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30代からの婚活デビュー  作者: あまやま 想
第13章 田吉にも柚木にも悩みの1つぐらいある
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田吉にも柚木にも悩みの1つぐらいある⑤

 普段、世間体とか全く気にしない人が、世間体の話をするとは…。何とも言えない違和感があった。これこそが田吉の父としての一面なのか?


 まあ、おっさんがそう言うなら仕方ない。田井島はそれに従うことしかできないのだ。誰一人として知り合いのいない小学校の運動会に一人だけ取り残されても、どうすることもできない。今は成り行きに従って、田吉に付いて行くのみである。


 ジョイフルに着く前、田井島は何か理由を作って帰ろうか…と思った。しかし、


「朝の電話で今日は特に予定ないと言っていたじゃないか」


とおっさんが珍しく真面目に突っ込んでくるではないか…。結局、前妻が子どもを連れて来る場面に立ち会わされることから逃れられないようだ。


「田井島は、どうしたら離婚が無くなるか考えたことがあるか?」


 ジョイフルでドリンクバーを頼んで、それぞれが飲み物を注ぎに行っている時のことだ。おっさんがカプチーノを注ぎながら、簡単に答えのでない質問をしてきた。梅こぶ茶を注ぎながら、田井島はなんて答えればいいのか…と答えに窮している。さて、どう答えたものか…。


「お互いのことをよく理解し、よく信じ合うことですか…」


 二人とも飲み物を注いで、無言で席に戻る。それから、田井島は田吉の質問に答えた。いかにもじっくり考えたかのように…。


「まあ、そう言う答えが返ってくるよな、普通…。田井島、お前なら、もっとぶっ飛んだことを答えてくれると思ったのに…。いいか、こう言うことは常識で考えたらダメなんだ」


「えっ?」


 こう言うことから常識が無くなったら、人はもはや情動にふり回されるだけではないか。それこそダメだろう…。


「俺は一夫一妻制に問題があると思っている。それこそ、一夫多妻制とか…一妻多夫制とか…を日本は取り入れるべきだと考えている」


「はあ?」


 田吉があまりにもぶっ飛んだことを言い出すものだから、思わず「はあ?」と声に出して言ってしまった。そんなことを認めたら家族の概念が根底から崩れてしまうだろう…。

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