Ver1.10
毎度どうも~ココまで読んでくれた心の広いかお暇な方はありがとうございます。
お気に入り登録も自分では信じられないくらい増えて嬉しい限りです。
ハヤリに乗った感もありますがよければ評価等もイジッテ見てください。
しかし・・・前作は9人だったのに今回は100人超・・・世の中ナニがあるかわからんものですねえ
さて、挨拶もほどほどにクエスト完結編?見てください
『ゾロゾロゾロゾロ・・・』
そんな感じで俺たちの短い行進はギルドまで続いた。
約二十分の精神的拷問と言うか辱めから立ち直ってから今に至るまでの経緯は忘れよう・・・うん、忘れた!
街の大通りの店の中にはあからさまに眉をしかめる人も見受けられる。
「なんか街の人の視線が痛い・・・」
「・・・というかキツイ?」
「そりゃそうだろう、お前らあの人たちにとっては罪人なんだから」
ダイさんにツッコマレタ二人がショックを受けている。
「これこれダイさんや傷に塩をぬってやんなさんな・・・」
「おっと、これはご隠居すいません」
「フォッフォッフォ・・・ってオレは水戸の御老公かい?」
とかやりつつ到着
先ほどの人の群れは無くなり数人が酒場兼待合所風な店内で寛いでいる。
その中を奥のカウンターへ大人数でお邪魔する
「お嬢さんや、クエストの達成の報告と説明に来たんだがいいかの?」
多少人数が多いからか若干受付さんの口元がヒクヒクと引き攣ってるようだ。
「は、はい何のクエストでしょうか?」
「一時間ほど前受けた捕縛任務・・・と言えばわかりやすいか?」
ガタッっと椅子を蹴飛ばして立ち上がると
「しょ・・・少々お待ちください! 責任者を連れてきます」
えらく慌てて奥に消えていった。
「もう、終わったのかね!?」
慌てて駆けつけてきたのはオレに直接クエの依頼をしてきたギルドマスターだった。
更に後ろには自警団の隊長とか言ってたおっちゃんもいる。
「ああ、全員って訳には行かなかったが11人連れてきた」
「なっ!? 5人以上と言っていたのに半数以上も捕獲してきたのか!?」
驚くギルドマスターを横目にPTメンバーに目配せすると、他のメンバー全員が頷き同意を示してくれる。 まあ最初からこうする予定だったからねえ・・・
「いんや、11人を説得してきた。 ホレ、皆!」
「「「「「「「「「「すいませんでした! 自首します!」」」」」」」」」」」
「「「はああっ!!?」」」
皆の息のあった謝罪と自首宣言にこの場にいた受付を含めた三人はまの抜けた返事で答えたのだった。
~~~~~~~~~~~~~
「つまり今回の事件は集団による暴行行為ではなく全て事故だったと?」
胡散臭げな表情で問いかけてくる自警団の隊長ガーディオ
「そうですな、オレが話を聞いていった限りここにいる11人全て」
それをオレはシレッと答えた。
「そんなバカなことがあるか!?」
『バン!!』と机を叩いて激昂された。 まあ、さもありなん。
「まあまあ、落ち着いて下さい」
そうギルドマスターのルドさんが取り成してくれる。
よかった・・・少なくともルドさんは完全な敵ではない少なくとも中立だ。
「しかし事実です」
「だから!・・・はあ~・・・」
「何にしても自首するように説得をして、彼らはそれに答えてくれた。 少なくともその事実は考えてみてください」
言って丁寧に頭を下げる。 後ろの彼らも下げる気配がする。
何気にオールセンスと第六感の組み合わせは細かいことにも使えるようだ。
「ワカッテル・・・私だって無益に罰を与えるつもりは無い。 だが減刑は考えるが多少なりとも罰は課すぞ」
「それは重々承知してます。 私も前途ある優秀な仲間を失いたくは無いですしな」
カカと笑って後ろに視線を送る。
「優秀? いきなり罪を犯したものがか!?」
皮肉を混ぜて問いただしてきたのを無言でゆっくり頷き視線を己に集中させる。
さあ、商談といきましょうか。 売りに出すのは彼らの将来性とオレのカオ貰い受けるは信頼ってか?
