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再動

Ver0はプロローグです

     『Ver0.1』



 ヴァーチャルリアル(VR)技術の爆発的発展があり、医療や通信、技術開発等さまざまな分野で活躍する様になった昨今

 それはゲーム等娯楽、アミューズメントにも広がっていた。

その当時は筐体が高額かつ個人で持つにはメンテナンスが不便だとか何より巨大な装置は場所を取る為無理、中には個人で所有する猛者もいたようだが・・・オレはそこまでの金も無ければ伝手も無く対戦格闘系やガンシューティング系にハマッテタリしてゲーセン通いをしてたっけ・・・


 それから数年VR機器がヘッドマウントやヘルメット等に小型化し、それに釣られてVR用の簡易ベッドやリクライニングシート等アクセサリーが出だした、とはいえまだまだ高額なのは仕方がない。


 そこはそれで三十路も後半になった自分には少々懐も傷みはするが購入できないものでもないが・・・ゲーム好きでも大枚叩いてまで特にやりたいモノもなかったので、ついこの前までは購入に至らなかったわけだ


 この前まで・・・というのも、いつか出るとは思っていたがとうとうVRRPGを開発するとのことで、日本のとある会社が中心に有名無名のその道のプロ的な有能な人材で作成開始を発表。

 

 中には物理学の権威や医者、作家、精神医療士等雑多な職種の人の意見も参考にして人体や動物の骨格構造もある程度再現し経営上グロさを押さえながらもリアルを追求するそうだ。


 初期開発時には俺の勤めている会社の上も提携している為、資格マニアでもあり習えるものは浅く広くを体言しているオレに白羽の矢が当たり、内心嬉々として出張に借り出され色々な理由でモーション撮りや意見交換に少々協力させられたりした。


 技術者として新しく生み出される物に興味を持ったわけでもあるが楽しみにしているゲームの製作現場が見たかったのが大きい、別に特別支給ボーナスが魅力的だったのも理由の一つではあるが・・・。


 その臨時出張とも言える派遣で楽しみにしていたゲーム内容は一般公開された情報しか得られなかったのが残念だが、いくらかの内部情報は更にオレの多少捻くれたマニア魂をクスグルものであった。


 その一つがオリジナルアイテムの作成、ゲーム内の素材を使うという当たり前のシバリがあるが、それを加工することでアイテム等を改造組み合わせが可能。

つまり現実では不可能なトンでも武装が作れる可能性が出るわけだ。

後は技・・・スキルは基本、常時発動型のパッシブ系と自己制御発動型アクティブ系だがアクティブスキルに関してはプレイヤーがある程度イジレルようになっていてこれも多少のオリジナルが作れる(それなりに手間ではあるが・・・)


 そして最後にこれは商業展開だが後々ネット通信サービスも対応予定・・・いきなりMMORPGへと移行するとのこと・・・ネットゲーム仲間がいる者には嬉しい情報だ。


 まあ、そんなこともありました。


 それから十数ヶ月、出張の仕事も終わり地元に帰ってそんなこともあったな~という頃


 クローズドベータテストを兼ねたツアー旅行が、100人限定で募集が行われると発表があった。

 元々が大々的なプロジェクトで、一流企業が合同技術提供して、各分野の第一人者が多数引き抜かれて集まった作品がVRRPGというゲーム。 娯楽なのは笑い話だったが、そこから得られる技術ははんぱでは無いのも事実。

 よくあるオヤクソクの企業が出張るとクソゲーになると言うのも、シナリオライターやクリエイターは実績のある方達(ある意味マニア垂涎の開発陣)が揃い、各々連続クエストをチームによって管理作成するように徹底されるらしい(雑誌記事参照)

 それだけでも選考されたい理由の一つだが各企業のバックアップで今回、夏の6泊7日のツアーが組まれ、高級ホテル並みの施設での宿泊付、豪華ビュッフェの食事まであるという・・・正に至れり尽くせりなことで、ウチの会社の追い込み時期を考えると虚しくもあることだ。


ここはダメもとで応募するしかない!


そう思って応募そして・・・




選考に落ちました・・・ちくせう・・・




 それからまた数ヶ月後・・・



 落選に枕を濡らしたのも忘れかけるころ

たまりにたまった有給休暇、現在仕事の発注が減少気味なうちに消化しろとの上からのお達しにならばと無理かも?と思いながらも8月1日から盆休みをまたいでの一ヶ月休暇を申請・・・「一週間が限度かな?」と、思ってたがまさか通るとは・・・「何かあるんじゃ?」と勘繰ってしまう。


 それはそれとして有給申請が通った翌日、通勤の道のりを思考しながら歩く。

 長い休暇を趣味の料理で手間がかかる物でも作ろうか、愛車バイクでツーリング温泉巡り食べ歩きコースでも久しぶりにしようか、でも大半はツミゲーと化したゲームの消化かな?と内心苦笑してると後ろに近づく違和感・・・気配に気づき振り返る。


と、上司の松岡部長が声をかけようとしたのだろう、虚を突かれたようで片手を上げてフリーズしてた。

 「あ、松岡部長おはようございます。」

 妙な間の悪さをごまかす為でもないが挨拶で機先を制しておく


 「ん・・・ああ、おはよう・・・しかしお前は相変わらず隙が無いというか・・・たまに後ろに目でもあるんじゃないかと思うぞ?」

そう言って部長は苦笑する。


 「いや~ちょっと後ろに気配を感じただけですよ?」

コメカミを指で掻きながら言うと


 「ほう、気配ね・・・なるほど、そういえば昔から気になってたんだがな、漫画や時代劇とかによく出るが~その・・・なんだ?。 何か『気』とか『第六感』とかそういう類のものなのか?」

