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神の怠惰な日常〜めんどくさがりの神が本気を出す時〜  作者: おまめあずき
第一章 私達の王位継承争いの始まり
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プロローグ

新連載です!



―――とある世界の、とある星。

その、とある場所でのこと。


その場所は白い石でできており、たくさんの者が慌ただしく動いていた。

そこに、幼さが残る声が響く。

「いい加減起きてください!!」

おそらく十数歳であろうその少女は、自身のオレンジ色の髪を振り乱して、寝台の上の女性を起こそうとしていた。

「…んぅ………わたしがめんどくさいから……きゃっか……。」

固く目をつぶっていたその女性は、薄く目を開けたかと思うと、そう言った。

このやり取りは数刻前から繰り返されており、その一角を通る人々から少女は同情的な視線を向けられていた。


少女はもう涙目になりながら訴える。

「ガーバナー様が今日神託をするなどと言ったからではありませんか!

いい加減起きてください、支度が遅れてしまいます!

ちゃんとした姿を見せねば民に侮られてしまいますよ!

貴方様はこのフォレスト王国第二王女、マー()リー・フォレスト殿下にしてこの世界唯一の神、オースティング・ガーバナー様なのですから!」


その長い言葉を少女が言い終わったか、と思うと、先程まで寝台で眠っていた女性がガバリと身を起こし、少女を見据えた。

「それを迂闊に言うなと……先日も言ったはず…。

それに……今の私の名は、マーヴィ()リー・フォレスト。

仮にも城のメイドであるあなたが……王族の名前を間違えないで。」

女性――マーヴィリーがそう言って少女を威圧する。


「す、すいません、マーヴィリー殿下。」

すぐに謝罪をするその少女に、マーヴィリーは不満げだった顔を少しほころばせる。


「……うん。素直なのはいいこと。……それはあなたの利点。

支度、お願いできるかしら。ザード。」

主に褒められたのが嬉しいのか、目を輝かせて、「アレンジ(先輩)を呼んできます!!」と駆け出すザード。


「……ふぁ……。」

その姿を見て、マーヴィリーは小さなあくびを一つ漏らしたのだった。


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