第六話 突然の災難
船で数十分程度進んでいると、船が一瞬揺れた。
「なんだ!?止まったぞ!」
アルドが慌てて船の下を見た。
「凍ってる!?」
他の船員たちも覗きに行く。
僕も海を眺めていたとき、視界の左側から海がどんどんと凍っていった。
「な..!これは..」
「十中八九厄災の力だろうな。吹雪の厄災とでもゆうべきか」
「凍ってるなら俺が燃やせるけど..」
そう言ってワイムは炎の弾を飛ばした。
「溶けてはいるが、これじゃキリがないな」
「船の砲弾を使えば!」
と自信たっぷりにいい、イレイグは砲弾を思いっきり海に投げた。
思った通り、広範囲の氷が割れた。
すると、突然凍っている海の中から...
ドーーンッ!
とても大きい氷の弾が船に向かって飛び出てきた。
船の砲台の上にドシーン!と乗ってきて、船を少し傾かせた。
「なんだ!?急に氷が!だがこれくらい..」
アルドは持っているサーベルで氷の弾を真っ二つにし船から下ろした。
僕はじっくりと海を見渡し氷の厄災の核を探しているが、いっこうに見つからない。
すぐに次の攻撃がやってくる。
また海の中から氷のつららのようなトゲトゲしたものを大量に撃ってきた。
「メイア!」
「分かってるよ」
半球体のバリアを出し、僕たちから守ってくれた。
そうすると、もう一方からもつららが出てきた。
「守れるのは一方向だけなんだけど!?」
(もしかして海底か?いやでも...。)
なんとかして吹雪の厄災を倒さないと!
と思い必死に考えた。
(まさか...僕達が今乗ってる船の下に引っ付いているのか?
確かに、上で一方的に攻撃をすれば船の下にはまず行かない...そうかもしれない)
すかさずみんなに言った。
「もしかしたら、船の下かもしれない!誰か一人来てくれ!」
一番にイレイグが名乗り出たので、一緒に行った。
「剥がしてくれ。イレイグ」
「おう」
そうして剥がすと読み通り氷の層で囲まれた核が出てきた。
「うおぉー!」
イレイグが割ってくれたのですぐに核を壊すことができた。
そして、周りの氷は消え去っていった。
「いやぁ、結構強くなかったか?」
「まあ確かに」
「倒したぞー!」
みんなが話している(自分も)最中、ずっと船の下をあけていたせいで、
船は段々と沈んでいった。