表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30代からの婚活デビュー  作者: あまやま 想
第14章 家仕舞い
76/145

家仕舞い①

 運動会の翌日、小学校は運動会の代休で休みだった。花上華は義父母との約束通り、父・俊夫の運転する車に乗ってから、かつて住んでいたマンションへと向かう。


 今は亡き夫・春樹の荷物を運び出せば、全ての荷物整理が終わる。義父母はどちらも小学校の校長をしているので、運動会が終わるまでは忙しかったようだ。


 春樹が子どもを助けるために車に飛び込んで亡くなったのが、九月八日のことである。それから華の周りの世界が変わった。


 華は一人で息子の遥斗を育てないといけなくったし。田井島は居場所を失った。本当は義父母もゆっくりと悲しみと向き合いたかっただろうけど、小学校の校長と言う立場がそれを許さない…。結局、ほとんどの作業は華と父・俊夫の二人で行うことになった。


「春樹君の荷物を引き上げたら、全て終わりだな…。道夫さんも、美冴さんもとりあえず一安心だろうよ」


「お父さん、今まで手伝ってくれてありがとう!」


「いやいや、礼には及ばんよ。まあ、年金暮らしだから暇だし…。母さんなんか遥斗の相手をするようになってから、すごく生き生きするようになったぐらいだ。一応、母さんにもお礼言っとけよ」


「はーい」


 そんなこと、わざわざ言われなくても分かっているが、三〇にもなれば、わざわざ言い返すことでもないと分かるようになる。


 父だって、親切心で言っているのだから、あえて相手の気を悪くさせることもない。何も分からない十代、分かっていてもついつい言い返してしまう二十代を経て、ようやくいい按配でうまいこと親とやり取りできるようになったな…。


 マンションに着くと、父がピザのにおいがするなんて言うので、慌てて全ての窓を開けてから換気を行う。この前の土曜に田井島と一緒に食べたピザのにおいが、まだ残っていたとは…。食べているときは気付かないけど、ピザは意外とにおいが部屋に残る。


「土曜日に、田井島と一緒にピザを食べたの…ここで」


「ああ、田井島君か…。それなら、春樹君も喜んだだろうよ。そう言えば、三人は大学のサークルつながりだったな…」


「そうよ。私達、フィリピンのボランティアサークルで知り合ったの…」


 まさか、父がそんな昔のことを覚えていたとは…。華はそのことに驚く。春樹も華も実家から大学に通っていたが、田井島は親元を離れて一人暮らしをしていた。


 そんな訳で、田井島は学生時代に何度かごはんを食べに来たことがあった。また。三人で食料を求めて、どちらかの実家を行ったり来たりしていた。ふと、ベルが鳴り、ドアへ向かう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