出会い
「女の子?なぜに?俺は、男だったぞ?性転換?にしては、骨格が変わりすぎだし..耳長いな。エルフか?」
そう、耳が長く8歳ぐらいの見た目の女の子になっていた。
「ほんと、どうしよう。こんなのサバイバルもできないよ。」
田舎に住んでいたので猪を絞めた事は経験している。しかし、それは、18の男で、害獣の駆除をしただけ。今は、動物愛護団体に訴えられるから追い払うくらいだが。
「それより、ほんとにエルフとかだったらどうしよう。人間の街に行きたいけどいったら奴隷コースだろうな。」
そう思っているが、エルフはこの世界において自然を守り、魔法技術などで人と共存出来ている。そして、奴隷は、世界共通で禁止されている。
「さて、そろそろ、行くか。サンダルなのが最悪だな。」
そう呑気に喋りながら歩いていた。
何故、寝ていたのに動物に襲われていないのか。
実は虫の音もしていない。
それらの森の異常に気づいてたがここが日本ではないだろうと思い、この森は危険は少ないと判断したためである。
森は、生物の宝庫とも言える。なぜなら草がありそれを草食動物や虫が食べる。それらを食べる肉食の動物も来るはずなのだ。
そして、森の中を6時間歩き、限界に達した。10にも、満たないのだ。体力が少ないのは明白。しかし、無理をして歩いたため、もう、立てなくなっていた。さらに、川にそって歩くのではなく、離れてしまっていた。距離は川まで1キロ。
「道なんて覚えてないよ。」
そう愚痴をこぼしていると。
目の前から、巨大な犬ではなく狼が走ってきた。目が血走り迫ってきたので恐怖を感じ目を瞑り丸まった。
おかげで、助かった。そう、狼は〝狩られる側〟だった。追っているのは竜と思える。5m程の空を飛ぶ化け物が狼を食らった。そして、こちらを見た。
「ひっ!」
目を瞑り開いて周りをみた。見てしまった。更に恐怖で声を上げてしまった。
竜は、動体視力は高いが止まっているものは背景と同じにしか見えない。そして、耳はそこまで良いとも言えない。臭いは食らいついた狼の血の臭いで消えていた。そう、声を出さなければ何もされなかった。
garuaaa!
竜が慟哭を放つと同時に、走り出した。恐怖が支配し、後ろを振り向かずに木が倒れる音が響き渡った。そして、注意力がおちていたため崖に気付かずにおちた。不幸中の幸いは、竜が飛べないこと。滑空は出来るが上昇はできない。故に追うことをやめた。獲物は捕らえていたのだから。そして、したが川であったこと。流れが急でカーブの外側に落ちたためそこが深く落下の激突で死ぬことはなかった。
「ヒィィィァ」
落ちた衝撃で気を失いかけたがその瞬間に水が気管に入り、むせた。しかし、水の流れが早く姿勢を保つので限界であり、流され続けた。
────
「さて、今日の狩りはドラゴンか。」
「いやいや、ドラゴンかじゃないでしょ!」
「なんだよ?そうカッカすんなって」
「貴方が寝坊してなかったらもう、終わってるのに。」
「悪かった。今回は俺も頑張るからさ〜
?」
「当たり前じゃぃ!」
「いきなり男口調!何故!」
「もういいから、竜は、上のほうかな?」
「そうだな。あそこの川を越えてだな..ん?」
「どうしたの?行くよ?」
「まて、何かが川にいる。魚でもない。見てくる。」
男は、腰の剣を抜き、姿勢を低くし音の方向に向かって行った。
「私も行くわよ。竜の可能性もあるしね。」
女は弓を出し矢を右手に持ち準備をした。
「あぁ、まずは音で様子見だな。」
『がぼ!たす..』
「え?今声が!」
「やばい!音の方だ!行くぞ!」
「えぇ!」
「くっ!何処だ!」
もう、落ちてからは10分が経っていた。更に足がつり、耐えていたが元々体力を切らし休憩していた所で、逃げ、落ちて耐えたのだ。が、体力は、唐突に切れた。子供になり、感覚が分からない。そして、火事場のばかぢからとも言えるのも出し尽くし遂に沈んだのだ。
「くっ!様子見しようとしたのが裏目に!」
「仕方ないわよ!しないで突っ込むような奴はスグ死ぬ世界に生きてるのよ!それより、“鷹の目”!いたわ!そこよ!」
「そこか!間に合え!」
川に飛び込む。そして、男が感じたのは流れがとてつもなく早いこと。
「ぐっ、“限界突破”!捕まえた!おい!」
「分かってるわよ!」
女は矢を男の腕に向かって放った。
「ぐっ..いてぇ..引き上げてくれ。」
「分かってる。」
「ふぅ、ん?やべぇ!息してねぇ!」
「渡して!」
「おう、湯を張る鍋借りるぞ!」
「そこよ!脈はある..弱いわね早くしないと死ぬかも。」
女は、人工呼吸をし、下腹当たりを押した。
『ゴフッ..うぅ、助けて..』
「..よし、一応応急処置は終わり。湯は?」
「張り終わった。早く入れろ。体が冷えきっている。」
「分かってるわよ!それより、この娘どうする?」
「連れていくしかないだろ?」
「それもそうね。ここに置いて行く何て論外だしね。」
「移動するぞ?竜が来たら庇いながらはキツすぎる。」
「そうね。服の中にこの娘入れるからあっち警戒してて。」
「了解..」
「いいわよ?行きましょう?」
「あぁ、先に行ってくれ。竜が来た。」
「ん〜?今回の竜は、上級の竜。それも古龍だけどいける?」
「まぁ、元だが勇者だからな。行けるって。」
「任せるわよ?この森の出口にいるわ。」
「おう。」
男は古龍と呼ばれる竜を、10分で倒した。
────
「さてさて、この娘の身元が分かるものは..ないわね。」
『う、うぅ。』
「起きれる?」
『ん?ここは....お姉さんだれ?エルフ?』
「しまったわね。言語が違うわ。あいつなら分かるでしょうけど。」
『言葉がわからない..どうしよう。』
小さな女の子が目に涙を溜めて見つめていることに女は気づき撫でようとした。
『殴られる?うぅ。』
世界が違うと判断していたため。そして、自分が小さくなり周りが大きく見えるために殴られると判断した。
「や、ちょっと!んぅもう!」
『ひぃ!』
「あっ、違うのよ!あなたに怒ってるわけじゃ!」
『ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!』
女の子は怯えて小さく丸まり、泣きだした。しかし、中身は男なので男の矜持として堪えようとした。それが誤解をまねいた。
「えっ?この娘、まさか!」
それから、女は抱っこしてあやして寝かせた。ようは、疲れて緊張してそれが解けたため寝ただけである。それから時間が立ち。
「おい、どうした?ほれ、鱗」
「いまは、それどころじゃない!」
「どうしたんだよ?」
「この娘、最悪のケースだと。奴隷だったかもしれない。」
「どういうこと?」
「いまは、寝てるけど。泣く時に堪えてたのよ?この年ぐらいだと泣き叫ぶはずよ?恐怖を感じたら。」
「そりゃそうだろ?こんな小さい子が..ほんとか?」
「ほんとよ。まずは、この娘の疲労がすごいわね。あと1日放置したら、体調を崩して危険なことになるところよ。」
「運ぶぞ!」
男女は助けた小さい女の子を、連れて帰った。
この作品での限界突破は、身体強化と魔力増幅です。