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30代からの婚活デビュー  作者: あまやま 想
第10章 婚活の狂気が冷めた朝
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婚活の狂気が冷めた朝①

 ん? ここはどこだ。朝、田井島は自分の部屋でない所で目覚めた。あれっ? 昨晩、一体何があったのか…。ああ、そう言えば、昨日の夜は調子に乗って飲み過ぎたな…。頭が少しガンガンする。


 ああ、そう言えば…生まれて初めて参加した婚活の合コンボーリングに参加したんだっけ? そこで、田吉太一と柚木結鶴に出会った。


 それから、会場で意気投合して、合コンボーリングが終わった後に三人で飲んで、まゆ毛がどうのこうのとか、服装がださいだの言われたっけ? あっ、思い出した! まさか…。


 田井島は鏡を見てみようと思ったが、ここは自分の家でないので、どこに鏡があるのか全く分からない…。隣にはおっさんが気持ち良さそうに寝ている。


 柚木はあの後、きちんと帰ったようだ。まあ、野郎二人がいる部屋に泊まろうとは思わないだろう。仕方ない…。田吉宅を探検しよう。田井島は隣の人を起こさないように、洗面所へと向かう。あっ、あった! 田井島は鏡を見る。


「あー! 何じゃ、こりゃ!」


 田井島は、きれいに整えられたりりしいまゆ毛に違和感を覚える。そして、自分の顔でないような不気味さに思わず叫んでしまった。ここが田吉宅であることも忘れて…。


 昨晩まであったはずの力強くて太いまゆ毛が、細くてさわやかなりりしいまゆ毛に変わっている。まゆ毛一つで、見た目がこんなに変わるなんて…。その…何と言えばいいのか、別人の顔を見ているようだ。


「何だ。朝から騒ぐなよ…。こっちは飲み過ぎて、頭が痛いんだ…」


「あっ、すみません。まゆ毛がすごいことになっていたので…。思わず、びっくりしてしまって…」


「お前、昨日のこと、覚えていないのか? 結鶴と俺の二人で、まゆげを整えてやったら、『これ、いいっスね…』って大喜びだったぞ」


 田井島にとって、全く記憶のないことだった。どうやら、田吉宅に来てからの記憶が完全に抜けているようだ…。


「えっ、全然、覚えてないですよ…」


「そうか。あまりの出来のよさに、お金をもらいたいぐらいだ…と言ったら、お前、一万円払うと言っていたぞ」


「マジっスか? でも、さすがに記憶を失っても、さすがにそんなことは言わないと思いますけど…」


「本当に覚えていないようだな…。それにしても、本当に食えねえ奴だな…。勝手にボケることはできても、肝心な時にボケることができないとは…」


 余計なお世話だ。別にお笑い芸人を目指している訳ではないので、執拗にボケることを求められても困る。田吉が続ける。

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