表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
使用人と憧れ騎士様  作者: omi
本編
8/26

2

男か女かもわからない。


けれど、フェイラルカ様の心を占める人。


それが、嫌で嫌で仕方ない。


私はなんて嫌な奴なんだろう。







なんとなく、気まずくなってしまって。


というか、私だけ気まずいと思ってしまってて、あれからフェイラルカ様に会っていない。



つまり、中庭には行っていない。


リーリィには、ハテナな顔されたけど会いに行けないんだもん。



だって、私、絶対ひどい顔するし。


所謂、嫉妬した女の顔だ。


フェイラルカ様には見せられない。


とにかく、少し落ち着いたらまた中庭へ行こう。


そう決意を新たにした時。



「あっ、セフィラ」


「ろ、ロランド様」




一番、微妙な人に会ってしまった。


そういうのは失礼だけど、ほら。

この間、台風一過だったし。



「この間、フェイと一緒にいたの見て以来だね」


「ええ。お久しぶりです」


「……」


「……」


「なぁセフィラ。フェイと何かあった?」



的確に良いところをついてくるロランド様。



「なっなにかって何ですか!?」


「いや、それが何かなって思ったんだけど」



まぁ、いいよ、と。


ロランド様はにっこり笑って、私の前へと近付いてきた。



「機嫌がすこぶる悪いんだ。あいつ」


「あいつとは、フェイラルカ様の事ですか?」


「うん。だから、原因は何かなって思って」


「それは……私にはわかりかねますが」




そう言って一礼をし、去ろうとした。


しかし。



「あー……そっか。でも、ごめんね?」



何に謝られたのかわからず、私は首をかしげると。


突然、ロランド様が私を抱きしめてきたのです。



ってぇ!



「ロランド様!? 廊下で何やってるんですか!?」


「だからごめんね。フェイのためだと思って」


「どうしてここでフェイラルカ様の名前が……」


「何をしている」




低い低い声。


今、最も会いづらいと思っていた人の声。


私とロランド様が抱きあっているところに、近付いてくる。


美しいあの人。



そして。


私とロランド様が。


力強くはがされた。



「わっととっ!」


「おっと」



フェイラルカ様は私の手を引き、ロランド様を睨む。


そして、ロランド様は。



「セフィラ、とても良い匂いがしたね」



とんでもなく場違いな事を言っていた。


匂いって……。


その言葉と同時に、フェイラルカ様の手の力が強くなって。



疑問を持つ前に。


私は手を引かれて連れて行かれてしまった。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