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第十一話:戦闘!盗賊団本拠地

前回までの あ ら す じ

盗賊の見張り台の人たちを奇襲し撃破に成功!

確実に強くなっているぞ!

しかし…もっと強い敵が…

翌朝、エリオスたちがギルドに顔を出すと、受付の女性がすぐに声をかけてきた。


「おはようございます。昨日の調査のおかげで、盗賊の本拠地に関する情報がまとまりました。この地図を基に、新しい依頼をお願いしたいのですが……」


彼女は小さな巻物を広げ、簡素な地図を指差した。そこには洞窟の位置と、周辺地形が詳細に記されている。


「盗賊の本拠地とされる場所です。この調査が成功すれば、被害に遭った商人たちの救済につながります。ただし、危険度は高いので、他の冒険者と組むことも検討してください」


エリオスは地図をじっと見つめ、少し考え込んだ。


「……分かりました。俺たちだけでできる範囲を見極め、無理だと判断すれば引き返します」


「気をつけてください。報酬は銀貨20枚をご用意します」


「銀貨20枚……成功すれば、一気に余裕ができるね!」


しゅうが嬉しそうに笑うが、コトネは不安げに眉をひそめた。


「でも、20枚ってことは、それだけ危険ってことだよね?」


「確かに。だからこそ、準備は入念にしておかないといけない」


エリオスは二人に視線を向け、静かに指示を出した。


「しゅうは魔法の練習とマナの節約方法を考えておけ。コトネは回復魔法を中心に、連続使用を想定して準備だ。俺は剣の手入れと新しいソードスキルの練習をしておく」


「了解!絶対成功させるから!」


「……分かった。エリオスの指示に従うね」


三人はギルドの訓練場に足を運び、それぞれの訓練に集中した。


エリオス

「ヴァンガード・スラッシュ……もっと速く、もっと正確に!」

剣士から学んだ技を反復練習し、さらに滑らかな動きを追求する。


しゅう

「燃え広がれ、紅蓮の床よ。炎の罠となり、敵を捉えよ!!フレイム・ブレイズ!」

しゅうは炎の床を作り出し、効果範囲や持続時間を調整する練習をしていた。


コトネ

「生命を照らす輝きよ、穢れを払い、希望を取り戻せ――ヒール!」

コトネは回復魔法を連続して発動し、疲労感に耐えながらも集中力を高めていた。


「みんな、確実に強くなってる。これなら、盗賊の本拠地にも挑めそうだな」


エリオスは剣を収め、二人の努力を確認しながらそう呟いた。


その夜、三人は月の宿で最後の準備を整えた。


「明日からは、きっともっと大変な戦いになるよね」


コトネが小声で呟く。しゅうは笑顔で彼女の肩を軽く叩いた。


「でも、私たちなら大丈夫!エリオスもいるし、今までだって乗り越えてきたでしょ?」


「……そうだね。信じていこう」


エリオスは静かに窓の外を見つめ、明るい月の光を浴びながら剣を磨いていた。


「今回の戦いは、ただの盗賊退治じゃない。俺たちの力を試す、ひとつの試練だ。……やるぞ」


翌朝、三人はギルドの地図を手に森を進み、洞窟へと向かっていった。


エリオスたちは盗賊の本拠地とされる洞窟の前に到着した。洞窟の入り口には、簡素な木製の柵が設けられ、その周囲に三人の盗賊が立っている。


一人は長剣を腰に下げ、体格の良さが目立つ男。もう一人は短剣を両手に構えた軽装の男。最後の一人は弓を構えて、周囲を見張っている。


「……見張りが三人いる。武器の種類を見ても、それぞれ役割が違いそうだ」


エリオスは小声で二人に作戦を伝える。


「俺が前に出て長剣の男を引きつける。コトネは光魔法で弓使いの視界を奪え。しゅうは短剣の男を狙って動きを止めるんだ」


「分かった!」

「任せて!」


エリオスが剣を抜き、茂みから飛び出した瞬間、盗賊たちの視線が集まる。


「なんだ、こいつは!」


長剣の男が声を上げて構えを取るが、エリオスの剣が真っ直ぐに突き進む。


「ヴァンガード・スラッシュ!」


剣に淡い光が宿り、勢いを増した斬撃が長剣の男に迫る。彼は防御しようと剣を振り上げるが、エリオスの一撃は彼の剣を弾き、バランスを崩させた。


「ぐっ……!こいつ、ただの冒険者じゃないぞ!」


その隙を見て、コトネが杖を掲げ、詠唱を始める。


「光よ、闇を裂け、我が道を照らせ!ライト・フラッシュ!」


閃光が弓使いの男の目を直撃し、彼は思わず手に持った弓を落とす。


「なんだ!?目が見えない!」


その間に、しゅうが軽快に動き、短剣を構えた男に火球を放つ。


「燃えろ、炎の弾よ!ブレイズ・ショット!」


火球が男の右腕を直撃し、短剣が地面に落ちる。


「熱っ……この小娘!」


男が怒りをあらわにしながら近づいてくるが、しゅうは笑みを浮かべながら次の魔法の詠唱を始めた。


「熱の波よ、我が意に応え、押し寄せよ!ヒート・ウェーブ!」


周囲の空気が歪むような熱風が短剣の男を押し返し、彼の足元がふらつく。


「お前ら、やりやがったな!」


長剣の男がバランスを取り戻し、再びエリオスに襲いかかる。彼の剣が勢いよく振り下ろされるが、エリオスは冷静にそれを避け、逆に間合いを詰める。


「お前の剣筋は単調すぎる!」


エリオスは剣を横に振り、男の剣を弾き飛ばした。そのまま剣を突き出し、相手の肩を浅く斬る。


