第1話:気持ち
はじめて書いた小説です。評価などいただけたら光栄です。
春の心地いい風が吹き抜ける夕方の公園に制服姿の人影がふたつ。
「なあ、いつになったら告るんだよ?」
「卒業するまでしねえ!」
俺は夕焼けのせいでオレンジ色に彩られた空を見上げながら悪友であり10年来の親友でもある修也に言った。
「なんで?卒業までって!あと2年もあんだぜ!」
驚いたと言うか呆れたってカンジの顔をして修也は俺をみてきた。
「仕方ねえだろ!あの子が卒業するまで誰とも付き合わない!って言ってんだから・・・」
俺は目を閉じてベンチに寄り掛かった。
「まあ、京一らしいと言えばらしいけどな。」
修也はそう言うと近くにあった石を池に投げた。
ポチャン
「そろそろ帰ろうぜ!腹減ってきた。」
俺は立ち上がって歩きだした。
「そうするかあ!俺も腹減ってきた。」
修也も立ち上がって歩いてくる。
「まあ、焦らずにいけばいいんじゃね?」
いつもの別れ道の手前に来た所で修也が言ってきた。
「別に焦ってないから!」
修也の言いたい事がわかった俺は笑いながら言って返した。
しばらく修也と話したあと家に向かって歩き始めた俺は、いつのまにか空に星が輝いているのに気付いた。
「星きれいだな・・・あの子も星見んの好きなんだよな・・・」
俺はしばらく立ち止まって星空を眺めて家に帰った。