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4.黒スーツと遭遇

気持ちいい疲れが体を巡ってきた。

倒したシートに持たれながら天井と窓の外の空を交互に眺める。

ボーっとしているところで半分眠っているところで助手席側の窓から

「コンコン」

叩く音が聞こえた。

「すいません。そろそろここ閉めるんでいいっすか?」

そこには先ほどの初老の警備員と、同じ制服を着た別の警備員が立っていた。

彼は先ほどの警備員と2人組で常駐している警備員で、年は40代後半くらいである。

こちらも黒田と顔なじみであった。

「ん~申し訳ない。ちゃんと帰るから。もう少ししたら帰るから。」

黒田は飲みかけのチューハイを警備員に見せる。

「家で飲めばいいのに好きっすねぇ。」

警備員はあきれたような笑みを浮かべる。

「ん~ここが落ち着くのさ。」

警備員はやれやれという顔をして守衛の事務所に去っていった。

黒田はこの人たちに自分が辞めることになったということを話そうかなと考えた。

が、聞いてはくれるだろうが特に意味もないなぁと思ったからやめた。

残りのチューハイを飲んで帰ろうと思い缶をあおった。そしてそのあとほんの瞬間目を閉じた。不思議なことにその数秒で黒田の意識は眠りの中にストンと落ちていった。


それから数時間が経ってしまった。黒田は目を覚まし、たっぷり寝てしまったことに気づく。

まずいと一瞬焦りつつ、ふと疑問に思った。

「警備のあいつらどうした?」

さすがに門は締まっている時間である。

先ほど警備員の一人にあっているから流石に自分をスルーして帰ってしまうということは無いと思うが・・・。

黒田は急いで車を降りて守衛の事務所に向かった。

辺りはとっぷり暗くなっていた。そもそも事務所は基本24時間明かりがついているはずなのだが、その時は何故か明かりがついていなかった。


「あれ?」


黒田は明かりのついてない、人気の無い事務所を不思議に思い、出入り口のある事務所の裏に回った。裏に回ったところで黒田はとっさに身を隠した。


「何かいる?!」


暗闇の中に何か人のような形をした、しかし人ではない何かが立っていた。

そしてその足元には鮮血が水たまりのようにできていた。



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