熊が出た そのに
東北の一軒家に雪囲いをしてきました。
ニュースに出た熊は「死んでいた」とのことで、ひと安心。
情報をもたらしてくれた近所の大叔母レベル80↑の曰く
「ウチにも出だのす」と。
驚きましたが、もういなくなったことですし。
そう思ってのんびり聞いていたところ。
「庭にある柿の木に登ってだのす」
まさかの遭遇情報にふりさけ見ればもっさりと。
木の枝が座布団状に折り畳まれておりまして。
俗に言うクマ棚ですよね、あれ。まさか実物を拝めるものとは思わなんだ。
でもま、いなくなったんだし。
それは気楽に話せますよね、お互いに。
「通報もしたんだどもね、被害無いせいか後回しになってるみたい」
小さな違和感あったんですよ、この頃には。
しかし私も東北弁ネイティブでは無いですし、ニュアンス的なところかと。
ともかく後回しにされたにせよ、駆除なり何なりあったんですよねと。
「こないだの熊はあれ、山から下りて来だんだども。この熊はたぶんウチの下にいんのでねがな」
ちょいちょいちょいちょい。
「あすこの崖の下にね、横穴開いでるの。熊冬眠する穴なのね」
いやいやいやいや。
「ツキノワは人襲わねって聞いてだし、今まで実害無がったからほっどいたげども……言わねかっだっけ?」
聞いてないです(真顔)
「だから通報したんだども、なかなか来てくれねぇのす」
まさかのオチが待っていた。




