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第1日 異世界転生したら始めに何をしますか?

拙い文章ですが温かな目で見てください。

不定期更新です。

「お…おい!どこだよここ!」

「城の感じが中世っぽいな!いやなんでだよ!」

「知るか!」

「お前に聞いてねぇよ!」

「やだやだ…帰りたい…」

「「「激しく同意」」」


混乱の中からこんにちは。この度クラス転移に巻き込まれました滝壺第一中3-2在籍の九堂隆一です。

個人情報?こんな中で情報もクソもねぇだろ。

最初に言葉を発した奴が深山。陽キャ。

それに乗ってギャグを飛ばしたのが片桐。

陽キャ共の中で心情を代弁してくれたのが神田。


まずは状況を整理しよう。


一分前までは確かに僕ら3-2は現実にいたはずだ。

次の時間の国語に漢字テストがあることが唐突に明かされて阿鼻叫喚の嵐だった…今とそう変わんないな。

ともかく、僕は教科書を開いて勉強しようとした。

そっから先は記憶が飛んでるな。

邸宅…というより王宮の大広間といった雰囲気だ。ここで食事会でもすりゃさぞ楽しかろうな。

全体を見てみると、壁には絵画がかけられ足元の毛深い絨毯に覆われるように魔法陣が書かれている。

大きな扉が少し遠くに有るがこれがデスゲームだったら確実に罠なのでアナウンスが来るまでは開けない。


結論:今何が起こってるの?


まぁこの状況でなろう民が言うことは一つしか無いよなぁ!

さぁ息吸って!大きな声で!みなさんも一緒に!


「ステータスオープン!」

「「「…」」」


…静かになるのやめてもらえません?

あと何か開けよ。半透明の地味に青いやつ希望。


「プロパティ。ステータス。status. 能力表。 偏差値。IQ. 」


すみませんナマ言いました!頼む何でも良いから開いてくれ!

恥ずかしさで死にそうだ!


俺が苦しみに悶えていると、目の前の扉が開けられる。

騎士らしき人物が周りを護衛しこちらに堂々と歩いてくるその人物こそ!

王様!…だと思う。


王様(仮)の一団は僕らの目の前まで来ると、王様だけが少し前に出てくる。


『諸君、突然呼び出してすまない。』


そこ俺の目の前ぇぇ!


『単刀直入に述べる。今、我が国は危機に瀕している。』


「ア,ハイ」

なんとなく後ろのクラスメイトが俺から離れたような気がするのは気の所為だと思いたい。


『長年に渡る戦いで兵も減り、国民は飢饉に喘いでいる。こんな現実を変えるには、諸君の力が必要だったのだ。』


そこまで言い終わると、王様は突然頭を下げる。

背後の騎士らがどよめいたのを見るとこれは台本に無い事なんだろう。


『どうか…どうか…我が国を救ってくれ…!』


物語の始まりとしては完璧な導入。突然クラスで異世界に転移し、王様が己のプライドを犠牲にして僕らに助けを乞う。

その心意気に感動し、僕達は魔王討伐へと向かう。

実際後ろのクラスメイト達の心は既に王国側に傾いていそう。でも何だろう。違和感が拭えない。

いや、不信感と言うのか。

まず王様が結構太っt…いや随分と体格がよろしい。

どんなに素敵な筋書きを用意しても、役者が役を作れなければ意味はないだろ?

頬を痩けさせろとは言わないが、ブクブクと太った状態で言われても説得力がない。

鎧も随分と新しい様で、傷一つなくキラキラと光輝いている。

鎧ってのは手入れさえすれば結構保つんだ。物資が足りないのに鎧を優先するか?

その鉄で攻城兵器作ったほうが役立つだろ。


極めつけにこの怪しい高揚感。ヤクでも焚かれてるんですかね?

思考が纏まらない。奴等がどうにもなっていないところを見ると魔法の類か。

だから何だ!自分を保て俺!


<Resist! 隆一は催眠の霧を振り払いました。>


思考がやっと纏まった。違和感なんてレベルじゃない、明らかにこいつらは全員敵だ。

だがここで叫んでも我が親愛なるクラスメイト(状態異常:催眠)には聞く耳を持ってもらえないだろう。

あいにく本職の騎士に反乱を起こして助かると思えるほどお花畑にはなってない。

既にヤク漬けかもしれないけど!ハハっ!


とにかく、開けた場所まで出よう。話はそれからだ。


『…であるから、諸君にはまず魔術師の塔でスキル検査を受けてもらう。』


魔術師の塔。スキル。そんな通常では聞かないような単語が出てきても先ほどの様な嬉しさは無い。

空回りだと言われても、神経症に思えても、もうこの場所は平和な日本では無いのだから。

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