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アニメ

オーバーロード3期

作者: とびうお君

 オーバーロードの評判が悪い。何故か?まず2期の影響が大きい。私は嫌いじゃなかったがトカゲ編の評判の悪さにある。だが3期の評判の悪さは質が違う。原作ファンの評判はむしろ良い。そこでオーバーロードはおそらく2期から同様の問題を抱えていたと見ている。原作ファンとアニメファンが2期偶然一致していただけで、アニメファンは2期から3期に繋がる評判の悪い部分が嫌いだったとなる。原作ファンはそれを洗い出せなかった事になる。


 問題と書いたが本当に問題とは思ってない。何故2期と3期では評判の質が違うのか?についてアニメファン側にたって問題と言う言葉を使っただけ。私個人はむしろ原作ファンに近い。で、その問題とは何か?勧善懲悪じゃない主人公による弱いものいじめにある。そこで原作ファンのサド趣味にあるとアニメファンは指摘してるとなる。


 どうかな?と私は思ってる。まずその要素があるのは否定し無い。オーバーロードは偏った悪趣味がある。だがそれがすべてじゃない。その点はおそらく作者も気がついてないと思ってる。作者はサド趣味の可能性がある。だがそれは重要じゃない。あくまで主に対する補助的で、そこに執拗に嫌悪感を抱くものは楽しくないと思う。


 私はそういうの補助だとすぐに割り切ってしまうのと、全くサド趣味が無い人間など居ないと思ってて、私にもあると思う。ようはそれをブレーキをかける感情もあるわけで、そういうのが虚構は上手さによって上手く引き出す場合が多い。これもそういう部分がある。嗜虐的嗜好が0とは言えないが、なんと言うか薬の毒、料理の苦味がブレンドによって旨さに昇華してるようなものになる。


 まずオーバーロードは型的にはピカレスクロマンの範疇に入ると思う。だが本質は多分違う。オーバーロードにその面白さはあくまで補助的なエッセンスでしかない。オーバーロードの表面的な刺激はやっぱり俺TUEEEだと思う。それが勧善懲悪じゃないってだけで、敢えて強く悪党を意識させるピカレスクロマンとは違う。


 かといってゴッドファーザーともまた違う。根本的には勧善懲悪じゃないなろうに良くある俺TUEEEの範疇だと見ている。オーバーロードはなろう産じゃないからなろう系じゃないとあるが、あれには反対。ネット小説は些細な差で分けられるが、基本似たような部分を持つ。ネット小説系と言っても良い。


 オーバーロードがなろう的であると言うのは実はかなり深刻であるという事に細かく言う人は気がついてない。これは大雑把さや雑さとは違う。オーバーロードがなろう的であると言うのは、ネットで小説を書くなら、どこへ行っても異世界の似たような小説しか読まれないって事実を反映してるって事になる。


 オーバーロードがなろう的じゃないというなら、そこにはネット小説の新しい未来がある。だが実際はそんなものは無い。ネット小説は間違いなく異世界系の偏った好みをもった読者に支えられた場所で根本的にその好みに頼らない作品以外はすべてなろう系で括ってしまって良い。敢えて言うなら根本的に異世界物で全く作りが違うと言うならリゼロぐらいだと思う。


 だがそれも異世界じゃなければ受けるだろうか?疑問はある。ただ、リゼロはシュタゲのバッドルートが長いもののようなものだと思う。全く新しい作品は無いが、ネット小説では異色で、ひょっとしたら、異世界を使わなくても受ける可能性は十分にある。


 俺TUEEEの根底にあるものは何か?俺TUEEEは氷山の一角の様なものでネット小説の本質的な面白さじゃない。その前に今回の話しのテーマに沿ったものを書かないといけない。アニメファンに正当性が無いって話がしたい。アニメファンと原作ファンのズレは嗜虐趣味ではない。ここにテーマがある。


 まず弱いものいじめの何が楽しいのか?で、そこが氷山の一角だとなる。確かにオーバーロードはとても面白い上手い俺TUEEEである。それは間違いない。だがもっと面白い部分があり、それは意識しづらい部分だからになる。そしてネット小説は俺TUEEEがうまくなくてもおもしろいのはそこにある。


 それは多分自己投影にあると思う。以前から書いてるなろうの主人公はゲームのプレイヤーと言う器でしかない。だからキャラ性が特に必要が無いと書いている。オーバーロードはまたしてもそこが例外なのだが。なろうで受ける作品はキャラ性が高い。そこがずれてるから、なろうのランキングとアニメのBDのヒットは比例し無い事になる。


 だが根本的にはキャラ性が高い魅力を持つオーバーロードもネット小説の代表としてなろう系として括ってしまっても良い。同じ面白さを持ってるから。ゲームの器と自己投影、自分がアインズ様の立場なら失敗したくないだろう?だったら圧倒的に強いほうが良い。次に入念に準備して絶対勝てるようにするだろう。


 それが舐めプの正体になる。実際は舐めプじゃない。その見方は観客としてみてるからになる。アインズ様自身はどっちかといえば舐めたやり方にしないから隙が無いので戦いとして面白くないとなる。だが失敗し無いように入念な準備をして、分かりきった勝利の結果を見る事は本人にとってはこのうえない面白さじゃないか?となる。


 問題の根本は視点のズレにある。次の問題は、一番面白いバトルモノは拮抗した戦いである。これは私も価値観は変わらないし、だからこそ多くの人は3期オーバーロードに不満を抱く。だが上記に上げた根本をもった俺TUEEEより面白いとしても、それはそういったタイプで上位の面白さを持ったものだけになる。


 俺TUEEEでも上手さを持った作品はやはりある。そうした時全体の面白さを比較して俺TUEEEは駄目だというのは間違って無いか?となる。シンプルに言えば全く違う面白さとして別腹で楽しめば良いのじゃないか?結局ネットの3期への批判はそういった別腹で違うものとして楽しむのが下手な感想となる。


 多くの人は、どうしても価値観を1つにして楽しんでしまうタイプが多い。だが少数派になってしまうのだろうが、こうやって別ものとして平行して楽しめる人もかなりの数居る。この2集団の議論ははっきり言うと不毛だ。対立する意味が無い。これは数の論理で押し切ってしまって良いものじゃない。


 なおかつこの問題はこの手の物語に多数触れると自然と拮抗した両者こそが面白いと分かってくる。でもそうじゃない受け手も数多い。その人達を無視してるのもある。だから必ずしも多数派だとさえ私は思ってない。


 ネットでのオーバーロード3期への批判の大半は間違ってるとかじゃない。不毛だと私は思っている。


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