「まずはナゼ彼らが急いで大通りを走っていったかなんだが~」
ワザとタメを作り相手の興味を引く。
「・・・何故だ?」
焦れた相手が自ら聞いてくる。 コレを引き出せばほぼ決まったモンだ。
「バカだからだ」
「「「「「「は!?」」」」」」
彼らの味方だろうオレからの罵倒の言葉に、周りの連中のまの抜けた声が室内に響く。 後ろの連中にはオレに任せろと言ってただけに何人かは不安そうな気配も漂ってくる。
一方ガーディオさんとルドさんは弁護する側が相手を放り出すような無責任な罵倒に困惑気味。
計算どうり・・・
ニヤリと笑うと前の二人は表情と椅子の座りを何気に直した。
さあ、自分から情報を聞きたがり、更に真剣に聞く体制を執らせて話に少なからず興味を持たせた。
「ホント、バカですよ・・・ねえ、街の住人の安全を守るために躍起になって挙句に街を騒がして? その後は黙々とギルドの依頼である治安維持の依頼の討伐任務をこなしてたんだから・・・オレが声をかけるまで」
「なんだと!?」
ガーディオさんが目を見開いてルドさんに確認を求めると
「確かにウチでは討伐任務で野犬やゴブリン共の討伐の証拠箇所の収集のクエストは随時行っていますが・・・本当なのか?」
「本当です・・・なあ皆!」
後ろを笑いながら振り向くと全員が肯定の言葉を口々にする。
「証拠としてなら、こいつらの所持品にそういった収集物が結構な量あるはずだ」
事前に武装解除も兼ねて、捕縛者のアイテムは全てギルドに名前分けで預けている。
その時に何人かゴネルかな~とも思ったが、オレを信用すると皆が言ってたのは嬉しい反面、責任は重大だ。 小声でさっき本音を聞いたからと言うセリフは聴かなかったことにする。 オールセンス・・・こんな時は恨めしい・・・
「・・・確かに預かってる荷物からは相当数のクエストの証明部位が確認された・・・それが本当なら我がギルドも口ぞえしなければなりませんな」
ルドさんは困った半分、彼らの将来性を買ってくれたであろう嬉しさ半分って複雑な表情で味方についてくれた。
「それは成果としてはどれくらいだ?」
ルドさんに聴いたガーディオさんは耳打ちをされ目を見張った。
「そ・・・そんなにか!? 事件が起きてから半日もせず・・・なるほどこれが貴様の優秀と言った訳か」
「そうですね・・・その一部・・・ですね」
「一部だと? まだ何かあるのか? いいから話せ」
もったいぶった言い方に興味を持ったようだ。
「オレが見たところこれでもまだ武器の扱いに慣れてない様でね。 ギルドの訓練所でチョット鍛えたらもっと強くなるぜ・・・それに・・・」
「まだ力を秘めているというのか!? それになんだ?」
「自警団の仕事を依頼って形にすれば結構はけるんじゃないか?」
二人の目が光ったような気がした。 お気に召したようだな・・・ここが落としどころだ。
「それを罰として幾つかは受けないといけない仕事と割り切ってやらせれば街の住人も溜飲が下がるだろ?」
・・・・・・・・・・・。
しばしの間無言が続き
「フフ、フ・・・ハ、ハッハッハッハッハ~! 判った! その話に乗せられてやろう。 罰金に関しては一部免除、依頼の達成や貢献した者にはそれなりの減刑で手を打とう! 場合によっては帳消しにしてやる・・・その代わり覚悟しておけよ~こき使ってやっるからな!」
『オオオオ~~~~~!!』
嬉しそうな皆の声が響き渡った。
「あ、そうそう」
「ん、なんだ?」
「乗りかかった船だオレもその依頼を受けれるようにしてくれねえか?」
「フン?・・・態々酔狂なヤツだな・・・冒険者とは貴様みたいなのが多いのか? ・・・まあいいそういうのも嫌いじゃない手配しておこう。 貴様の名は?」
「はて、聞いてるはずですが?」
「貴様自身から聞きたいのだ察しろ」
渋い笑顔で言い右手を差し出してきた。
「ふむ、そういう事なら喜んで。 人間、政十郎だ。 以後お見知りおきを」
こっちも笑みで返す。 ことさらヒトのアイダを強調して見せたのは愛嬌で・・・
硬く手を上に握り合い申し合わせたように腕を交差して軽く打ち合いガーディオは踵を返し部屋を出て行く。
「「またな!」」
お互い同時に再会を見据えた別れの言葉で締め括った。
『『犯罪者を捕縛せよ』をクリアしました。 条件を上回った為報酬に加算されます。 詳細と報酬はギルド受付でお受け取り下さい』
