Ver1.08
応援におだてられて木に登らずに投稿します。
なかなか戦闘無いのは・・・ごめんなさい
『パンパカパーン♪』
「みんなあつまれ~~~!」
「「「「わ~~~~~~~い!!」」」」
「ナゼナニBWはっじまっるよ~♪」
「さて、今回の「ちょっとまて!」・・・ナンダイヤッ太郎君?」
「ヤッタロウじゃねえ! 何でイキナリ紙芝居なんだ?」
先ほど絡んできた戦士風の男カリバーンがツッコんできた。
「ノリが悪いヤツだな・・・そんな小さい事に拘ってるとモテないぞ。 あエキストラ役の歓声ありがとう~」
視聴中に申し合わせも無くノリで歓声を合わせてくれたぴこさんその他、知らない数名に手を振って労いを入れると親指を『グッ』と突き出し返してくれる。 カリバーンは固まっている。
「うん、じいちゃんそんなノリのイイ人好きだな」
「も、もも、も、もてない訳ないだろう!」
硬直から立ち直ったようだ・・・フム・・・顔を真っ赤にしているところを見るに、こいつのオチョクリどころが解った気がする。
「わかった、わかった、とりあえずココにいる皆にわかりやすく説明するからおとなしくしてくれ。 寡黙なオトコはモテルオトコの条件の一つだぞ」
「クッ・・・」
黙って下がっていく・・・キャラはマッチョな精悍な戦士でも、案外中身は中高生ぐらいなのかもな。 中身が把握できればカワイイもんだ。
「それにしてもいつの間にそんな羊皮紙に絵を描いてたんだ? 微妙にイラスト上手いし」
ガイさんが不思議そうに微妙な表情をして聞いてきた
「さっきみんなが桜花達のことで騒いでた時にな。 後、学生時分に部活で先輩の同人活動を手伝ってたんでな、即興で小さなイラスト描くの結構得意なんだ。 ちなみに『描画』スキル手に入った」
C『描画LV4.76』PS
高速で絵を描く『高速作画』使用可能になる
見てる情景や頭に思い描いた画像を精密に描く
SLV上昇でより精密により早く描けるようになる
器用、精神、知力にLV分小補正
条件・・・絵を何かに描くことでランダムで入手
AS『高速作画LV4.76』消費MP5
描く速さはSLV依存
描いたのは8枚なんだが描いてる時に気づいたことがある。
漫画家のサイン会等に行った事があるとか同人作家のイラスト色紙作成を見たことがある人は知ってるかも知れないが、簡単なイラストを描く速度は速い人で1分掛からない人もいる。
オレも似たようなモンで落書き程度のモノなら2分以内でいけるのだが・・・『描写』スキルをセットして描いていくと補正もあるがより正確に思ったように線が描ける。
ココのところはもともとリアルでもそれなりにウデはある方らしいので、問題は無かった。
しかし1枚描いたところで変化に気づく。
描画スキルのLVが0から始まったのに2LV近くに上がってるのだ。
3枚目でLV3になり『高速作画』を入手して一気に描き上げた時はすでに今のLVだった。
武器スキルの時も思ったが恐らく『生産系』のこのスキル・・・上限LVが幾つか知らんが上がるのが早すぎないか?
共通するところはおそらくリアルでやったことがあること、それなりに経験がある、得意だとかか?
そこで導き出されることはスキル、少なくとも常時発動型のPSスキルにおいてはある程度LVごとに規準が設定されている。 それを上回る能力を保持した者は入手しやすく、且つスキル経験も上がりやすく、クリティカルが出やすいと見た。
確かに考えてみればリアルでできたことがVR(仮想現実)でできないと変な齟齬が出るだろうが・・・その措置かも知れない。
逆ならVRでできてもリアルじゃ無理だな・・・で済むが逆の場合下手したら現実でできたモノがVRの所為でできなくなったってありそうで怖いところだし?
そんなところも考慮されてなんだろう。 元来こういったスキルゲーには最高取得スキル数とかがありそうだがここには無いのは・・・
なんにせよオレにとってはやり易くはあっても拒む意味は無い!
しっかりと楽しませて貰いますよ~スタッフの皆さん!
・・・って一人盛り上がってるところで騒ぎが収まった訳だ。
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その時には何でか、今回のことに関係ない者達も来ていて個人の説明会に参加したいと言ってきた。
収穫と言うか集まった今回のターゲットは11人・・・クエ条件は5人以上だが、知り合いでそれを満たしている以上、失敗はまず無かろう。
まあ、最初から13人全てが集まるとは思ってなかったし、他人である者にこちらの告知を聞いた聞いてないにせよ、徹底的にやるなどそこまで配慮はしない。
公言してる通り慈善でもなければやる義理も無い。
冷たいようだがオレは勇者では無く冒険者のロールを演じているゲームなのだから。
だから知り合い以外のプレイヤーは言ってみればオマケで助けることになるし桜花達に関しては最大限フォローはする。
その中で自分はクエ達成の報酬を得る訳だな。 偽善? やらない善に結果は無く、行う偽善の結果に助けられる者は世の中多い。 物語の正義の味方は個人的にスッゴク好きだが特に仮面のバイク乗りとか・・・それは置いといて。 つまりは物語りはフィクション。 これはゲームとはいえ現実の人間が関わってる分綺麗ごとだけではすまない。
ま・・・皮肉にも言ってみれば、大人の考えになるしかないってね。
オレはオレの為の最善を目指し、オレナリの結果を出す・・・それだけだ。
そして、オレ達の収穫の為の説明会を、オレの今回の経験と予想を元の仮説と解説を始める
「まず、オレ達は『捕縛』クエを受けて今回のことを計画した。 だからコレは慈善でも無く利益があってのことだ。 だが同時にギルド掲示板に張られたクエ『討伐』があることで今回の集まってもらったターゲットである者達の救済にもなる筈だ」
ここで少しざわめき始めるが質問を手で制し話を続ける。
「ナゼ救済? オレ達のクエ達成のスケープゴート(生贄の羊)になるだけと思われるだろうが・・・とりあえず聞け。 オレ達がクエ失敗・・・は現在知り合いがすでにターゲットとして5人以上いるのでありえない。 正直言ってこの説明もメンドクサイ。 帰ってもいい?」
「「「「!?」」」」
「俺は関係無いけど聞きたいから続けてくれると助かる」
「そうだな、これからのプレイに大事そうだし?」
絶句するのは見捨てられるかも知れないと思われたターゲットの方々。
その横で余裕に含み笑いをしてる詩乃さんは流石度胸が据わってるのか、そこまで信用されてるのか・・・
「OK、冗談だったが視聴者がいるなら続けよう。」
皮肉気にニヤリと笑い続ける。
「オレ達が受けたクエと同時にギルド掲示板に貼られた『討伐』クエ、これが問題だ! 何故かと言うと、オレ達のクエが終わった後、この場に居ないターゲットと今回ココに来た者でオレ達に捕獲されるのを拒んだ人は、『討伐』のターゲットとして保留されるのは理解できると思う。」
「「!?」」
数名やっと気付いたようだな?
