたはSP消費で習得
UC『貫通効果アップ』PS
貫通効果のある攻撃の貫通効果とダメージを上昇させる
敵貫通ダメージ限界低下はSLVによる
貫通時の次標的ダメージ増加はSLVによる
条件・・・LV20以上 スキルスクロールまたはSP消費で習得
UC『握力増加LV1』PS
握力が増加する
素手による攻撃にSLV分小補正
条件・・・LV20以上 スキルスクロールまたはSP消費で習得
遅れましたが投稿しました
スキルの整理もありましたが、何より残業が多くて執筆に手が回らなかった・・・
とりあえず今度は来週にできたらいいな・・・




