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灰色  作者: 8969
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= 告白 2 =

■告白2



僕は彼女が煎れてくれたコーヒーを全部飲む前に寝てしまっていた。


目が覚めると僕はベッドに寝ていた。


隣には彼女が寄り添うように寝ていた。


僕は目が覚めた時に隣に好きな人が一緒にいる事をこんなに幸せに感じた事はなかった。


僕が起きるとすぐに彼女も目を覚ました。


『おはよう。』


幸せを噛締める様にキスをした。


『ケンちゃん、シャワー浴びてきなよ、昨日はいっぱい汗かいたし』


『ごめん、、俺汗臭かった?』


『大丈夫、きっとワタシも臭いから、だから先にシャワー浴びてきて!


その後でワタシもシャワー浴びるから』


彼女は笑いながらそう言ってバスルームに案内してくれた。


僕がシャワーから上がるとそこにはバスタオルと新しい下着、


Tシャツとスェットが畳んで置かれていた。


彼女は僕よりも少し身長が高い、そして細身の僕の体は彼女の女物のTシャツとスウェットが


ちょうどいいサイズで着れた。


僕はそれを着てリビングへと行くと彼女はコーヒーを煎れて待っていてくれた。


『やっぱり着れた!』


そう彼女は笑っていたが僕はちょっと照れ臭かった。


『でもデザインも女物だし、、それより下着買って来てくれたの?』


『うん、目の前のコンビニで!朝ごはんも買ってきたからワタシがシャワー浴びてる間に食べてて!』


『ありがとう!後でお金払うね』


『いいよ、昨日のタクシー代って事で!、それよりシャワー浴びてる時覗かないでね!』


そう言って彼女はバスルームへ行ってしまった。


彼女がシャワーを浴びている間、僕はコーヒーだけを飲み、


朝ごはんは彼女が戻ってくるまで手をつけずにいた。


あらためて部屋を見渡すと広く、整理整頓されたきれいな部屋だった。


すぐ近くのバスルームにいるのに彼女を待っている時間が凄く長く感じた。


『先食べててっていったのに』


彼女がリビングに戻ってきた時はしっかりと化粧もされていた。


『せっかく一緒にいれるんだから一緒にごはんも食べようよ』


『ケンちゃんて優しいんだね。。』


そう言いながら彼女がうつむいたのに僕は気がつかなかった。


僕達は普通のカップルのようにリビングでコンビニのサンドウィッチを食べた。


『なんかさ、こうやってごく当たり前のように一緒にごはん食べてるけど、俺今凄く幸せだよ。


ナミと一緒にいると何もかもが幸せに思えるんだ。』


僕は素直な気持ちを伝えた。


きっと笑って『ありがとう』と言ってくれると思っていたのだが、彼女は下を向いて泣いていた。


『ごく当たり前のように…か…』


彼女が泣きながら呟いた。


『どうしたんだよ?なんで泣いてるの?嬉し泣き?』


僕は少し慌てながら彼女に聞いた。


『ワタシも泣いちゃうぐらい幸せだよ…でも…それ以上に辛いよ…』


彼女の様子はあきらかにおかしかった。


『何で?何で辛いの?俺何かナミの事傷つけちゃったかな?』


『うううん…ケンちゃんは何も悪くないの…でももう会うのはやめよう…』


『何言ってるんだよ?ナミの言ってる事がよくわからないよ。昨日好きだって言ってくれたじゃん。』


『ケンちゃんの事は本当に好きだよ。本気で好きになっちゃったから辛いの…』


僕はどうしていいかわからなかった。


ただ彼女が泣き止むのを待つしかなかった。


広い部屋に彼女がすすり泣く声だけが響いた。


しばらくして彼女が少し落ち着いたようだったので僕から切り出した。


『なぁ、どういう事か説明してよ。もし今話すのが辛かったら今日じゃなくてもいいから』


彼女は首を振って僕のほうを見た。


『ケンちゃんはきっと、ワタシの事を知ったらいなくなっちゃうから…


本当のワタシを知ったら好きじゃなくなっちゃうから…』


『なんでナミの事を知ったらナミの事嫌いになるんだよ?


知れば知るほどもっと好きになるに決まってるじゃん』


何も知らない僕は素直にそう思った。


『ずっと内緒にしておけたらこうやってごく当たり前の幸せを感じれるのに…


でもケンちゃんがいい人だからワタシ嘘つきたくなくて…』


『俺、何でも受け入れようと思ってるよ。だから話してよ。』


僕の頭は混乱するばかりだった。


それでも、


彼女にどんな過去があろうと、今がどんな状況であろうと僕は全てを受け入れる気持ちだった。


僕は彼女を強く抱きしめた。


すると彼女は声にならないような声で僕の耳元で囁いた。


『ワタシね…女じゃないの…』

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