クエストのクリアがシステムから報告された・・・半ば諦めてたのに自首させてもOKなのか・・・
「政十郎さん」
オレを呼ぶ声はギルドマスターのルドだった。
「今回の件見事だった。 とても駆け出しの冒険者とは思えん手際だったよ」
「お褒めに預かり恐悦至極・・・って言ってもそういったものは歳とってる分経験があるってだけですな」
「ふむ、まあそれだけではなかろうがそうしとこう。 さて、本題だが今回の件で我がギルドに自警団というお得意様が増えた。 先ほどのガーディオ殿はこの近辺の名士でな。 これからギルドにもたらす利益は結構なものになるだろう。 また依頼も増えることは間違いない」
「でしょうな」
ルドが大きく頷いて
「そこでだ、今回のギルドのマイナスになる筈の事件を解決し、尚且つプラスにした手腕に敬意を表わし・・・これを贈ろう」
なにやら小さな木箱を手渡された。
開けるよう促されたので中身を確認すると勲章のような物だった。
何だろうと思って眺める・・・何かの徽章・・・ギルドとか書いてあるようだが・・・まさかMMOでよくある血盟やギルド作成アイテムじゃ・・・まさかな~こんな初期に『ピロン!』とおなじみの音と共に小さな窓に説明文が吹き出しの様に現れた。
『ギルドの徽章』 ☆x9
消費アイテム
勲章
ギルドに貢献した者に贈られる珍しい徽章
ギルドを作成することができる。
このアイテムで創ったギルドにはギルドルームが貸与される
おいおい・・・当たりかよ・・・に、しても・・・
もしやと思いスキル欄を開けるとやはり定番の物があった。
UC『鑑定LV1.01』PS
未知のアイテムや偽装されたアイテムの性能を見破る『看破』使用可能になる
大まかなアイテムの性能が判る
鑑定に成功した同種の物は以降自動的に看破状態になる
知力、信仰、幸運、MPにSLV分中補正
条件・・・初見のレア度5以上のアイテムの能力を予想し的中させる
AS『看破LV1.01』消費MP20
成功率はSLVと知力、幸運に依存
「ギルドの徽章・・・ってエライ大盤振る舞いでは?」
「ほう、それの価値がわかるとは流石ですね」
「そんなに凄いものなのですか?」
ガイが興味深そうに聞いてきたので
「ああ、ギルドを創れるアイテムだ」
『なにい!?』
また回りが騒がしくなった。
「しかし・・・ギルド作成アイテムってレアなんだな。 ここは普通にギルド創るのは難しそうだ」
「それはその徽章が特別であって、ギルド自体はお金は掛かるがそれを創ろうと人が集まっていれば然程の額ではないさ」
そうなのか・・・ならこれは?
「ギルドを創設した後、その成したことでギルドの格が上がる。 そうすればギルド専用のギルドハウスを買えるのだがその徽章は最初から相応の物が付いているので希少なのだよ」
なるほど・・・
「ハウスとルームの違いは?」
「ハウスはその街や村等を拠点とする者達の持ち家となりソコから移動はできないがルームはこのギルドの建物内にある『転移の扉』から入ることができる部屋でな・・・同じ冒険者ギルドの要所に必ずあってどこの転移の扉から入ってもギルドメンバーであればルームに入れる仕組みだな」
『おおおお!!』
「便利だが・・・つまり有能な者をギルド内に囲って手放さないようにする物?」
ちと、皮肉げに呟いてみる。
「ははははは~~~なるほどそういった考え方もするか・・・うん、経緯はどうあれその通りでもあるな、しかし便利なことは確かだ」
悪ぶれない人だ・・・まあ、いいか!
「了解~ココは誠意と見て受け取っておくよ使うかどうかは別として」
「そうかね、良かった・・・ちなみにルームは寝泊りの為の部屋も完備されてるから宿代は確実に浮くだろうね」
「・・・使用」
ギルドの徽章を使った。
『おい!?』
なんか全員からツッコミがきた。
VRRPGなのに戦闘がほとんどないって?
RPGは演じるゲームと思ってる作者はテーブルトークRPGもやってるんで戦闘回避しやすいのかも?
ガチの戦闘よりからめ手で突破が多いのが難?
ちなみに政十郎ならこう言うかもしれません
「真昼間のお子様も起きてる時間にグロなんか出せるかよ・・・夜に期待しなさいな」
すいません・・・たんなる作者の言い訳でした。
では、次回は(も?)お楽しみいただける・・・といいなあ




