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七夜の悪夢  作者: 高槻
7/7

最終夜

怖い夢を見た。

はっ、と飛び起きて、喉が渇いていることに気付く。

水を飲もうと思って一階の台所へと階段を下りる。

一段一段、下りていく。

薄暗くだが、廊下が見える。

けれども一向に着かない。

私は永遠に階段を下り続ける。

           

はっ、と飛び起きる。

何か怖い夢を見た気がする。

ふと、部屋のドアに目を向けると、閉じていた(はず)なのに開いていて、

見知らぬ女が立っていた。


はっ、と飛び起きる。

何か怖い夢を見た気がする。

喉がカラカラで、台所へ行って水を飲もうと思う。

廊下をヒタヒタ歩く。


突然ガシッと首を(つか)まれた。



はっ、と飛び起きる。

・・・何か怖い夢を見た気がする。


「起きなさーい、遅刻するわよー」


階下からお母さんの私を呼ぶ声。

いつもの朝だ。

緊張していた体から、ふっ、と力が抜ける。

ベッドから降りて部屋を出ようとしたところで、壁に立て掛けてある姿見に目が行った。


首に手の痕がついていた。



はっ、と飛び起きる。

何か怖い夢を見た気が・・・――――――

全七夜、これにて完。

これらの話は、破壊衝動を紛らすことが出来たらなあ、という思いから作りました。

現実に何かを壊すより、ドラマや小説で消化できたら良いと思うんです。

だから、この話を読んで暴力行動を起こしたー、とか、やめてくださいね。

読み手の行動までは、責任取れませんので、あしからず。

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