第一話 厄災との遭遇
ザッ...ザザッ... 「厄...行..け....」
今日も謎の声と共に、とてつもない頭痛がやってくる。
「毎日毎日、痛みが増すばかり。ほんとどうすればいいんだよ...」
ベッドの中でうずくまるフェールは、謎の声と頭痛に悩んでいた。
今日はフェールと妹が中学校の入学式に行く日であり、今はとっくに登校時刻を過ぎている。
「お兄ちゃん!もう九時なんだけどー!」
「え...目覚まし時計は..?」
「なった瞬間ぶっ叩いてたけど」
「!?」
あたふたしながら急いで学校に向かった。
「「すみません!!先生!」」
「今、何時だと思ってる..」
「「....10時」」
「もう式終わってるんd..「「すみません」」
「謝ればいいんじゃないんだよ!しかも棒読みだし」
「今日はもう帰るんだな」
校門での出来事の後すぐに帰らされた。
ー数分後ー
「悪かったって。今度チーズケーキ買ってやるから」
「...許す」
「登下校こんな遠いなんて...」
「しょうがないでしょ。私たち特別だから、人里離れたところじゃないと」
僕らは普通の人とは違い、神の核という心臓の役割を担っているものを
持っている。人間がそれを有していると神と厄災の魂の炎が見れる信仰者
と同等の効果が出る。一族全員それを持っている
のだが、
自分だけそれを持っていなかった。その上、魂の炎が見えるため、僕は
いわゆる信仰者だった。
少し億劫だが、その後も歩いていた。
綺麗な草原の中、背後に異様な敵の気配を感じる。
「メアリー、逃げろ」
「え、でも厄災ぐらいなら...」
「厄災はだいたいは弱い...僕達でも倒せるぐらいに。
でも、こいつは違う」
泥状の一つ眼の厄災は、地面に吸われるように消えた。
メアリーの方を振り返ると、
「メアリー!」
「なんで当たらないのよっ!」
厄災はメアリーを捕まえていた。