第九話 シスコンな弟、ヘイダーとの再会
ここから一週間に最低三話くらいのペースで投稿していこうかと思います。
まぁ、ここから二話くらいは筆(手?)が乗って毎日投稿のような形になるかと思いますが……。
何卒よろしくお願いいたします。
「アマイラねぇ様!!」
ヘイダーは私の隣に立つアマイラを見つけるなり、嬉しそうに駆け寄ってくる。
シスコンでアマイラ、自身の母・第四王妃、私達の母・第三王妃、第四王女しか好かない銀髪碧眼の美少年。
それが、ヘイダーだ。
まぁ、そうなったのにはそれ相応の理由があるのだけど。
そこは一旦置いといて、いまの現状をどうにかしようかな。
「ヘイダー! どうして此処に?」
「ねぇ様が来ていると知って!!」
「……。」
どこぞのカップルのようなことを言い合うヘイダーとアマイラ。
私は無言で、抱き合うヘイダーとアマイラに近づき、ベリっと引か剥がす。
「………もう時間よ。そこまでにしておきなさい。」
「何だよ。じゃまするな。」
チッ。やっぱり思った通りか。
こいつは己の好きな人の言う事しか聞かない。
私はどうにかしてアマイラからこいつを引き剥がさないといけないのだが、私の言うことを聞かないため、アマイラに任せるしかなくなってしまうのだ。
しかもアマイラは優しいから無理には引き剥がせないでしょうし。
しょうがない、ここは第二プランに―――
「ねぇ、泊まっていくんでしょう? ねぇ様。」
移行するか。うん。そうしようそうしよう。
アマイラがこちらへと助けを求める視線を向けてくる。
が。
ごめんなさい。
「……ええ。
スケジュールもそのために調節してあるし、泊まっていけるわよ、アマイラ。」
「お姉さま!? どういうことですか!?」
ごめんなさい、アマイラ……。
そんな驚いた顔で見られても、私にはどうすることもできないのよ。
「……。わーい!!」
オイ、今ちょっと間があったな?
私がいったからちょっとムッとしたな?
いいだろ、別にそれくらい。
「じゃあねぇ様、ついてきて!!」
「え? え? え? ええ?」
アマイラが「え」しか言わなくなっちゃったけど……ヘイダーがどうにかするでしょう。
私は……っと。
「……すみません、イングザイディ様。
泊まることになりそうです……。申し訳ございません、うちの親族が……」
「……え……。
……いえ、でもいいのですか?」
「……仕事の方は特には。」
私は、イングザイディ様のつぶやきを―――言い訳をすると、第二プランのことを考えたりしていたから―――聞いていなかった。
「……父は今日、戻らない予定のなですが……。」
というつぶやきを。
私は考えもしなかった。
―――……ここからが真の難関であったことを。