エピローグ
「そういえば、フェイラルカ様の認めてもらいたい人って……結局誰なんです?」
今日はフェイラルカ様の部屋にお邪魔していて、ふと気になった事を聞いてみた。
「今更それを聞くか?」
「え……だって、私がその……」
し、嫉妬してしまった相手だし。
あの時は私は私だと思ったけど、やっぱり気になるし!
「あれは、何と言うか……今のセフィラと昔のセフィラを比べた、って言うのかな」
「え?」
「まぁ、要するに。それ、どっちもセフィラだから」
「えっ……えぇ!?」
「ん。だから、そんな顔しなくて良いから」
フェイラルカ様がそっと人差し指で頬を撫で。
私に優しく笑いかける。
「そんな顔って、私どんな顔してました?」
「ちょっと困った顔。眉間に皺寄ってた」
「う」
ちょっと気になったんだもの。
でも、それも私だなんて思わなかった。
ちらりとフェイラルカ様の顔を見ると、すっと腕を伸ばして。
「だめだな。ずっと、セフィラの事ばかりだ」
「!」
「少し、頭冷やした方が良いな」
「っ私も! フェイラルカ様ばかり! お傍にいて、話して、もっと近付きたくて……そんな事ばかりです!」
勢いよくそう言って、私から抱きつけば、フェイラルカ様が耳元で。
「そっか。じゃあ……まずは、その『様』付けをなくす事から始めるか」
「な!」
そう言って、より一層私を強く抱きしめた。
暖かい腕に抱かれて、そして私は思うのだ。
たとえ、身分が違っても。
この人が受け入れてくれるなら、私はいくらでも彼の腕の中に飛び込んでいくのだろう。
そして、いつでも隣にこの人がいてくれれば何よりも幸せなのだ。
私をほんの少し覚悟を決めて。
「大好きです。……――」
耳元で私が最後に囁いた言葉に、彼は驚いたような顔をして。
次の瞬間には、見た事ないくらいの嬉しそうな顔をしていた。
END
最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
これにてひとまず完結しましたので、誤字とか脱字とか直したいと思っております。
このお話の設定は、前から書きたいなぁと思っていたので自分としては満足できました!(自己満足ですが‥)
また次の作品でお会い出来れば最高に嬉しい限りです。
それでは、本当に最後までありがとうございました。