第十六話 王の説得
やっぱり、数日は開けそうです……
すいません。
「姉さま……。
イネッセは、大丈夫でしょうか……。
奴隷には、なってはいないでしょうか…。」
奴隷から解放するには色々な手続きが必要不可欠だ。
周辺諸国は奴隷を禁止している国が少ないがために、私たちも簡単には自国の問題とはできないのだ。
だが、その分奴隷にするにも手続きが必要だ。
そのおかげで色々と助かっている部分もある。
……奴隷にされた自国の民を助けたり、そういう事に、ね。
「おそらく、ですが、アマイラ様。
奴隷用の手続きに検問をつけてもらえれば、イネッセ様のそれは防げるのではないか、と。」
アマイラの近くに控えていた侍女がそう言う。
そう。彼女の言う通りなのだが……。
「周辺諸国へとこの情報を渡して良いものか……。」
フォレスト王国が揺らいでいると悟られたくない今、情報を渡す事で、何か変化があると困るのだ。
「……ひとまず、お父様に連絡した方がいいかな。」
「…! え、ええ。そうですわね、お姉さま。
私としたことが、忘れる所でしたわ。」
アマイラが、慌てたように返してくる。
もう、本当に家族のこととなるとこうなってしまうのだから、この子は。
まぁ、節度は弁えているから女王としては大丈夫でしょう。
♢
王の書斎にて。
「イネッセが、か。」
ここまで来た経緯を詳しく話すと、険しい顔をする。
「やはり、周辺諸国へ情報を渡すのは危険でしょうか……。」
アマイラが不安そうにそう言う。
「ああ、そういうことになりそうだ。」
父が、重々しく告げる。
………やっぱり、ね。
そして、アマイラなら。
「私たちに、解決させていただいてもよろしいでしょうか。」
そう言うと思ったわ。
「だが……。」
援護しましょうか。
「……現場を目撃した侍女も、わたしの侍女ですし、わたしたちの方が何かと都合がいいかと思われます、国王陛下。」
「…………。」
私たち双子の説得に。
「……わかった。お前たちに任せよう。」
父は、折れたのだった。
すいません、しばらく新作(二作)に時間を割くことになりそうです。
ぼちぼち投稿していきますので、よろしくお願いいたします。
また、なにかおかしな点がございましたら、遠慮なくコメント等をお願いいたします。
(2022年9月16日・追記)