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使用人と憧れ騎士様  作者: omi
番外編 ex.2
23/26

1.団長様の企みとなぞなぞ



「はい、イシュリッシュ様。お土産です」

「ほう。テッセの店の焼き菓子か。どうしたんだ?」

「この間、買って来たんです」

「買って来た? いつも私に土産など買って来ないのに。どういう風の吹きまわしだ?」

「む。いいじゃないですか、なんだって。ほら、美味しいですよこれ」

「あぁ。そういえば使用人達が噂してたね。どっかの騎士がどっかの色ボケ使用人と抱き合って」

「なっ、それ」

「堂々とイチャついてたらしいじゃないか」

「やめてぇえ……!」



その恥ずかしい話、騎士団長様にまで届いてるの!? 城の噂話とは恐ろしい。



「忘れて、その話」

「嫌だね。それよりも、恋人生活。順調みたいで何よりだ」

「……まぁ、これといって喧嘩とかはしていないです」

「それは良かった。別れ話など切り出されないように、気をつける事だね」

「なんですかそれ。嫌味ですか」

「違うよ。真剣に言っているんだ。フェイラルカはね。君の事が大切で大切で仕方がないんだよ」


イシュリッシュ様が笑顔でそう言う。


「だから、切羽詰まった選択をさせないように、気をつけるんだよ」

「……? はい」

「分かってない顔だね」

「切羽詰まった選択が何かは分かりません。ですが」



私がフェイラルカ様を嫌う事などない。私が彼を嫌う時は、きっと彼に別の大切な女性が出来た時だろう。

そうなれば、私は彼を嫌いにならざる得ない。そうしなければ、あの方とお別れする事など出来ないだろうから。



「私はちゃんと好きです」



フェイラルカ様の事が、大切で、大好きなのだ。

私がイシュリッシュ様の目をしっかり見てそう言えば。


「覚悟は充分。さすがセフィラ」


頭をいつも通り、強めに撫でられて。


「お前のそういうところ、私は大好きだ」



イシュリッシュ様は幼馴染みだ。昔からの付き合いだからか、いつも私を子供扱いする。



「だから、もう一度忠告しておくよ」


その目が細められて。


「フェイラルカとはちゃんと話しておくんだよ」


イシュリッシュ様はいつもわからない。なぞなぞみたいな言葉を時々残すんだから。


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