 うれしそうに興味ぶかそうにフッテクル。

 ちなみにこの松岡部長は何気にそういったものが好きな人である。(愛読書は少年マンガ誌だったりする・・・オレも読むけど)

 たまに、そういったオタトークに花が咲き昔のTV番組等の話で盛り上がる貴重な上司だ。


 「いやいや、実際ホントにマンガの『気』とかあったら面白いんですけどね、『気配』を読むというのは私の知ってる限り『視覚』とか『聴覚』等の『五感』すべてを統合、情報整理して自分の経験と照らし合わせた答え的な予測ですね。 タネを明かせば、先ほどは部長が風上から来たんで後ろからコロンの匂いが近づいてきた。 そちらに意識を向けたら足音がした。 そして背後から射す日の光がこちらに近づいてくる人影を地面に映した・・・ってとこですね。」

今のセリフで一人称がオレから私になってるのは仕事上は使い分けてるからで・・・大人には色々シガラミがあるのです。


 「・・・何というか流石『理論武装の武道家』と言うか、ここまでキッチリ答えが返るとは思わなかったな。」

とかかと笑う。


 『理論武装の武道家』とは社内一部で通っているオレの通称の一つだ一つと言うことはもう幾つかあるのだが割愛しよう。

ちなみにこれは前に行った出張の選出でオレが選らばれた理由の一つだがオレの祖父はイワユル古武道を習得していた。

 元帝国陸軍の軍人で戦時は歩兵だったとか斥候だったとか・・・よくわからん。

 まあ、そんな元軍人気質でその古武道を小さい頃、物心つく前から仕込まれた訳だが・・・いかん・・・あの時のことを思い出すとブルーになる・・・ある意味トラウマかも知れない?


 とりあえず仕込まれた訳だが、祖父は時代の流れで近代武術の中にも学ぶべきことは多い。 更に対人戦になれる為といい近所の空手や剣道等を習いに行かせた。

 文武両道の言葉で更に習字に塾、算盤、ピアノ、バイオリン、スイミングスクール等浅く広くと正に祖父が亡くなった中学校までは習い事だらけだったか・・・。


 そんな中、武道系の習い事には特にハマッタ。


 何が・・・と言えばオソラク祖父しか相手がいなかった為、組み手をすれば負け続けな家での修行と言う苦行よりは、何より同年代で楽しみながら取り組むことの何と楽しかったことか・・・何より試合で勝ち自分の実力が発揮されることが嬉しかった。(これは祖父の企みが成功したともいえる)


 まあ、進級審査が他の習い事と被ることが多々あり・・・

「級や段など飾りよ飾り、実力があるなら上っ面の数字は不要!」

と、祖父の一言でまったくの無段でやってたわけだが・・・(習い事の師匠や先生は困ってたと思う)


 結果この歳になるまでに先にいった空手、剣道はもちろん、柔道、中国拳法各種、銃剣道とかこの会社に入社する三年前までは少林寺拳法もやってたりする。

それも浅く広くで知り合いや友人のコネでカジッタ程度であればソバットやボクシング投擲術や弓道等々とメジャーからマイナーまで多種多様。

基礎になった祖父直伝の名も知らぬ古武術の基本概念が「使えるものは使え!周りのものはすべからく武器である技とは道具、使いこなせて1人前よ!何も無ければ徒手空拳!刀があれば斬り、槍があれば突け、鉄砲があるなら撃て!」であるからそれが頭のスミにでもコビリツイテルノダロウ・・・

結果いろんな武術の合わさった総合格闘技みたいな我流にと至るわけだねえ・・・これが

それでもって入社の際の履歴書に趣味は格闘技等と書き面接官に観戦が好きな方がいて

「格闘技って何を見てるの?」

の質問に正直に習った物とカジッタ流派や習得した技をやってたと言った

その後入社できてその面接官だった方と話しが盛り上がり意気投合

誰々のこの技はどういった効果がありどういった場面で使う等を癖で理詰めで説明すると(格闘技の年少組にはそうした方が上達や理解が早いため)『理論武装の武道家』の称号がありがたく広まったという訳だ


 とまれ


 「それはそうと、有給一ヶ月取得おめでとう!」


 「あ~・・・どうも・・・」


 「どうした、嬉しくないのか?」

 部長がいぶかしげに聞いてくる。


 「いや~嬉しいんですが・・・なんかすんなり申請が通ったのが納得いかないというか?」


 「ああ、なるほどな~普通は通らんが・・・私が通した!」

 部長が得意そうにドヤ顔で言い切った。


 「へ・・・?」

 一瞬思考が停止しちまった。


 畳み掛けるように部長は 

「前にお前に行ってもらった出張先のプロジェクト・・・憶えてるか?」

と、問うてきた。


 「あ?・・・ああ、はい憶えてます。 特に個人的にも楽しみなんで一般販売が待ち遠しいですね~はは。」

力なく苦笑する。


「そうか~楽しみなくらいか~なら・・・」

部長がニヤリと笑うなんか悪徳商人っぽい。


「休暇中に1週間ほど出張を兼ねた旅行に行ってくれ」


「は?・・・まあ了解です元々なんかあると思ってましたし・・・」

はあ~とため息を一つ話の流れの脈絡が見えん・・・これが世代の差と言う物か・・・


「あちらさんのゴシメイでなお前のデータを取りたいそうだ〔ブレイクワールド〕のクローズドベータテストツアーに参加してくれ」


こんなSS読んで暇つぶしを心からありがとうそして・・・ありがとう

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