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30代からの婚活デビュー  作者: あまやま 想
第12章 田吉のセッティング
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田吉のセッティング⑦

「それこそ、この世界で仕事を続けるために、エロじじいの下働きはもちろんのこと、セクハラまがいのこともされていますからね。それこそ、夢の中ではいつもフルボッコに殴ったり蹴ったりするほど、人としては最低なの。でも、あいつらが上司であり、私が部下である以上、生活のために耐えるしかありません」


 四位の言うことは田井島にとって、にわかには信じ難い話である。そんなこと、役所で発覚すれば、やった側は懲戒免職ものである。学術の世界のことはよく分からないけど…。


 思うに、安定したポストが限られていることが強い人間と弱い人間を生み出していて、それが不祥事の温床になっている。ああ、由々しきことだ。


「いっそのこと、大学を離れて、絵画教室でも開いてはどうですか? それか、思い切って画家として独立されるとか…」


「そんなことできるなら、とっくの昔にやっていますよ。あのね、絵を売って暮らしていける人はほんの一握りなんです。それができない人は芸大にしがみついて生きていくか、もしくはこの世界から足を洗って堅気の仕事をやるしかないの!」


 どうやら、逆効果だったらしい…。どうにか落ち着いてもらおうと大学を離れたらと提案したら、かえって火に油を注ぐ結果となってしまった。四位はさらにまくしたてる。


「確かに、そこら辺の人々よりは絵がうまいかもしれませんが、絵がうまいだけなら、芸大にたくさんいます。その中からさらに特別な光るものがないと…画家なんて、とてもなれませんよ! 大学に残った連中は良くも悪くも、自分の絵には特別なモノがないと挫折させられたくせに、絵から離れられない人達ですよ!」


 四位は言いたいことを力の限りに言い続けたあげく、机をバーンと叩く。そんなことをするものだから、田井島だけで無く、隣にいた糀谷航平をびっくりしたように四位を見た。四位の隣の立合橋貴子もこっちを見る。それで、ようやく四位はしまった…と言うような顔をした。

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