第三夜
教室に入った途端、冷たい視線を受けた。
私の机だけ、妙に離されていた。
誰も挨拶なんて、してくれなかった。
廊下で誰かに、すれ違い様にウザいと言われた。
靴が、使われていない、蜘蛛の巣の張った下駄箱に移されていた。
呪いの手紙が届いた。
授業で当てられて答えることが出来ないと、教室の隅から笑い声が聞こえた。
給食に、消しゴムの滓を入れられた。
涙なんて、もう出ない。
机に落書きされているのに気付いた。
シャーペンで書かれた、侮蔑の言葉。
放っておく事にする。
なんだか、もうどうでも良かった。
こんな状態になったのは、私が世渡り下手で口下手で人見知りが激しくて、気の利いた言葉の一つも言えなくて。
それから、それから――――
・・・自分の駄目な部分なんて、いくらでも出てくる。
そんな性格の私が、これから上手く生活していけるとは、到底思えなかった。
明るい未来を想像すら出来ない私は、自分の手で自分の未来を閉ざした。