「ぐあっ!」


長剣の男は膝をつき、戦意を喪失したように剣を落とす。


弓使いの男は、視界を取り戻そうと必死に顔を擦っているが、その間にコトネが再び詠唱を始める。


「光の盾よ、守護の力を与えよ!ライト・シールド!」


光の壁が弓使いの動きを妨げるように現れる。その隙にしゅうが前進し、炎を纏った火花を指先から放つ。


「これで終わり!ファイア・スパーク!」


小さな炎が弓使いの服に引火し、彼は慌てて地面に転がる。


「やめろ!降参だ!」


三人の盗賊が全員無力化され、エリオスたちは周囲の安全を確認する。


「みんな、大丈夫?」


コトネが息を整えながら声をかけると、しゅうが元気よく手を挙げた。


「うん!今回はちゃんと活躍できたでしょ?」


「そうだな。お前たちのおかげで楽に片付いた」


エリオスは二人に感謝の言葉を送りながら、倒れた盗賊たちを縛り上げる。


「これで洞窟の中に進める。だが、気を抜くな。奥にはもっと手強い相手がいるはずだ」


洞窟の入口を突破したエリオスたちは、暗く湿った空間を進んでいた。奥へ行くほどに空気が重くなり、地面には無数の足跡が残されている。


「……ここ、ただの盗賊の巣じゃない気がする」


しゅうが周囲を見回しながら呟く。コトネも杖を強く握りしめ、警戒の色を見せていた。


「確かに、この空気の感じ……普通じゃない。何か、とても嫌な気配がするよ」


エリオスは剣を抜き、鋭い目で周囲を見渡した。


「ここはただの盗賊の本拠地じゃない。この先にいるのは、盗賊団を操っている黒幕かもしれないな」


洞窟の奥に進むと、広々とした大空間に出た。その中心には、巨大な石の柱がいくつもそびえ立ち、不気味な雰囲気を漂わせている。そして、その柱の間に一人の男が立っていた。


「よくここまで来たな、冒険者ども」


男は厚い鎧を身にまとい、全身が大地そのもののように堅固な姿をしていた。背後には、岩でできた巨大な精霊が静かに佇んでいる。


「お前は誰だ!」


エリオスが剣を構えながら叫ぶと、男は不敵な笑みを浮かべた。


「俺の名はグラウンド・ブレイカー。“ダークエレメンタル・シンジゲート”の八幹部の一人だ」


「ダークエレメンタル・シンジゲート……!?」


コトネが驚きの声を上げる。


「そうだ。盗賊どもを使って資金を集め、この地域全体を掌握する計画だったが……邪魔をしてくれたな。だが、この先は通さない。お前たちの骨を、ここに埋めてやろう」


グラウンド・ブレイカーが腕を上げると、その背後の巨大な精霊が動き出した。


「こいつが精霊!?でかすぎる……!」


しゅうが声を上げるが、エリオスは剣を構え直しながら指示を飛ばす。


「コトネ、支援を頼む!しゅう、奴の動きを止められるか試してくれ!」


「分かった!ブレイズ・ショット!」


しゅうが火球を放つが、大地の精霊はその攻撃をものともせずに進む。


「効いてない!?こいつ、どうなってるの!?」


「当然だ。岩そのものの体を持つ精霊に、そんな小細工が通用するか!」


グラウンド・ブレイカーが嘲笑しながら、地面に拳を叩きつける。その瞬間、大地が割れ、鋭い岩の柱がエリオスたちに迫る。


「くっ……避けろ!」


エリオスが叫び、三人はそれぞれ別方向に飛び退く。


グラウンド・ブレイカーの背後に控える巨大な大地の精霊が拳を振り上げ、地響きを伴う一撃を放つ。


「くっ……!防ぎきれない!」


エリオスが叫びながら剣を構えるが、その衝撃は地面を抉り、エリオスたちは吹き飛ばされた。


「うわぁっ!」

「エリオス、大丈夫!?」


コトネが杖を抱えながら駆け寄る。しゅうも立ち上がり、焦りの表情を浮かべていた。


「この巨体に、炎も光もほとんど効かないなんて……どうするの!?」


「このままじゃ……!」


グラウンド・ブレイカーが冷たい笑みを浮かべながら地面を叩くと、鋭い岩の柱が三人に向かって突き上がる。


「逃がさない。ここで終わりだ!」


「光よ、守護の盾となれ!ライト・シールド!」


コトネが光の壁を生成して防ぐが、衝撃に耐えきれず崩れてしまう。


「灼熱の球体よ、我が力を乗せ、敵を焼き尽くせ。飛べ、紅蓮の閃光よ!ファイア・ボルト!」


しゅうが中級魔法を放つが、精霊の体は微動だにしない。


「だめだ、全然効いてない!」


エリオスは剣を握りしめ、険しい表情で周囲を見渡す。


「……普通の手段じゃ、この相手には勝てない」


「エリオス、まさか……」


コトネが驚いた声を上げる。エリオスの手には剣とは別に、黒い光を帯びた紋章が浮かび上がっていた。


「ネクロスの力を使うんだね……でも、それって……!」


「分かってる。この力を使えば周囲に影響が出るかもしれない。でも、ここで負ければ俺たちだけじゃなく、多くの人が危険にさらされる」


しゅうも息を飲みながらエリオスを見つめる。


「エリオスが決めたなら、私たちもついていく!」


「……すまない。少しだけ、下がっていてくれ」


エリオスは目を閉じ、静かに紋章に意識を集中する。


「滅びの精霊よ、我が名に応え、その力を貸してくれ――ネクロス、来い!」

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