「そう、達成されない限り『討伐』は続くんだ! 『捕獲』である意味保護される者は金銭的なペナルティを負うかも知れないが『討伐』からは削除される。 考えてみてくれ『討伐』で来たプレイヤーとガチでバトルして生き残ったとして・・・負けるまで追っ手が来る。 そういったヒールプレイが望みなら止めはしないが・・・殺伐としたゲームプレイになるだろうこと間違いなし。 どうする、やってみるなら遠慮なくどうぞ?」
意地の悪い笑みに変えて回りを見回すが視線があったターゲットのプレイヤー達は否定派ばかりなようだ。
「なんだ・・・つまらん・・・クエが残ってたら腕上げてから殺ろうと思ったのに」
「ヤロウの字が違う気がするのは気の所為か?」
ダイザップ改めダイさんの軽口のツッコミが入りブラックなジョークに少ない笑いがおこる。
「ん? 気のせいじゃないか? さて、これで今回のターゲットになった方々の説明は終わったが・・・折角集まった皆に老婆心ながらこの老いぼれのこのゲームでの経験での仮説を聞きたい物好きは残ってくれてかまわんぞ」
「聞かせてくれ」
「そうだな、休憩がてらスタミナ回復も兼ねて」
「ん、じゃあ、今回のクエの前に起こった事。 それにオレが見た事も交えての仮説だ。」
話は概ねこうなった。
先行突撃したプレイヤー達の集団障害事件。
それに対しての街のNPCの行動によるNPC達のAIがそれぞれ個人ごとに独立していると予測される事。
更にそのNPCの行動を管理しているGM的な者の存在があり。 運営かAIかは判らないが、それがクエストを設定しているかも知れない事。
先ほどのNPCの対応のことでそれぞれのNPCに好感度的な隠れステータスがあり対応が変わるかも知れないこととその利点と不利点。
等と説明すると周りが騒然となった。
さもありなん・・・AIの技術としては現在の技術で最高峰かも知れないモノが普通に使われてるかもしれないことにもだが、良くすれば店等でオマケに値引きとかあるだろうが、逆だと下手をすれば売買拒否もありえるかも知れないからだ。
少なくとも今回のターゲットの何人かはあの街の大通りの露店ではいい顔はされないだろう。
逆に言えばそこを何とかできる要素もあるから予測も楽・・・なんだがねえ。
コミュ症とか言われる方とかには正直辛いかも?
まあ、最低限の礼儀さえ解ってれば普通に行動できるんだし心配するようなガラでもないか。
「さて、説明も終わったし、言ってた一時間残りの二人を待ったらクエ報告に向かうが良いか?」
全員反論は無いようだ。 この場にいたターゲットの方も皆納得頂けたようで何よりだ。
「なあ・・・」
「ん?」
そう思ってるとカリバーン達が沈んだ様子で話しかけてきた。
「・・・さっきは突っかかって悪かった!」
「僕も・・・話を最後まで聞いて・・・ごめんなさい!」
イキナリ頭を下げてきたので面喰らったが・・・なるほど、こいつもそんな悪いヤツではなかったようだ。
「うんにゃ、気にするな。 今謝って貰ったからいいさね」
「「でも・・・」」
「謝れないならそれまで、謝れるだけお前らは見込みはあるよ。 そこは誇ってもいい。 謝罪の意味を理解して次に同じことがあれば気をつければいい。 それが糧になり・・・己を磨く! そして・・・いいオトコになって女にモテロ」
「って・・・爺さんまたそこにオトスか? 勘弁してくれ!」
顔を真っ赤にして抗議するが・・・まあ、照れ隠しにしか見えんわな。
「なんか、いい話っぽかったのに・・・」
そのツレも笑って呆れてるようだ。
「シリアスは苦手での」
おちょけて言うとお互い自然と笑いあった。
ほぼ説明回ですがご容赦を
作者自体は娯楽的ないい話は好きですが今作品は今回の終わり方みたいなのばっかりではないかもしれません?
しかし・・・ココまで書いて全くLV上げしない主人公って・・・仕様ですけど
無双?はも少し・・・気長に待ってて下さい・・・夢想で終わらないよ・・・な?




