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30代からの婚活デビュー  作者: あまやま 想
第14章 家仕舞い
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家仕舞い③

「今、遥斗と一緒におりますので…。ちょっと家内に確認してみますね」


 ええっ! まさか、父がそのようなことを言うとは…。思いにもよらなかった。日頃からの義父のことを「あの若造が…」なんて言っているので、父は間違いなく先に帰ると思ったのに…。


 珍しいこともあるものだ。しかも、二人で段ボール十箱も運ぶのは大変だろうと、義父母の加勢を申し出たではないか。


 そして、華に対しては、母を迎えに行くように行ったのである。一体、どんな風の吹き回しなのか? 華は危うく、大声でええっ!…と叫ぶところであった。


「俊夫さんが手伝って下さるとは有り難いですな。これで百万馬力ですよ。ささっ、狭い車内ですが、どうぞお乗りください」


「何、困った時はお互い様ではありませんか、道夫さん」


「俊夫さん、私が後ろに座りますので、広々とした助手席へどうぞ!」


 何、これ? 三人とも何か変だ…。別に仲良くやっている訳だから、こちらとしてはむしろ有り難いぐらいだ。これが、つい二週間ほど前に華のすむ場所でもめた人達なのか?


 それにしても、何か気持ち悪いなあ…。そう思いながら、華は三人が乗った車が出るのを見届けてから、実家へと車を走らせた。


「ねえ、お母さん、何か変でしょう? 私、お父さんが先に帰れるように、わざわざ声をかけたのにさ…。花上家で一緒にごはんを食べようと言うのよ。それだけでも十分びっくりなのに…。段ボール運ぶのを手伝うと、自ら二人の車に乗り込んだのよ! もう、びっくりしちゃってさ、思わず大声出しそうになったよ…」


「確かに、そうね…。私もそこにいたら、華と同じように驚いたかも…。もしかしたら、春樹さんがいなくなって、三人とも寂しいのかもしれないよ。私も寂しいもん…。ああ、惜しい人を失ったねぇ…」


 後部座席から母がぽつりとつぶやく。その隣には遥斗がチャイルドシートの上で、暴れることなく大人しく座っていた。久々の車で嬉しいのだろう。


「ブーブー、ブーブー…」


と言いながら、楽しそうに景色を眺めているのがバックミラーに映る。そうか、母もそう思うのか…。やはり、働き盛りの元気はつらつの三十歳の男が突然亡くなったのだから、親の悲しみは計り知れないだろう。


 義父母はもちろんのこと、父母も実の息子のように春樹と接していたからな…。残された妻の悲しみは、もはや言葉にできない。でも、何か違う。悲しいんだけど、親のようにはなれない。せいぜい、人知れず泣くぐらいか? 華は義父母宅へ向かう途中、そんなことを考えながら運転をする。

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