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灰色  作者: 8969
6/6

= 灰色 =

■灰色



『ねぇケンちゃん、なんで神様は人間を作る時に、男と女の2種類しか作らなかったんだと思う?


本当に神様は男と女の2種類だけしか作らなかったのかな?


ワタシね、色んな色があるように、人間も皆違うと思うんだ。


大きく分けると男と女で白と黒の2色だけど、きっと皆色んな色を持って生まれるんだと思う。


ワタシ達みたいなのは白と黒をまぜた灰色ってとこかな!?』


きっと彼女の心の中には男として生まれた自分はいるのだろう。


『そうだね、俺の中にも女々しい自分がいるからきっと俺も白でも黒でもないよ。』


空港に向かう途中二人で笑いながら話した。


男と女、そしてナミのような性同一性障害の人、日本ではまだまだ認知度は低いが、


海外の国では男同士や女同士の結婚が認められている国もある。


『性転換手術をして戸籍を男から女に変更したら結婚は出来るけど子供は作れないんだよね、


いくら愛し合った二人でも男同士や女同士では子供は作れないんだよ、おかしいよね?』


ナミの言ってる事は正しい疑問だ。


男と女なら二人の間に愛が無くても子供は作れてしまう。


愛が無く出来てしまった子供の多くは人工妊娠中絶によりこの世に生まれる事は無い。


考えて見るととても理不尽な事である。


『神様にもきっと欠点があったのかもしれないね!』


彼女はそう笑っていたが、きっとこの先、戸籍が変更されても子供の事で悩み苦しむかもしれない。


『ワタシは好になった人に好きって言えるまでに凄く時間がかかったし、


好きになった人と普通のカップルみたいに街を手を繋いでデートするまでにはもっと時間がかかった、


さらに結婚するのには法律まで関わってきて凄く難しい事なんだよね。』


僕は彼女のこの言葉を一生忘れない。


ごく当たり前の事がごく当たり前に出来る事がどれだけ幸せな事かを。




~ END ~


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