一話・雪崩
ルールを説明しよう。
塔の一階に住んでいるのは四人だ。
彼らは二階に住んでいる一人に敵わない。だが三階の者たちには圧勝できる。
ただし、逆立ち勝負になれば二階に住んでいる一人には勝てる。しかし三階の者たちには勝てない。寧ろ大幅に間をあけられてしまう。まぁ、三階建ての金色という名前の塔においては一階に住む彼等全員が協力して一斉に舞台に上がらなければ逆立ち勝負にはならない。
だが、一階に住む者たちは全員分かっている。
一階に住もうが二階に住もうが三階に住もうが、死には抗えないのだと。
塔の二階に住んでいるのは一人だ。
彼はずっと横たわっている。
ただそれだけだが、彼がいなければ三階の者たちは安心して立っていられないだろう。
塔の三階に住んでいるのは複数だ。
だが、彼らは人という字よりもしっかりと手を取り合って協力している。
因みに、協力するのは問題ないが、塔にいる間にくっついてしまうのはズルだ。
そんなことをしてしまえば新しい住人を探してこなくてはならなくなってしまう。
さて、もしすべてが金を集めるために争い合った時、最後に生き残ってはならないのは王か蜂か婆か。
暗に示すのはいいだろうか、歌詞って