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30代からの婚活デビュー  作者: あまやま 想
第11章 もぬけの殻
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もぬけの殻⑦

「何だよ。さっきから、人の顔をじろじろと見て…」


「田井島がまゆ毛いじってる! これは大スクープだ! 何があったの? 彼女でもできたの?」


「いや、何があったって…。先週、合コンボーリングに行ったら、一回り上のおっさんと意気投合してさ。婚活でうまくいくコツを教えてもらおうとしたら、まゆ毛整えろって言われてね…。それと黒のカジュアルジャケットを買ったよ」


 休日出勤だからか、田井島の格好は明るい赤シャツに黒のカジュアルジャケット、青色のジーパンと言う実にカジュアルな格好であった。田井島と言えばスーツと言うぐらい、スーツのイメージが強いだけにこれは革命モノである。


「おお、これは革命だ!」


「はあ…。なぜか、みんな、そう言うんだよな…。職場でもそう言われたし…。俺って、そんなにファッションに疎いのかな…」


 いや、疎いと言うか、今まで何もしてなかったから…。無駄なこと、面倒なことを一切しないあの田井島が…。婚活のためにおしゃれに目覚めた。これは事件だ! そして、間違い無く本気だ。間違いない。こうやって、また一人…。春樹の死に直面して変化していく…。


「で、ピザは頼んだのかね?」


「あっ、忘れた…。すぐに頼むから…」


「注文を頼むの忘れるなんて…。どんだけ驚いているんだよ」


 華は少し顔を赤らめながら、ミックスピザを頼んだ。それから、遥斗の離乳食を用意する。最近、ようやく大人と同じ白米を食べられるようになった。


 おかずはまだ市販の離乳食だが、おかずもそろそろ大人と同じものでいいかもしれない。ただし、味付けは薄味が基本なので、味付けをどうするか考えないといけない。


「遥斗君はピザを食べないの?」


「食べません!…と言うより、まだ食べられないの!」


 ここにも、離乳食に疎い人がいたか…。まあ、独身だから仕方ない。そう言えば、春樹は子育てのことなどをよくネットで調べていたな…。

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