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30代からの婚活デビュー  作者: あまやま 想
第14章 家仕舞い
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家仕舞い②

「おはようございます」


 義父母がやって来た。挨拶がすむと早々に、四人で荷物をマンションの五階から下ろす。このマンションにはエレベータがあるから、まだマシだ。


 もし、エレベータがなかったら…と思うと、ゾッとする。父の提案により、まず部屋から十箱の段ボールをエレベータの前まで運び、それからエレベータに全て乗せる。


 一階に着いたら、エレベータから荷物を降ろし、車まで運ぶこととなった。一回目が終わった時点でもうヘトヘトだ。段ボール十箱にまとめておいて本当によかった。


 華はしみじみと実感した。思い切って、春樹の遺品を泣く泣くたくさん片付けたことを後悔もしたのに…。人間とは本当に現金である。


「華さん、ここまできれいに整理してくれて、本当にありがとう」


「そうじゃなかったら、私達、きっとぶっ倒れていたよ…」


 義父と義母が続けて、華に感謝の言葉をかける。思いもよらぬねぎらいの言葉に、華は思わず照れてしまった。それを隠すように、


「お義父さん、お義母さん、そんな止めて下さいよ。私は妻として、当然のことをしたまでで…。それに父にも手伝ってもらいましたし…」


「いやいや、私達も親として、当然やらないといけなかったのに…」


「お義父さん、二人ともご多忙で休む暇もないのに、こうやって来られただけでも有り難いですよ…」


「俊夫さん、華さん、忙しさにかまけて、俊夫さんと華さんにおんぶに抱っこで本当に申し訳ない…。本当にありがとうございました」


 義父がそう言うと義母と二人して、深々と頭を下げた。そんな大それたことをされると、かえって調子が狂う。隣にいる父も何だか、バツが悪そうである。義父母ってこんな人だったかな…。義父母も春樹が亡くなってから、自らの立ち位置を見失っているのかもしれない。


「せっかくですので、お昼を我が家で召し上がって行かれませんか?」


「そうだな、母さん。ぜひとも、お礼させて下さい。そうは言っても、この程度のことしかできませんけど…」


「お父さん、どうする?」


 華は父が疲れていて、家に帰りたがっているだろうと思い、あえて父だけ帰れるようにしむけた。ところが、


「そうだな…。せっかくだから頂いていこう。道夫さん、美冴さん、せっかくなのでうちの家内も一緒にいいですか?」


なんて言うではないか。華は完全にあっけにとられる。

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