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第七話:使者からの啓示

ぜ ん か い ま で の あ ら す じ

守護神を倒すところを王国第一騎士リュカスに王国に来ないかと誘われるが

エリオスはネクロスから「断るように」といわれてしまう

町までもう少しだ!がんばれエリオス!

森の夜、焚き火の暖かい光が揺れる中、エリオスたちは疲れを癒すため休息を取っていた。静寂を包む星明かりが、木々の間からこぼれ落ちている。


「今日はよく歩いたな……明日はこの森を抜けられるかもしれない」


エリオスが火を見つめながら呟く。しゅうは彼の足元で丸くなって眠り、コトネもその姿を見ながら笑顔を浮かべていた。


「しゅうも疲れてるね。でも、エリオスのそばで安心してるんだろうな」


「そうだな。いつも俺たちを守ってくれてるからな。……お前も今日はよく頑張ったよ」


コトネは少し照れながら微笑んだ。


「ありがと。でも……私ももっと強くならないとね。エリオスみたいに戦えなくても、せめて支えになりたいから」


彼女はそう言いながら、自分の手をじっと見つめる。その掌が一瞬だけ淡く光るのに気づき、思わず驚いた表情を浮かべた。


「……なんだろう、この感覚」


エリオスはその光に気づき、問いかける。


「何か感じるのか?」


「うん……時々こうして光るんだ。でも、どう使えばいいのか全然分からないの」


「コトネ、それってお前の力なんじゃないか?ちゃんと制御できれば、きっと役に立つ」


エリオスの言葉にコトネはうなずきながらも、まだどこか不安げな様子を見せていた。


そんな会話の最中、しゅうの体が突然淡い光に包まれ始めた。


「……な、なんだ!?」


エリオスが声を上げる。光が徐々に強くなり、しゅうの体が変化していく。


白い毛並みが薄れていき、代わりに人の肌が現れ、体の輪郭が明確に変わっていく。光が収まると、そこには一人の少女が立っていた。


「……えっ、しゅう……なの?」


コトネが呆然と呟く。エリオスも驚いた表情を浮かべたまま立ち尽くしている。


少女は柔らかなダークブラウンの髪を肩まで垂らし、金色の瞳で優しく微笑んでいた。その姿は神秘的で、どこか懐かしさを感じさせるものだった。


「……うん、私だよ。エリオス、コトネ。ずっと一緒にいた“しゅう”」


しゅうは焚き火のそばに腰を下ろし、静かに語り始めた。


「本当の私は神の使者。エリオスに大切な使命を伝えるために、この世界に遣わされたの」


「使命って……なんだ?」


エリオスが慎重に問いかけると、しゅうは真剣な表情で彼を見つめた。


「この世界には、滅びが近づいている。その“真の滅び”を防ぐためには、滅びの力を持つあなたが必要なの。そして、コトネ……あなたの中にある光も大きな鍵になる」


「私の光……?」


コトネが戸惑いながら呟くと、しゅうは優しく微笑んだ。


「そうだよ。あなたの光は、エリオスの滅びの力を支えるためのもの。二人が力を合わせれば、この世界を救うことができる」


「滅びを救う力に……か」


エリオスは右手の紋章を見つめながら考え込む。その表情には迷いと覚悟が混ざり合っていた。


ふと、エリオスはしゅうの服装に気づき、慌てたように目をそらした。


「えっと……その……お前、その格好はどうにかならないのか?」


しゅうは自分の薄い衣に目をやり、少し頬を赤らめた。


「あ……ごめんね。これしか着てなくて……」


エリオスは自分の外套を脱ぎ、しゅうに差し出した。


「これを着ろ。寒いだろうし、そっちの方が落ち着くだろ」


「ありがとう、エリオス!」


しゅうは外套を羽織り、その柔らかい布地に顔を埋めるようにした。その仕草にエリオスは少しだけ照れくさそうに目をそらす。


コトネはそのやり取りを見て、微笑ましいような、少し複雑そうな表情を浮かべた。


しゅうは真剣な表情で二人に向き直る。


「私はもう犬の姿に戻ることはない。このまま人間として、あなたたちと一緒に旅を続けたい」


「……本当にそれでいいのか?」


エリオスが問いかけると、しゅうはしっかりと頷いた。


「うん。神様にお願いしたの。“エリオスとコトネの力になりたい”って。そしたら……こうして人間のままでいられるようになったの」


「そっか……じゃあこれからも頼むよ、しゅう」


エリオスが優しく微笑むと、しゅうは嬉しそうに頷いた。


「もちろん!私、エリオスとコトネのために頑張るよ!」


コトネもその言葉に微笑み、手を差し出した。


「じゃあ、これからは三人で頑張ろうね」


しゅうがその手を握り返し、三人の絆が深まる。焚き火の光がその姿を優しく包み込み、森の夜が静かに更けていくのだった――。

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